Blogブログ

ROCK’NROLL GYPSIES/ Ⅰ (ロックンロール・ジプシーズ/ファースト)

『ROCK’NROLL GYPSIES Ⅰ』   

ROCK’NROLL GYPSIESⅠは2003年06月18にリリースされた花田裕之率いるロックンロール・ジプシーズの1stアルバム。

ROCK’N’ROLL GYPSIES

元THE ROOSETERS(Z)の花田裕之(G,Vo)を中心に結成されたロックバンド。(以下敬称略)

 

『花田裕之/ROCK’N’ROLL GYPSIES 』(1995年1月)

花田裕之5作目のソロアルバム。元ROOSTERSの池畑潤二(Dr)、井上富雄(B)、元ROOSTERZの下山淳(G)という新旧ルースターズ・メンバーが一堂に会してレコーディングが行われた。

◇『花田裕之 R・R・G RENT-A-SONG 』19959月)

花田裕之6作目のソロ・アルバムは前作と同年にリリースされた。メンバーも前作同様。全7曲の邦楽のみのカバー・アルバム。

 

『花田裕之 ROCK’N’ROLL GYPSIES “風が吹いてきた”』(1996年5月)

花田裕之の6作目のソロ・アルバム「RENT-A-SONG』を挟んで、リリースされた7枚目のソロ・アルバム。メンバーは『花田裕之/ROCK’N’ROLL GYPSIES』と同じく下山淳(G)、井上富雄(B)、池畑潤二(Dr)

 

◇「ROCK’N’ROLL GYPSIES /WHO THE FUCK IS THE ROOSTER?』(2002年2月)

2001年10月14日、北九州でのロック・フェスにROCK’N’ROLL GYPSIES名義で(ライブ1度きりの予定で)出演。もちろんメンバーは花田裕之(Vo.G)  井上富雄(B)  下山淳(G)  池畑潤ニ(Ds)の4人

 

『ROCK’N’ROLL GYPSIES I -FIRST-』(2003年6月)

イベント出演をきっかけに、旧ルースターズメンバーで構成された花田裕之ソロプロジェクトがついにバンドへ発展。正式にその名をROCK’N’ROLL GYPSIESと改め本格的に活動を開始

 

◇『ROCK’N’ROLL GYPSIES II』 (2005年11月)

◇『ROCK’N’ROLL GYPSIES /Same Old BackBeat』(ライブ音源  2006年11月)

『ROCK’N’ROLL GYPSIES III』(2010年7月)

◇『ROCK’N’ROLL GYPSIES IV』(2016年4月)

◇『ROCK’N’ROLL GYPSIES /Just For Live at KYOTO takutaku』(ライブ音源  2019年8月)

◇『ROCK’N’ROLL GYPSIES V』(2023年04月)

現在は井上富雄に代わって市川勝也がベースを担当している

 

『ROCK’NROLL GYPSIES Ⅰ』   

Track List

1. Lazy Sun 、2. GOOD TIME (TO LOVE YOU) 、3. NATURAL POWERED 1 、4. TRUCKIN’ 、5. NO TIME 、6. Old Guitar 、7. RELIABLE MAN 、8. Ho Train Boogie 、9. Let’em roll 、10. N.W.O. 、11. 揺れる陽炎の彼方に 、12. いつものこと、

[DVD] 1. FOOL FOR YOU 、2. FADE AWAY 、3. BYE BYE MY GIRL

 

花田裕之ソロという冠を外した、(4人の)バンドROCK’NROII GYPSIESの実質的な1stオリジナル・アルバムである。ここには衒いやギミックの無い、正に王道の12曲のロックンロールが揃っている。

嬉しいのは大江慎也が3曲で詞を提供していることで、ルースターズのプチ・リユニオンの様相を呈していることである。また花田裕之はじめ、下山淳、井上富雄、池畑潤二の3人も詞曲に名を連ねていることに驚く。これによって楽曲のヴァラエティ、振幅を増進させていることに見事に成功しているのはもちろんである。

本作では客演は控えめで、8. Ho Train Boogieのみ、ジプシーズ・ファンにはお馴染みの藤井康一がハープで参加するのみで、全て4人による演奏で貫徹しているようだ。

ジャケットの4人の後ろ姿、背中のバンド名はステンシルでスプレーしたものだろうか。よく見ると11人微妙に配列が違えてある。匂い立つ男の色気と燻銀のカッコ良さである。

 

1. Lazy Sun

花田裕之作詞作曲。切れ味鋭いギターと歯切れ良くもモータウンぽい重めのドラムの、王道ロックンロールがオープニング・ナンバー。ドライな花田裕之のヴォーカルとトリッキーでズ太い下山淳のギターがカッコ良い。

