JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKER/live at the VILLAGE GATE(ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ/ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ゲイト) Vinyl Diary
『L.A.M.F live at the VILLAGE GATE』LAMFのミックス作業も大詰めを迎えた1977年8月のニューヨーク凱旋ライブ。ラストまで一気に聴かせるハートブレイカーズ・ファン必聴のライブ盤。
JOHNNY THUNDERS
(ジョニー・サンダース1952年7月15日-1991年4月23日、アメリカ)シンガー・ソングライター、ロックンローラー。パンク・ロックに多大なる影響を与えたニューヨーク・アンダーグラウンド・ロック・アーティストの一人。「NEW YORK DOLLS」を経て、自ら率いる「THE HEARTBREAKERS」などで活動した。
NEW YORK DOLLS
Personnel David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds
1971年、デヴィッド・ヨハンセン等と共にニューヨーク・ドールズ結成。サンダースはリード・ギターを務めた。1973年デビュー・アルバム『NEW YORK DOLLS』発表。翌年、2作目の『TOO MUCH TOO SOON』発表。1975年、日本公演直前にジョニーとジェリー・ノーラン(ドラムス)はニューヨーク・ドールズを脱退。解散後の1984年『RED PATENT LEATHER』リリース。
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS DISCOGRAPHY
Personnel Johnny Thunders – Vocals & Guitar、Walter Lure – Guitar、Vocals、Billy Rath – Bass、Jerry Nolan- Ds
サンダースとノーランは、元テレビジョンのリチャード・ヘル(ベース)とウォルター・ルアー(ギター)と共にジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ(ハートブレイカーズ)を結成。ここでサンダースはリード・ボーカルも兼任する。間もなくヘルが脱退し、ビリー・ラスを後任に迎える。バンドはロンドンに渡り、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドらとアナーキー・ツアーに同行。1977年に唯一のオリジナル・アルバム『L.A.M.F.』 を発表。
アルバム表記はリリース年順
1977 L.A.M.F
1979 『live at MAX’S kansas city』
1982 『D.T.K live at SPEAK EASY』
1986 『D.T.K.L.A.M.F』
1991 『What Goes Around』
1993 『Live At Mothers』
1994 『L. A.M.F the lost ’77 mixes』
2015 『live at the Village Gate』
SOLO DISCOGRAPHY
ハートブレイカーズ解散後、サンダースはロンドンに留まり、豪華ゲストが大挙参加したソロ・デビュー作『So Alone』を発表。
アルバム表記はリリース年順
1978『So Alone』
1983『In Cold Blood』
1983『Diary of a Lover』
1983『Hurt Me 』 アコースティック・ギター弾き語り作品
1985年『Que Sera Sera』
1988『Copy Cats』 with パティ・パラディン
1988 書籍 初版 Johnny Thunders /In Cold Blood
1991 4月、4度目の来日公演後、4月23日、ニューオーリンズのホテルで死亡、死因はオーバー・ドーズとも言われてるが、真相は謎に包まれている。享年38歳。
1992『Living Dead The All Stars featuring Johnny Thunders』
2008『The First, The Last』(The Living Dead名義)
2009 『Sticks & Stones』
2014 『Real Times EP』
2015『Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡』(ドキュメンタリー映画公開)
2020 『Que Sera Sera Resurrected』
2020 書籍『Johnny Thunders Complete Works』
『live at the VILLAGE GATE』
Track List
A-1 Chinese Rocks、A-2 Pirate Love、A-3 Get Off The Phone、A-4 All By Myself、A-5 Let’s Go、A-6 Can’t Keep My Eyes On You、A-7 Chatterbox
B-1 One Track Mind、B-2 Take A Chance With Me、B-3 Born To Lose、B-4 Boppin’ The Bluse、B-5 Do You Love Me、B-6 I Wanna Be Loved
ハートブレイカーズには、同じラインナップによるライブ盤、『D.T.K』という名盤があるが、本作のこの演奏の力強さ、瑞々しさはどうだ!会場の雰囲気も『D.T.K』はかなりやさぐれ感が漂っているが、こちらはウエルカムな歓声が充満していて、ファンがバンドの帰国を心から待ち望んでいたことが伝わってくるようだ。音質はの方はやや『D.T.K』には劣るものの、それを補って余りある内容の濃さである。
Side A
爆音のA-1 Chinese Rocks で幕開け。サンダースとウォルターのツイン・ヴォーカル、強靭なサウンドが塊となってぶつかってきて、ハイ・ボルテージ、この時点でバンドは既に沸点に達している。これまでのヴァージョンよりいくらかテンポ・アップした感じのA-2 Pirate Love、ノーランのドラムとラスのベースが随分ドライブしている。全員が絶好調なようだ。獰猛なギター・ソロも文句の付けようがない。A-3 Get Off The Phone はルアーがヴォーカル、サンダースに負けじと頑張っている。ソロもルアーで、快調に飛ばしていく。A-4 All By Myself もルアーがヴォーカル。サンダースがしっかりハモっていて微笑ましい。間髪入れずに始まるA-5 Let’s Go、ガナるサンダースのヴォーカルがかっこいい。A-6 Can’t Keep My Eyes On Youはルアーがヴォーカル。これもスタジオ・ヴァージョンより少し早いかもしれないが、悪くない。サンダースの投げやりなカウントがカッコいA-7 Chatterbox。演奏ももちろん文句なし。
Side B
イントロのノーランのドラムが熱いB-1 One Track Mind、と続くB-2 Take A Chance With Me、はルアーのヴォーカル、サンダースの地を這うようなズ太いギターが堪能出来る。キラー・チューンB-3 Born To Lose は無敵の演奏でB面ハイライトといえる。B-4 Boppin’ The Bluse、DOLLS時代のギタリスト、 Sylvain Sylvain(シルヴェイン・シルヴェイン)とロカビリー・シンガー、ロバート・ゴードンの客演によるカール・パーキンス(50年代に活躍したロカビリーミュージシャン)のカバー。ドールズ解散後シルヴェインはロバート・ゴードンと活動していた時期があると話には聞いていたのだが、こんなところでそれを確認出来たのは、思わぬ収穫だった。そして、ここからはラスト2曲続けて怒涛のようになだれ込む、B-5 Do You Love Me、ここでもサンダースは崩れず熱く吠え続けている。最後まで失速することなく、ハートブレイカーズお馴染みのクロージング・ナンバーB-6 I Wanna Be Lovedで終演を迎える。
4人が心から演奏を満喫しているのが目に浮かぶようだ。開演からラストまで、息つく暇もないほどに豪快で粗野で荒削りな、これ以上ないほどの魅力にあふれたライブ・アルバムである。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。