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JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS/live at MAX’S kansas city(ジョニー・サンダース& ザ・ハートブレイカーズ/マクシズ・カンサス・シテイ)

live at MAX’S kansas city

1979年リリースのマクシズでのライブ(788)。ノーラン不参加が残念だが、サンダースとルアーの丁々発止が楽しめるエキサイティングな好盤で、ソロ・デビュー・アルバム『So Alone』 リリース直前のライブである。

JOHNNY THUNDERS

(ジョニー・サンダース1952715-1991423日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。

 

NEW YORK DOLLS

Personnel David Johansen – vo,hp   Johnny Thunders – gt,vo  Sylvain Sylvain – gt,vo  Arthur Kane – ba  Jerry Nolan – ds

1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。

JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY

Personnel  Johnny Thunders – Vocals & GuitarWalter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds

サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F. を発表。

アルバム表記はリリース年順

1977 L.A.M.F

1979 『live at MAX’S kansas city』

1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』

1986  『D.T.K.L.A.M.F』

1991 『What Goes Around』

1993 『Live At Mothers』

1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』

2015 『live at the Village Gate』

2016 『Vive La Revolution!』

2019 『Yonkers Demo Live 1975/1976』

2021  『L.A.M.F the found ’77 masters』

SOLO DISCOGRAPHY

ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。

アルバム表記はリリース年順

1978『So Alone』 

1983『In Cold Blood』 

1983Diary of a Lover

1983Hurt Me アコースティック・ギター弾き語り作品

1985年『Que Sera Sera 

1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン

1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood

1991 4月、4度目の来日公演後、423日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。

1992 『So Alone CD (+4tracks)』

1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』

2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)

2009 『Sticks & Stones』

2014  『Real Times EP』

2015  『Daddy Rollin Stone EP』

2015Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)

2020  『Que Sera Sera Resurrected』

2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』

2021 『Live In Osaka 91 & Detroit 80』

2022 書籍 完全版 Johnny Thunders /In Cold Blood

『live at MAX’S kansas city』

Track  List

Intro    A1.Milk Me   2.Chinese Rocks   3.Get Off The Phone  4.London   5.Take A Chance    6.One Track Mind   

B1.All By Myself 2.Let Go  3. I  Love You     4.Can’t Keep My Eyes On You   5.I Wanna Be Loved    6.Do You Love Me  

Personnel

Johnny Thunders – Vocals & GuitarWalter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Ty Styx- Ds

 

1975年、新たにマクシズのオーナーになったトミー・ディーンとそのマクシズの音楽ディレクターのピーター・クロウリー、この2人の尽力により本作は作られた。真相は、ハートブレイカーズが『  L.A.M.F』に納得がいってないのを知ったクロウリーが、慰めとしてライブ盤の制作を提案した、ということ。『 L.A.M. F』が貧弱な音だったこと、ハートブレイカーズは長く持たない可能性が高いこと、などの理由から彼らの遺産を然るべき形で保存したい、そんな思いでクロウリーはサンダースに話をもちかけ、ディーンの支援を取り付けた。そして出来上がったのが本作である。その『 L.A.M. F』のミックスの件があり、ここには名ドラマー、ジェリー・ノーランの姿はない。

音質が良く、またバランスも非常に良くミックスされている。オーバーダブも控えめに加えてあり、聞き飽きないアルバムとなっている。スティクスのドラムの音が少し軽いがそんなに悪くないと思う。選曲もハートブレイカーズの定番的な内容で、演奏もこなれている。また、サンダースとルアーのヴォーカルの奪い合いのような場面が時々見受けられて、そこも本作を一層スリリングに聴きごたえのあるものにしている。リリース当初賛否あったようだが、好盤だと断言したい。

Side A

A1.Milk Me “Leave Me Alone”のタイトルで知られた曲(元々はChatterbox)で、ここでは権利の関係でサンダースが改題したもよう。スティクスのドラムと若干噛み合わず遅れ気味のルアーのギターが生々しさを感じさせる。サンダースはリラックスして歌っているようだ。続く 2.Chinese Rocksは問答無用のヘロイン・アンセム。ルアーがヴォーカルを取る3.Get Off The Phone  、ラスのベースがグルーブを産み出す。このアルバムでは、ドラムがスティクスだからか、いつもよりラスのベースがクリアにハッキリ聴こえる気がする。バンドを根底から支えているのがよく分かる。4.London はソロ・デビュー・アルバム『So Alone』(タイトルは “London Boys”)からで、早くもここでお披露目したのは、やはりサンダースもかなり自信があったのだろう、オーバー・ダブしたと思われるルアーのギターがサンダースのギターと張り合っているようで良い。ルアーがヴォーカルの5.Take A Chance 。小刻みなサンダースのリズム・ギターがフックが効いていてカッコいい。このライブでのサンダースはとても生き生きしていて聴いていて嬉しくなる。6.One Track Mind ラスのグルービーで堅実なベースが楽しめる。

Side B

一度やり直して演奏を始めるB1.All By Myself、そこがリアルでグッとくる。カットせずそのまま収めて正解。演奏に一体感がありサンダースもコーラスでしっかり歌っている。2.Let Go、ここで聴かれるラスのベースは、まるでロックンロール・ベースの基礎を教えてくれているかのようだ。よく通る声でサンダースが歌う3. I  Love You 、ここではスティクスもノーランに負けじとなかなかなドラミングを聴かせる。4.Can’t Keep My Eyes On You はルアーがヴォーカル。続いてサンダースが歌う5.I Wanna Be Loved はここではいつもより大きなノリで演奏しているようだ。MCがあって、少し走り気味で勢いの止まらないサンダースのヴォーカルによるクロージング・ナンバー6.Do You Love Me、最後の最後まで熱のこもった演奏でショーは幕となる。

現在はノーランが参加したトラックも追加された『Live At MAX’S Kansas City Vol. 1 & 2』(2022年12月)がリリースされている。

 

『live at MAX’S Kansas city』TOWER RECORDS ONLINE

『live at MAX’S Kansas city』YAHOO!ショッピング

 

ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

H・ペレット公式サイト

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