JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS/L.A.M.F the lost ’77 mixes Vinyl Diary
『L. A.M.F the lost ’77 mixes』『L. A.M.F the lost ’77 mixes』はトラック・レコード倒産後に救出されたテープに残っていた300テイクに及ぶ別ミックスから厳選された14曲、1994年リリース
JOHNNY THUNDERS
(ジョニー・サンダース1952年7月15日-1991年4月23日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。
NEW YORK DOLLS
Personnel David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds
1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY
Personnel Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds
サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ(ハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F.』 を発表。
アルバム表記はリリース年順
1977 L.A.M.F
1979 『live at MAX’S kansas city』
1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』
1986 『D.T.K.L.A.M.F』
1991 『What Goes Around』
1993 『Live At Mothers』
1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』
2015 『live at the Village Gate』
SOLO DISCOGRAPHY
ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。
アルバム表記はリリース年順
1978『So Alone』
1983『In Cold Blood』
1983『Diary of a Lover』
1983『Hurt Me 』 アコースティック・ギター弾き語り作品
1985年『Que Sera Sera』
1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン
1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood
1991 4月、4度目の来日公演後、4月23日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。
1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』
2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)
2009 『Sticks & Stones』
2014 『Real Times EP』
2015『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)
2020 『Que Sera Sera Resurrected』
2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』
『L. A.M.F the lost 77 mixes』A1.Born To Loose、 2.Baby Talk、 3.All By Myself、 4.I Wanna Be Loved、 5.It’s Not Enough、 6.Chinese Rocks、 7.Get Off The Phone
B1.Pirate Love、2.One Track Mind、3.I Love You、 4.Goin’ Steady、 5.Let Go、 6.Can’t Keep My Eyes On You、 7.Do You Love me
Personnel
Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan – Ds
トラック・レコード倒産後に救出されたテープに残っていた300テイクに及ぶ別ミックスから厳選されたもの。
トラック・レコーズとの契約では、もし会社が倒産した場合、録音テープは全てバンド側に戻るという条項が入っていた。倒産したと連絡を受けた当時のハートブレイカーズのマネージャー、リー・ブラック・チャイルダースが現場に行ったときは、全てが差し押さえられ、扉は全て封鎖されていた。そこで南京錠のかかっていない通用口から侵入し、ハートブレイカーズのテープを救い出したのだという。まるで映画かドラマのような本当の話である。
1982年、ジャングル・レコーズのアラン・ハウザーは、ハートブレイカーズの残したテープの権利をチャイルダースから入手。’84年、サンダースとトニー・ジェームスが『L. A.M.F』のリミックスを手掛けたが、決定版にはなれなかった。
1994年、アラン・ハウザーらは6日間を費やし、既にカビ臭い、崩壊寸前のテープ(『L. A.M.F』セッションの5〜10もの異なるミックスが収められていた!)の全てに耳を傾け、使えそうなミックス群を選り抜き、DATに移す、300ものさまざまなミックスから50の短い候補リストを作り、そこからさらに絞り込む、という気の遠くなるような作業。スティービィー・クラッソン、パティ・パラディン、ニーナ・アントニアらが協力したようだ。
300テイクから絞られた14トラックがこれだ。アラン・ハウザーが語っているように、オリジナル『L. A.M.F』よりパンチが効いており、ハードな仕上がり。最高のアルバムにするために、ブレイカーズはこの時期、熱心に日々をレコーディングに費やしていたのだろう。メンバー皆が同じ方向を向いて、夢を共有していた頃だろう。そんなことを考えていると、こちらも胸が熱くなってしまう。既発のアルバムと、特に大きな違いはないので、各曲のレビューは割愛するが、1曲目からラストまで、実に気合いの入った、熱のこもった演奏である。特に A1、Born To Loose は、「I Say Hey 」を連呼するサンダースの気迫が感じられてグッド。 A5.It’s Not Enough は、アコースティック・ギターの音が大きく、音も良くて、個人的にはこの曲は本作のこのテイクがベスト。 2.One Track Mind と B5.Let’s Go は、スタジオの音響の関係もあろうが、音が割れそうなガレージ・バンドらしい、ラウドで生々しいプレーで、鳥肌ものである。 4.Goin’ Steady は、音の粒立ちがよく、サンダースとルアーのバッキングの違いが分かるミックスで楽しめる。 7.Do You Love meは、一層パンキッシュで、コーラス・ワークも勢いがあり、圧巻の演奏である。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。