JOHNNY THUNDERS/REAL TIMES EP(ジョニー・サンダース/リアル・タイムズ) Vinyl Diary
『REAL TIMES EP』2014年11月 BLACK FRIDAY/RECORD STORE DAYに発売された限定商品、未発表ヴァージョン10インチ盤。
JOHNNY THUNDERS
(ジョニー・サンダース1952年7月15日-1991年4月23日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。
NEW YORK DOLLS
Personnel David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds
1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY
Personnel Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds
サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ(ハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F.』 を発表。
アルバム表記はリリース年順
1977 L.A.M.F
1979 『live at MAX’S kansas city』
1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』
1986 『D.T.K.L.A.M.F』
1991 『What Goes Around』
1993 『Live At Mothers』
1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』
2015 『live at the Village Gate』
SOLO DISCOGRAPHY
ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。
アルバム表記はリリース年順
1978『So Alone』
1983『In Cold Blood』
1983『Diary of a Lover』
1983『Hurt Me 』 アコースティック・ギター弾き語り作品
1985年『Que Sera Sera』
1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン
1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood
1991 4月、4度目の来日公演後、4月23日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。
1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』
2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)
2009 『Sticks & Stones』
2014 『Real Times EP』
2015『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)
2020 『Que Sera Sera Resurrected』
2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』
『REAL TIMES EP』
この4曲入りEPは78年にリリースされたジョニー・サンダースの1stソロアルバム『SO ALONE』のアウトテイク集。4ページ・フォールドアウト・20″x10″ポスター、ライナーノーツ、ダウンロード・コード付の豪華な内容。上記の通り、基本的にサンダース含め3人での録音。『So Alone』ではピストルズ組がバックを務めているトラックのホットロッズ版といったところか。ギターのオーバーダブはほとんどなく、シンプルで豪放なサンダースのギターとボーカルが純粋に楽しめるトリオ・スタイルでの4曲。
A-1 LEAVE ME ALONE
楽器の音数では、当然分が悪いのだけど、バック2人の演奏のタイトさ、迫力はオリジナル・バージョンにもひけを取らないのではなかろうか。なによりもサンダースのボーカルにガッツと熱が感じられる好演、世に出て良かったと心から思える1曲。
A-2 GREAT BIG KISS
サンダースのギターのイントロに導かれて始まるジョニー・ファンお馴染みのオールディーズ・ナンバー。このセッション全体に言えることだが、サンダースのギターの音が凄く良い。それからハネたリズムの中で縦横無尽に泳ぐポール・グレイの硬質なベースも、トリオであるが故に成立する音なのかもだけど、カッコいい。オリジナルでのパティ・パラディンとのスポークン・ワードの絡みは当然サンダース1人で演じる形なのだけど、語りのセンスもある人だったのだなあと今さらながら思う。
B-1 PIPELINE
イントロはサンダースのギターからではなく、珍しくスティックでカウントが入るファンお馴染みのインスト・キラー・チューン。演奏は概ねいつも通り。ここでもポール・グレイのベースはギラギラで好きな人はハマる音でしょう。スティーブ・ニコルのドラムもおかず部分などタイトでパワフルで申し分ない。ホットロッズ、流石である。
B-2 LONDON BOYS
オリジナルに比べてテンポがやや遅めで重めタイトな演奏。ギター・ソロの箇所のみオーバーダブしてあるのかな?ソロ自体も特にギミックなくいつもの感じ。サンダースのボーカルがA面ほど覇気、元気が感じられずそこがちょっと残念だけど悪くない。
亡くなってかなりの年月を経ても、こうして新譜がリリースされ続けているジョニー・サンダース。本作は前述したようにオーバーダブは最小限で、未完成といえばそうなのだけど、こうして未発の作品に出会えたことを心から嬉しく思うし、こういう状況がこれからも続いて欲しいものです。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。