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JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS/D.T.K live at SPEAKEASY

『D.T.K』

「L.A.M.F』発表直前、1977年3月15日、ロンドン、スピーク・イージーでのライブ盤、1982年リリース

JOHNNY THUNDERS

(ジョニー・サンダース1952715-1991423日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。

 

NEW YORK DOLLS

Personnel David Johansen – vo,hp   Johnny Thunders – gt,vo  Sylvain Sylvain – gt,vo  Arthur Kane – ba  Jerry Nolan – ds

1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。

JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY

Personnel  Johnny Thunders – Vocals & GuitarWalter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds

サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F. を発表。

アルバム表記はリリース年順

1977 L.A.M.F

1979 『live at MAX’S kansas city』

1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』

1986  『D.T.K.L.A.M.F』

1991 『What Goes Around』

1993 『Live At Mothers』

1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』

2015 『live at the Village Gate』

2016 『Vive La Revolution!』

2019 『Yonkers Demo Live 1975/1976』

2021  『L.A.M.F the found ’77 masters』

SOLO DISCOGRAPHY

ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。

アルバム表記はリリース年順

1978『So Alone』 

1983『In Cold Blood』 

1983Diary of a Lover

1983Hurt Me アコースティック・ギター弾き語り作品

1985年『Que Sera Sera 

1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン

1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood

1991 4月、4度目の来日公演後、423日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。

1992 『So Alone CD (+4tracks)』

1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』

2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)

2009 『Sticks & Stones』

2014  『Real Times EP』

2015  『Daddy Rollin Stone EP』

2015Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)

2020  『Que Sera Sera Resurrected』

2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』

2021 『Live In Osaka 91 & Detroit 80』

2022 書籍 完全版 Johnny Thunders /In Cold Blood

『D.T.K live at SPEAKEASY』

D.T.K. Live At The Speakeasy

 A1.Chinese Rocks      2.All By Myself     3.Let Go    4.Can’t Keep My Eyes On You    5.I Wanna Be Loved     6.Do You Love Me     

B1.Do You Love Me     2.Get Off The Phone  3.Going Steady    4.I Love You     5.Born To Los

Personnel

Johnny Thunders – Vocals & GuitarWalter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan – Ds

1977年2月20〜22日の3日間に最初の、それから翌3月にかけてハートブレイカーズは滞在中のロンドンで継続してレコーディングを行なっている。デビュー・アルバム『L.A.M.F』の製作である。’77年5月20日、シングル「チャイニーズ・ロックス/ボーン・トゥ・ルーズ」がリリースされた。このライブが行われたのは’77年3月15日だから、ちょうどレコーディングの合間を縫って、ということになるだろうか、おそらくかけ足で契約やリリースがまとまり始め、ノリにのっていたであろう時期のライブである。悪いはずがない!

ハートブレイカーズのライブ盤はいくつかあるけれども、本作がその筆頭であることは間違いない事実である。後のサンダースからは想像も出来ないような、キレ、安定感のあるギター・ワーク、精気に満ちた、生き生きとしたヴォーカル。4人の一体感、グループ。ロックンロール・バンドが持つべき全てがここにある。紛れもなく五つ星の傑作、快作である。

Side  A

サンダースのカウント、破壊的なほどに強力なイントロで始まる  A 1.Chinese Rocks  がライブのオープニング・ナンバー。ノーランのドラムの音、サンダースとルアーのツイン・ヴォーカルとギラギラしたギターの絡み、特にエッジの立ったサンダースのギターである。MCに続いての  2.All By Myself  はメイン・ヴォーカル、ギター・ソロともにルアー。底辺を埋めるラスのベース、ノーランのスネアの音のデカさは半端じゃない。改めてこのリズム隊の凄さを実感する。間髪入れずに軽快なリフで  3.Let Go  に突入。サンダースが軽快に歌い、ラスのジャストなタイミングのベースが実に気持ち良い。 サンダースのMCがあり(××キンばかり聞こえる) カウントで始まる 4.Can’t Keep My Eyes On You  、サンダースのブルージーなバッキングのコード・ワーク。ルアーもなかなかの表現力のヴォーカルだ。4人がぴったりリンクしたタイトな演奏は素晴らしい安定感である。MCに続いて、サンダースの投げ出すようなカウントで 始まる 5.I Wanna Be Loved  この曲ではサンダースの声がややハスキーな響きに聴こえる。 Aメロのリフとサビへの流れが最高。

Side B

気合いの入った歌い出しの B 1.Do You Love Me?、  この曲ではサンダースはバッキング・ギターをルアーに譲って歌に専念しているよう。がなるサンダースのヴォーカル、あまり評価されないが、このがなり方もサンダースはかなりセンスがあると思う。 ルアーがヴォーカルを取る 2.Get Off The Phone 、直線的なサンダースのギター、ノーランのオカズの入れ方、カッコいい。 ノリノリの8ビート 3.Going Steady ではグルービーなバンドの音が素晴らしい。ルアーの起承転結のあるギター・ソロもGOOD。 このイントロのサンダースのギターとノーランのドラムの音!、4.I Love You はハートブレイカーズのラブ・ソング。ノーランの真骨頂、次々と繰り出される流麗で多彩なドラミングは筆舌に尽くしがたい。 A 1と並ぶ、ハートブレイカーズのキラー・チューン、5.Born To Lose がクロージング・ナンバー。サンダースのヴォーカルが熱いままで幕を下ろす。

ロックの歴史に残るライブ・アルバム選で、このアルバムが挙がらないのが不思議でしょうがない。いつか正統な評価が得られる日が来ることを願ってやまない。

 

 

『D.T.K live at SPEAKEASY』TOWER RECORDS ONLINE

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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