THE LIVING DEAD(JOHNNY THUNDERS)/THE FIRST, THE LAST(ザ・リヴィング・デッド/ザ・ファースト、ザ・ラスト) Vinyl Diary
『THE LIVING DEAD/THE FIRST, THE LAST』『THE FIRST, THE LAST」はJOHNNY THUNDERSとTHE ONLY ONESの3人のワンタイム・プロジェクト、『THE LIVING DEAD:の78年2月18日、LONDONのSPEAKEASYで2部構成での唯一のライヴを完全収録した紙ジャケット仕様の2枚組。全世界初CD化、2008年リリース
JOHNNY THUNDERS
(ジョニー・サンダース1952年7月15日-1991年4月23日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。
NEW YORK DOLLS
Personnel David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds
1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY
Personnel Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds
サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ(ハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F.』 を発表。
アルバム表記はリリース年順
1977 L.A.M.F
1979 『live at MAX’S kansas city』
1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』
1986 『D.T.K.L.A.M.F』
1991 『What Goes Around』
1993 『Live At Mothers』
1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』
2015 『live at the Village Gate』
SOLO DISCOGRAPHY
ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。
アルバム表記はリリース年順
1978『So Alone』
1983『In Cold Blood』
1983『Diary of a Lover』
1983『Hurt Me 』 アコースティック・ギター弾き語り作品
1985年『Que Sera Sera』
1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン
1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood
1991 4月、4度目の来日公演後、4月23日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。
1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』
2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)
2009 『Sticks & Stones』
2014 『Real Times EP』
2015『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)
2020 『Que Sera Sera Resurrected』
2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』
『THE FIRST, THE LAST』JOHNNY THUNDERSとTHE ONLY ONESの貴重な、写真満載の24P(or 28p)のブックレット付
CD1
1.Pipeline、2.Dead Or Alive、3.Daddy Rollin’ Stone、4.Be Bop A Lula、5.Subway Train、6. So Alone、7.(She’s So) Untauchable、8.Stepping Stone、9.Leave Me Alone、10.Pipeline、
CD2
1. Dead Or Alive 2. Daddy Rollin’ Stone、3. Be Bop A Lula、4. Subway Train、5. So Alone、6. (She’s So) Untauchable、7.Great Big Kisp、8. Peter And The Pets、9. Stepping Stone、10. Leave Me Alone、11. Pipeline、12. Downtown、13. Daddy Rollin’ Stone
Personnel
Johnny Thunders – gt,vo Peter Perrett – gt Alan Mair – ba Mike Kellie – ds
ここで紹介するのは、1978年2月18日にイギリス、ロンドンはSPEAKEASYでのライブ。(1stソロ・アルバム『SO ALONE』にとりかかる前のこと、当日のライブ2セットが2枚のディスクにコンパイルされている)。リヴィング・デッドというバンド名は当時、サンダースがライブの際に使用していたもので、メンバーは流動的だった。
ドールズ時代、ハートブレイカーズ時代の曲もあるが、一部は『So Alone』に収録される曲である。サンダースのバックを務めるのはTHE ONLY ONES 。サンダースはオンリー・ワンズとの活動継続を強く望んでいたし、オンリー・ワンズのメンバーも自身のバンドと並行しての活動ながら、献身的なバックアップをしていて感動的である。
この作品が発売されたのは2008年、ということは録音されてから30年間も眠っていたということになる。ロンドン・パンクが吹き荒れた1978年2月の、スピーク・イージーの夜をそのまま真空パックしたような貴重なライブ・ドキュメントである。
(録音ソースは違いますが楽曲が重複しているためCD1は割愛します)
CD2
キラー・チューン 1. Dead Or Alive でショーはスタート。アルバムより少しテンポが遅いのか、重心が低めの演奏。ブイブイ唸るメイヤーのベースが良い。2. Daddy Rollin’ Stone は『So Alone』に収録される1曲。安定したリズム隊に支えられて、サンダースは快調に歌っている。ややクールなアルバム・ヴァージョンに比べてこちらでは熱い演奏が聴ける。3. Be Bop A Lula ジーン・ヴィンセントのロカビリーをここでは、明るくて大きなノリの豪放なロックンロールに仕上げている。4. Subway Train ドールズ時代の名曲をセルフ・カバー。Aメロのペレットの繊細なアルペジオが印象に残る。サビの豪快なギターのせめぎ合いも良いし、ここでもリズム隊の2人の、フロント2人を急き立てるようなプレーが光る。5. So Aloneは惜しくもアルバムには入らなかったが、こうして演奏しているのを聴くと、いつでも演れる準備をしていたのだろう。ペレットの細いギター音と、サンダースのズ太いギター音の対比がキッチリと分かれて聴こえる。演奏はいつもより随分コンパクトな感じ。6. (She’s So) Untauchable これはオンリーワンズのバッキングが正にピッタリハマっている。アルバムでもサンダースの意外な一面を垣間見る1曲として際立っている。7.Great Big Kiss は後にパートナーとなるパティ・パラディンがコーラスで客演。8. Peter And The Pets はアルバム長く唯一ペレットがヴォーカルを取る曲。コードチェンジの多いオンリーワンズらしい曲。サンダースのギターが若干邪魔してる気がするが気のせいだろうか。9. Stepping Stone はハートブレイカーズ時代に演っていたアレンジのままで披露。途中倍テンになるところはハートブレイカーズよりもパンキッシュ。ライブも終盤に入り演奏は更にヒート・アップしていく。10. Leave Me Alone はこれまでの中でもサンダースのヴォーカルが熱く最高に良い。続く11. Pipeline はサンダースがアバウトに弾き始めたイントロにそつなく入っていくオンリーワンズが非常にクールでスリリング。演奏も熱く特にケリーのドラムがノリにのってる。ラストの12. Downtown と13. Daddy Rollin’ Stoneはどちらもアルバムに入るブルース調の曲。オンリーワンズのタイトな演奏が非常に好ましい。サンダースも最後の最後まで崩れることなくしっかりと歌い切っている。観客のホットな反応がダイレクトに伝わる素晴らしいライブである。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。