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THE ONLY ONES / LIVE IN LONDON(オンリー・ワンズ/ライブ・イン・ロンドン)

Live In London

1989年、解散後にリリースされたThe Only Onesのロンドンでの熱いライブの夜。

ジ・オンリー・ワンズThe Only Ones)は、イギリスのパンク/ニュー・ウェイブのバンドである。メンバーはピーター・ペレット (Peter Perrett) – ボーカル、ギター、ジョン・ペリー (John Perry) – ギター、アラン・メアー (Alan Mair) – ベース、マイク・ケリー (Mike Kellie) – ドラム 2017年死去。ピーター・ペレットを中心に1976年にロンドンで結成。  

1978年にCBSと契約し   1978:The Only Ones、1979:Even Serpents Shine、1980:Baby’s Got a Gun、の3枚のアルバムを発表するも商業的に成功せず1981年にCBSに契約を破棄され解散する。

1994年にピーター・ペレットが「Peter Perrett with The One」名義で来日。1996年にはソロ・アルバムを発表している。2007年には再結成し、ジ・オンリー・ワンズ名義での初来日を果たす。その後、2009年にも来日した。ドラマーであったマイク・ケリーの死によって2017年以降、バンドとしての活動は中断されていたが、ペレット、アラン・メアー、ジョン・ペリーが2019年夏に3曲のセットを演奏するために再結成を行った。

Live In London

Track List

1:Trouble In The World”2:Programme、3:The Beast、4:The Happy Pilgrim、5:Lovers Of Today、6:Strange Mouth、7:Why Don’t You Kill Yourself、8:No Peace For The Wicked、9:As My Wife Says、10:Miles From Nowhere、11:The Big Sleep、12:Another Girl,Another Planet、13:City Of Fan、14:Me & My Shadow

オンリー・ワンズはJOHNNY THUNDERSがソロ転向の時期に、彼を根底から支えたとても実力のあるバンドだ。サンダースも彼らを相当信頼していたのだろう、ピーター・ペレットの書くリリックは、この時期のバンドの中では抜きん出ているとか、どこかで語っていた記憶がある。

81年に一度解散しているから、これは解散後にリリースされたアルバムということになる。この時期にデビューしたバンドの宿命か、彼らもパンク・バンドの範疇で語られることが多いが、本人たちは周りのバンドより年齢が上で、全くそんな意識はなかったようだ。実際こうして聴いてみると、ミディアム〜スローな曲が比較的に多く、イギリス的な翳りのあるロックンロール・バンドといった印象だ。

良く通るペレットのヴォーカルは、ちょっと頼りなさげなルー・リードといった雰囲気。アラン・メアーのベースとマイク・ケリーのドラムのリズム隊が素晴らしい演奏を聴かせてくれる。プロデュースはギターのジョン・ペリー自らの手によるもの。

ミディアム・テンポの1:Trouble In The World でショーはスタート。良く通るペレットのヴォーカル、メロディアスなペリーのギター、ケリーのドラムが力強くパワフルだ。2:Programmeはゴリゴリのメイヤーのパンキッシュなベースが前面に出ていてカッコよく、ケリーの変則的なバス・ドラの使い方も凄い。3:The Beastはミディアム〜スローな8ビートのナンバー。浮遊感漂うファンタジックな1曲。線の細いペレットのヴォーカルが、この曲にとても合っていて、ドラマティックなアレンジの1曲に仕上がっている。4:The Happy Pilgrim はシンプルなロックンロールでパブ・ロックにも通じるような骨太なサウンド。アップ・テンポな5:Lovers Of Today はプルージーなムードを持ちつつも後半にかけて熱のこもった演奏が聴ける。UK的な翳りをもった曲6:Strange Mouthは、いかにもこの時代といった感じの縦ノリが気持ちよく、メイヤーの凝ったベースも印象的。7:Why Don’t You Kill Yourself 60年代の一連のブリティッシュ・ビートを髣髴させるリフの1曲。この曲のみフェード・アウトで終わる。8:No Peace For The Wicked はじっくり聴かせるタイプのミディアム・ナンバー。オンリーワンズ流R&Bといったところか、リズム隊が非常に安定している。ギター・ポップにも通じるメロディアスでアップ・テンポなロックンロール 9:As My Wife Says。レゲエ調のAメロが印象的な10:Miles From Nowhere は息のあったコーラス・ワークと尺の長いペリーの流麗なギター・ソロが聴きもの。アルバム中唯一のスロー・ナンバー11:The Big Sleep はノワールな雰囲気をまとった、ペレットのヴォーカルがクールな1曲。曲が進むにつれて演奏がヒート・アップしていき、本ライブで白眉のキラー・チューン12:Another Girl,Another Planetにつながる。 スルスルと上昇していくようなイントロのギターはいつ聴いても鳥肌が立つカッコ良さ。13:City Of Fan はハイ・テンポなパンク・チューン。ペレットのヴォーカルに凄みがあり、この時代を生きたバンドの意地を感じる痛烈なナンバー。ラストは14:Me & My Shadow 、意外にも正統派ブリティッシュ、ボ・ディドリー風ジャングル・ビート。ジャム・バンドっぽくプレーを楽しむフランジャーの効いたペリーのギターと、よく歌うケリーのドラムでショーは幕を下ろす。

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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