 

2. GOOD TIME (TO LOVE YOU)

大江慎也作詞、花田裕之作曲。ハネたリズムのシャッフル・ナンバー。なんと躍動感に溢れるパワフルな演奏なことか!哀愁溢れるギター・リフも良い。注目の大江慎也の詞は葛藤しながらも前進しようといった内容。

 

3. NATURAL POWERED 1

大江慎也作詞、池畑潤二作曲。詞は全編英詞である。終始ハイ・テンポなロックンロールで、全盛期のストゥージズを彷彿させるストレートで痛快な1曲。直線的な曲だがそれでも独特の音のウネりがあり、4人の繰り出す音圧が凄いの一言。

 

4. TRUCKIN’

花田裕之作詞作曲、シンプルでハードなギターのリフで引っ張る1曲。下山淳のスライド・ギターのソロは水を得た魚のようにイキイキしている。派手さのない、オーソドックスなただのロックンロール、なのに何故こんなに気持ち良いのか。

 

5. NO TIME

大江慎也作詞、井上富雄作曲。この大江慎也の詞も殆どが英詞である。ヘビーなギター・リフが抜群にカッコ良い、終始テンションの高いハイパーなロックンロール。池畑潤二のドラムの瞬発力が凄すぎる!メロディアスなサビも耳に残る。

 

6. Old Guitar

山口洋(HEAT WAVE)作詞、下山淳作曲。ミディアム〜スロー・ナンバー。音量がやや大きめのアコースティック・ギターは下山淳だろうか。「増えていく 傷がいい」の一節が沁みる。アルバム中盤にポツンと入るフォーキーな曲で、しばしカーム・ダウンといった趣き。しっとりした花田裕之の歌声に耳を傾けたい。

 

7. RELIABLE MAN

池畑潤二作曲のインストルメンタル。これが、ムード満点のハードな1曲。こういう3コードのインストは単調になりがちだが、やはりこの4人が演ると聴き飽きないモノになる。1stソロは下山淳で2ndソロが花田裕之だろうか。ライブのオープニングにもハマりそうなトラックである。

 

8. Ho Train Boogie

柴山俊之作詞、下山淳作曲。タイトル通りのアッパーで軽快なブギー・ナンバー。花田裕之の抑え気味のヴォーカルがなんともクール。この曲にのみ参加の藤井康一のハープも相変わらずの超絶的なテクニックでバンドに華を添えている。

 

9. Let’em roll

花田裕之作詞作曲のミディアム・ナンバー。「探すしかないんだ 自分のこの足で」「探すしかないんだ 自分のペースで」と歌われる。花田裕之らしい気負いの無い歌である。4. TRUCKIN’ といい、この曲といい、ギター1本で歌ってもサマになりそうな、シンプルながらも力強いナンバーである。花田裕之のコンポーザーとしてのセンスはもはや職人の域に達していると思う。

 

10. N.W.O.

下山淳作詞作曲のキャッチーでハイ・テンポなナンバー。ヴォーカルも下山淳自身である。ギターとベースのピッタリ息の合ったユニゾンのリフが印象的。ヴォーカル以外にも下山淳はROOSTERZ時代を思い出すようなぶっ飛んだギター・ソロで楽しませてくれる。因みにNO WAY OUTとは”追い詰められて”の意。

 

11. 揺れる陽炎の彼方に

井上富雄作詞作曲の心地良い揺らぎのミディアム・ナンバー。ヴォーカルも井上富雄自身のようだ。メロディアスな曲で、とても丁寧に歌っている。全編にスライド・ギターが配されており、その柔らかい音色が曲を暖かく包んでいる。

 

12. いつものこと

花田裕之+下山淳作詞、下山淳作曲。トラディショナルな雰囲気のアコースティック・ブルース。極端に乾いた味わいのスライド・ギターはリゾネーターだろうか、そしてベースはウッド・ベースか?気負いのない歌詞と気軽さに満ちたクロージングに相応しいナンバー。このアーシーな感覚が堪らない。

 

[DVD]
1. FOOL FOR YOU、2. FADE AWAY、3. BYE BYE MY GIRL

3曲全てROOSTERS時代のナンバー。ほぼ原曲通りの演奏。ヴォーカルは全曲花田裕之。FOOL FOR YOU は下山淳がギター・ソロ、FADE AWAYは花田裕之がギター・ソロ、BYE BYE MY GIRL は下山淳がギター・ソロを取る。熱くシビレるプレーである。

ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ他)絵画に興味ある方はご覧ください。

H・ペレット公式サイト

関連記事