書籍 完全版JOHNNY THUNDERS/IN COLD BLOOD(ジョニー・サンダース/イン・コールド・ブラッド) Vinyl Diary
『 Johnny Thunders/イン・コールド・ブラッド完全版』日本では長らく絶版だった伝記が、新たに日本版のみのテキスト、多数の写真も追加した新訳・完全版で2022年7月に出版された。
JOHNNY THUNDERS
(ジョニー・サンダース1952年7月15日-1991年4月23日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。
NEW YORK DOLLS
Personnel David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds
1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY
Personnel Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds
サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ(ハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F.』 を発表。
アルバム表記はリリース年順
1977 L.A.M.F
1979 『live at MAX’S kansas city』
1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』
1986 『D.T.K.L.A.M.F』
1991 『What Goes Around』
1993 『Live At Mothers』
1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』
2015 『live at the Village Gate』
SOLO DISCOGRAPHY
ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。
アルバム表記はリリース年順
1978『So Alone』
1983『In Cold Blood』
1983『Diary of a Lover』
1983『Hurt Me 』 アコースティック・ギター弾き語り作品
1985年『Que Sera Sera』
1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン
1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood
1991 4月、4度目の来日公演後、4月23日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。
1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』
2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)
2009 『Sticks & Stones』
2014 『Real Times EP』
2015『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)
2020 『Que Sera Sera Resurrected』
2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』
『Johnny Thunders/イン・コールド・ブラッド完全版』初版と比べると、全編に渡って内容も写真も格段に充実した内容となっている。特に写真に関しては、これまで見かけたことのないモノも多くヴィジュアル的にも見応えのある一冊になった。この一冊でサンダースのキャリアが忠実に辿れると思う。初版から今回の再発までの間に著者のアントニア女史は新たな関係者からの証言を随分丁寧に緻密に折り込んでいる。初版には無かった、サンダース最後の来日公演や亡くなるまでの足跡も丹念に書き込まれている。特に胸に迫るのが盟友ジェリー・ノーランの証言。サンダースが日本へ向けて発つ前の、2人が過ごした一場面は涙なくしては読めないほどに心に深く刺さるシーンだ。
個人的に永らく疑問に思っていたのは、
1.キャリア後期のサンダースは何故ニューオーリンズに固執していたのか?
2.同じくキャリア後期、社会的なメッセージ性のある作品が増えたのはどのようなきっかけがあったからか?
などであるが、これらもその答えはこの本の中にある。
2022年でサンダースは生誕70年。サンダースやNYパンクを知らない若い世代にも是非目を通して欲しいと思う一冊である。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。