Blogブログ

DR.FEELGOOD / STUPIDITY(ドクター・フィールグッド殺人病棟)

『STUPIDITY』

『STUPIDITY』はDr. Feelgoodの3rdアルバム、1976年9月にリリースされたライブ・アルバムである。本作は英チャートで1位を記録した。

 

ドクター・フィールグッド(Dr. Feelgood)は、イギリスのロックバンド。1970年代初頭からパブロックシーンを牽引し、パンク・ロックへの橋渡しをした重要なバンドである。

DR.FEELGOOD

Dr. Feelgood : Lee Brilleaux – guitar, harmonica, lead vocals、Wilko Johnson – guitar, backing vocals、The Big Figure – drums、John B. Sparks – bass

1971年にウィルコ・ジョンソン、リー・ブリロー、ジョン・B・スパークス、ビッグ・フィガーでドクター・フィールグッドが結成される。粗野で卑猥かつクレイジーな彼らのステージパフォーマンスはパンク・ロック前夜の若者を魅了、1975年、アルバム『 Down By The Jetty  』でメジャー・デビュー。’76年、セカンド・アルバム Malpractice~不正療法』』をリリース。同年、ライブ・アルバム『Stupidity ~殺人病棟』が全英チャートで1位を獲得する。大成功を収めたものの、バンド内での不和が悪化し、4作目の『Sneakin’ Suspicion』完成と同時に1977年ウィルコは脱退。第一期のドクター・フィールグッドは終わりを告げる。

 

ウィルコ・ジョンソン(Wilko Johnson、1947年7月12日 )は、イングランドのギタリスト、ソングライター、ボーカリスト。ドクター・フィールグッドのオリジナル・メンバー。エセックス州、キャンベイ・アイランド出身。フィンガー・ピッキングとカール・コードがトレード・マークのギタリスト。大学卒業後、、教師をしながらドクター・フィールグッドに参加する(後にロックバンドに在籍している教師は教育上好ましくないということで教師をクビになってしまった)。

ドクター・フィールグッド脱退後もジョンソンは、ソリッドセンダース、ウィルコ・ジョンソン・バンド、またイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズ IAN DURY & THE BLOCKHEADSのアルバム『ラーフター』、ジョニー・サンダース『ケ・セラ・セラ』JOHNNY THUNDERS /QUE SERA SERA( RESURECTED) へ参加するなど活動は多岐に渡る。頻繁に来日しており、親日家としても知られていた。2022年11月21日、自宅にて逝去。享年75歳。

 

『STUPIDITY』

Track list

Sheffield Side

1.Talking About You 2. Twenty Yards Behind 3. Stupidity 4. All Through The City 5. I’m A Man 6. Walking The Dog 7. She Does It Right

Southend Side

1.Going Back Home 2. I Don’t Mind 3. Back In The Night 4. I’m A Hog For You Baby 5. Checkin’ Up On My Baby 6. Roxette 7. Riot In Cell Block #9 8. Johnny B Goode

Personnel

Lee Brilleaux – slide guitar, harmonica, lead vocals、Wilko Johnson – guitar, backing vocals、The Big Figure – drums、John B. Sparks – bass、

751st、翌’762nd、そして同年にリリースされた3枚目の本作はライブ・アルバム。リリース・スパンが非常に短いことが、やはり当時のこのバンドの人気を物語っているのではないだろうか。UKパンク勃発寸前、不況に喘ぐイギリスは、サッカーかロックくらいしか楽しみもなかったのだろう。

本作はA面がSheffield Side。会場はSheffield City Hall’75623日の録音。B面がSouthend Side。会場はSouthend Kurasaal で同じく’75118日の録音となっており、2か所でのライブを1枚にまとめた作品で、4人によるシンプルで熱い演奏が楽しめる好盤である。

1st2ndに収録されていない楽曲も比較的多い。そういった、このアルバムのみで聴かれる曲について重点的にレヴューしたい。

Sheffield Side

1.Talking About You   

アルバム冒頭を飾るのはストーンズでもお馴染みのチャック・ペリー・ナンバー。こちらはテンポも速くストレートな、ギミック無しの軽快な演奏を聴かせてくれる。熱い演奏に観客もノリノリで応えている。

2. Twenty Yards Behind   

ウィルコ・ジョンソン作。『Down by the Jetty』収録曲。ジョンソンのヴォーカルとブリローのハープの掛け合いが小気味良い。

3. Stupidity   

ソロモン・バークのカヴァーの表題曲、ミディアム・チューン。切れ味鋭いジョンソンのギターはバッキング、ソロともに申し分のないかっこよさ。

4. All Through The City   

ウィルコ・ジョンソン作。『Down by the Jetty』収録曲。1stアルバム通りの演奏、だがやはりカッコいいとしか言いようがない。演奏の上手さ、安定感が際立っている。

5. I’m A Man   

ボ・ディドリーのカヴァー。2nd“I Can Tell”を取り上げていたこともあり、ボがバンドのフェイバリット・アーティストなのは間違いない。ヴォーカルはジョンソン。ワン・コードの重いビートに観客もハンズ・クラップで応えている。

6. Walking The dog   

ルーファス・トーマスのカヴァー。この曲もストーンズ・ファンにはお馴染みのナンバー。ストーンズのような黒っぽさは薄いが、パワフルかつ緻密な演奏に好感が持てる。

7. She Does It Right

ウィルコ・ジョンソン作。 Down by the Jetty』からのシングル曲 。いつ聴いても抜群のカッコ良さ。ドクター・フィールグッドといえば、まずこの曲が頭に浮かぶ人が多いのではないだろうか。

Southend Side

1.Going Back Home   

ミック・グリーン、ウィルコ・ジョンソン作。『Malpractice』収録曲

2. I Don’t Mind   

ウィルコ・ジョンソン作。 Down by the Jetty』収録曲

3. Back In The Night    

ウィルコ・ジョンソン作。 Malpractice』からのシングル曲。ブリローがスライド・ギターを弾いている。アルバム通りとはいえ、演奏の上手さには感心してしまう。

4. I’m A Hog For You Baby   

ジェリー・リーヴァー/マイク・ストーラー作品のカヴァー。オリジナルはザ・コースターズ。ブリローのドスの効いた声がこの曲を引っ張る。軽快なロックンロール。

5. Checkin’ Up On My Baby    

サニー・ボーイ・ウィリアムスンのカヴァー。シンプルな3コードのブルースをバンドは緩急をつけてプレーしている。

6. Roxette   

ウィルコ・ジョンソン作。 Down by the Jetty』からのシングル曲。ウィルコ・ジョンソンのギターの魅力が炸裂する8ビートのロッキン・チューン。このバッキング・ギター、1人で弾いているとは思えない凄まじさ。

7. Riot In Cell Block #9   

ジェリー・リーバー/マイク・ストーラーのカヴァーは本作で2曲目。『Malpractice』収録曲。ジョン・Bのベースがよく歌っている。

8. Johnny B Goode

ご存知チャック・ベリーのカヴァーも本作では2曲目。ベリーの代名詞的なナンバー。こちらもバンドはハイ・テンポでパンキッシュにアグレッシブにプレーしている。

 

ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ他)絵画に興味ある方はご覧ください。

H・ペレット公式サイト

関連記事