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JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS/VIVE LA REVOLUTION!(ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ/ヴィヴ・ラ・レヴォリューション)

『VIVE LA REVOLUTION!』

1977年12月、パリのバタクランで収録されたライブ・アルバム。2016年のレコード・ストア・ディにリリースされた。

JOHNNY THUNDERS

(ジョニー・サンダース1952715-1991423日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。

 

NEW YORK DOLLS

Personnel David Johansen – vo,hp   Johnny Thunders – gt,vo  Sylvain Sylvain – gt,vo  Arthur Kane – ba  Jerry Nolan – ds

1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。

JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY

Personnel  Johnny Thunders – Vocals & GuitarWalter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds

サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F. を発表。

アルバム表記はリリース年順

1977 L.A.M.F

1979 『live at MAX’S kansas city』

1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』

1986  『D.T.K.L.A.M.F』

1991 『What Goes Around』

1993 『Live At Mothers』

1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』

2015 『live at the Village Gate』

2016 『Vive La Revolution!』

2019 『Yonkers Demo Live 1975/1976』

2021  『L.A.M.F the found ’77 masters』

SOLO DISCOGRAPHY

ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。

アルバム表記はリリース年順

1978『So Alone』 

1983『In Cold Blood』 

1983Diary of a Lover

1983Hurt Me アコースティック・ギター弾き語り作品

1985年『Que Sera Sera 

1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン

1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood

1991 4月、4度目の来日公演後、423日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。

1992 『So Alone CD (+4tracks)』

1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』

2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)

2009 『Sticks & Stones』

2014  『Real Times EP』

2015  『Daddy Rollin Stone EP』

2015Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)

2020  『Que Sera Sera Resurrected』

2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』

2021 『Live In Osaka 91 & Detroit 80』

2022 書籍 完全版 Johnny Thunders /In Cold Blood

『VIVE LA REVOLUTION!』

A-1.ALL BY MYSELF、A-2.LET GO、A-3.CAN’T KEEP MY COCK IN YOUR MOUTH、A-4.I LOVE YOU、A-5.TOO MUCH JUNKIE BIZNESS

B-1.LONDON BOYS、B-2.GIVE HER A GREAT BIG KISS、B-3.BORN TO LOSE、B-4.ONE TRACK MIND、B-5.DO YOU LOVE ME

C-1.I WANNA BE LOVED、C-2.TAKE A CHANCE WITH ME、C-3.BABY TALK、C-4.CHINESE ROCKS

D-1.ALL BY MYSELF、D-2.GET OFF THE PHONE、D-3.I WANNA BABY LOVED、D-4.I LOVE YOU、D-5.GET OFF THE PHONE、D-6.GET OFF THE PHONE

(ジャケット裏の曲目リストは一部誤りで、上記リストが正しい配列)

レコードAC面は77年、ハートブレイカーズ唯一のオリジナル・スタジオ・アルバム『L.A.M.F』がリリースされた後の、パリのバタクランでのライブ。オリジナル・メンバーのドラムス、ジェリー・ノーランは脱退しており、ここでは後にクラッシュハノイ・ロックスでの活動で知られることになるテリー・チャイムスがドラムを担当している。

サンダースは調子も上々で、ルアー、ラスもいつも通り堅実な演奏である。件のチャイムスのドラムは、オカズの小技は巧みなところを聴かせるが、若干音が軽く、単調なのが残念なところ(準備期間が短かったのかもしれない)やはり、ノーランのドラムの音の太さ、グルーブ、スインギーな音の伸びがサンダースのギターにはマッチしているようだ。とはいえ、このメンバーを相手に、チャイムスはかなり貢献していると思う。

D面はL.A.M.F』のアウトテイク。こちらはドラムはもちろんノーランで、文句なしのプレイで楽しませてくれる。

 

Side A

ライブは爆音、A-1.ALL BY MYSELF でスタート。ギターの音が塊のように飛び出してくる。 A-2.LET GO、はサンダースのギターに隠れずルアーのギターが前に出ておりいつもより新鮮に聴こえる。 A-3.CAN’T KEEP MY COCK IN YOUR MOUTH、は堅調な演奏。 サンダースが調子良く歌う、A-4.I LOVE YOU、ルアーがヴォーカルのA-5.TOO MUCH JUNKIE BIZNESS 。ルアーのヴォーカルが少し聴こえにくいか。

Side B

B-1.LONDON BOYS はやや性急な演奏だがサンダースのヴォーカルはガッツが感じられて良い。B-2.GIVE HER A GREAT BIG KISS も最後まで崩れずサンダースが歌い切る。B-3.BORN TO LOSE、ここでもがなり歌うサンダース、彼が1人気を吐いている感じがするのは気のせいか。 B-4.ONE TRACK MIND は悪くはないが、チャィムスのドラムの軽さが露呈してギターの爆音がより際立つ。 B-5.DO YOU LOVE MEも何かにせきたてられるような演奏でパンキッシュといえばそう言えるのだが、ミックスのせいだろうか。ただ、観客は熱狂しているので、会場では文句なしの演奏だったのだろう。

Side C

サンダースの元気一杯のカウントで始まるC-1.I WANNA BE LOVED、この辺からやっと本調子になる感じか。いつもよりテンポ早くてパンキッシュだが、ここでの演奏は熱く、ルアーとサンダースのコーラスの絡みも文句なく良い。ドールズのJet Boyのリフをサンダースが披露した後始まる C-2.TAKE A CHANCE WITH ME、ギターの音が小さいのが気になるが、演奏はまとまっておりエキサイティング。続くC-3.BABY TALK は、やっとプレイカーズ本領発揮な1曲で申し分なし、チャィムスも3人に負けじと気迫のこもったドラムを叩いている。ラストは圧巻 C-4.CHINESE ROCKS 、かなり調子良さそうにドライブするサンダースのギターでライブを締めくくる。

Side D

ピッチ、歯切れ良くルアーが歌うD-1.ALL BY MYSELF 。 D-2.GET OFF THE PHONE は同じルアーのリード・ヴォーカルだが、良く通るサンダースのハモりに耳がいく。バンドの音が実によくドライブしている。 D-3.I WANNA BABY LOVED はサンダースのヴォーカルにガッツが漲っていて良いし、ラスのベースが非常に安定していて気持ち良く聴こえノリノリである。ラストはフェード・アウトで終わる。D-4.I LOVE YOU はなんといっても良く歌うノーランのドラムが聴きどころ。 D-5.GET OFF THE PHONE D-6.GET OFF THE PHONE は重複しているため割愛するが、こうしておなじ曲を何度もテイクを重ねていることを思うと、彼等も必死にやっていたのだなあとしみじみと思う。

この後ルアーとラスはサンダースと袂を分かつ。年が明けて78年からサンダースはソロ・アーティストとしてのキャリアを歩み始め屈指の名作『SO ALONE』を世に問うことになる。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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