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LOU REED /SET THE TWILIGHT REELING(ルー・リード/セット・ザ・トワイライト・リーリング)

SET THE TWILIGHT REELING

Set The Twilight Reeling』は、1996年にリリースされたルー・リードのアルバムである。

Lou Reedルー・リード:194232 – 20131027日、ニューヨーク州ブルックリン出身。本名ルイス・アレン・リード (Lewis Allen Reed)。 THE VELVET UNDERGROUND (ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)の時代から前衛性とポップさを兼ね備えた斬新かつ挑戦的な音楽性、陰翳と知性に富みながらも様々なスタイルを持つボーカル、音像を形成する上で欠かせないオリジナリティ溢れる独創的なギター・プレイ、人間の暗部を深く鋭く見つめる独特の詩世界を持つ、20世紀以降における最重要アーティストの一人である。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(19651970)のボーカリスト兼ギタリスト。

RCA時代:1970年に脱退し、ソロ活動を開始した。19724月、アルバム『Lou Reed/ロックの幻想』 でソロ・デビューを果たした。同年11月、盟友・デビッド・ボウイとそのパートナーであるミック・ロンソンと事実上共作した『Transformer』を発表。19737月、閉鎖的な都市における内省的かつ陰鬱な恋愛を映画的な手法で描いたコンセプト・アルバム『Berlin』 発表。リードの思惑から外れたオーヴァープロデュースとも言える1974年リリース『Sally Can’t Dance』は自身最高のヒットを記録した。RCA時代最後の作品である1975年『 Metal Machine Music 1976年『Coney Island Baby 』リリース。

アリスタ時代:1976年、ファンクやフリー・ジャズを導入した『Rock And Roll Heart』1978年バイノーラル・サウンドにトライした『Street Hassle』、1979 The Bells』、1980年、AOR的な『Growing Up in Public』リリース。

RCA復帰:第一作となった1982『The Blue Mask』はラフかつノイジーなロック、ほぼ同一の布陣で更にオーソドックスなロックへ遡行した1983年『Legendary Hearts 』を制作した。その後1984年『New Sensations 』、1986年『Mistrial』ではあえて時流に歩み寄った我流のニュー・ウェイブを展開。1989年、自身のルーツと向き合う形となったアルバム『NewYork』で復調、1990年ジョン・ケイルと共作したアンディ・ウォーホル追悼作『Songs for Dorella 』を発表。以後1990年代前半の断続的なヴェルヴェット・アンダーグラウンド再結成をはさみ、1992年『Magic and Loss』、1996『 Set the Twilight Reeling』1998年ライブ・アルバム 『Perfect Night Live In London』  2000年『Ecstasy』といったアルバムを発表、かつてよりスローなペースながら健在を印象付けた。2003年、エドガー・アラン・ポーの「大鴉」を題材にした『The Raven』をリリース。2011年にはフランク・ヴェーデキントの「ルル二部作」をモチーフとした『Lulu』を発表。2013年死去。享年71歳。2015年、書籍 LOU REED/ワイルドサイドの歩き方(JEREMY REED著)出版。

 

Set The Twilight Reeling

 

all songs written and produced by Lou Reed

SIDE ONE  1.”Egg Cream  2.”NYC Man”   3.”Finish Line”   4.”Trade In”   

SIDE TWO  1.”Hang On To Your Emotions”   2.”Sex With Your  Parents(Recorded Live July 4th 1995)”  3.”Hooky Wooky”   4.”The  Proposition”  

SIDE THREE  1.”Adventurer”  2.”Riptide”  3.”Set The Twilight Reeling”

Lou reed – vocals.all guitars、Fernando Saunders – fretted and fretless bass、Tony “Thunder” Smith – drums

ヴェルヴェッツ再結成後の最初のアルバムでリード自身がプロデュースもつとめている上に、ギターはリードのみである。ということで、ベースのフェルナンド・ソーンダースとドラムのトニー・サンダー・スミスとのトリオ編成を核にした演奏を聴かせる。

因みにSIDE ONE 3 Finish Line”は前年に亡くなったスターリング・モリソンに、アルバムは当時の恋人ローリー・アンダーソンに捧げられている。またSIDE TWO 2 の”Sex With Your  Parents” は95年のライブ音源である。

Side A

1.”Egg Cream” はギターのフィード・バックで始まるオープニング・ナンバー。ミディアム・テンポで、凶暴にノイジーなリードのギター。オーバー・ダブも最小限に抑えられているようで、タイトなトリオの演奏が聴ける。2.”NYC Man”  は一転して落ち着いた、優しいトーン。表情豊かなリードのヴォーカル、ソーンダースのベースがよく歌っている。控えめに入るホーンも効果的で懐の深いロックといった趣き。3.”Finish Line”  はリズム隊は控えめながら、アコースティック・ギターを掻き鳴らしながらリードが熱く唄う。装飾的にピアノが入ってアレンジに華を添えている。4.”Trade In”   はアコースティック・ギターを前半に使ったスロー・ナンバー。リードのギターの隙間を埋めるようにソーンダースのベースが縦横無尽に駆け巡る。後半に激しいエレクトリック・ギターが加わるあたりにリードらしさを感じさせる。

Side B

1.”Hang On To Your Emotions”  はソーンダースのキャッチーなベース・リフが印象的なミディアム・ナンバー。感情を込めて唄うリードのヴォーカルも適度に脱力していて、リラックスして唄っている。単調なドラムとルーズなギター・リフがなんともカッコいい2.”Sex With Your  Parents” はラップ調のリードのヴォーカルがクール。3.”Hooky Wooky”  は軽快な8ビート、ギターのオーバー・ダブも最小限でトリオ編成のシンプルなカッコよさを全面に出したカラッとしたロックンロール。リードのヴォーカルもポジティブに響く。4.”The  Proposition”  はミッド〜スローのギター・リフで引っ張るロック。この曲もザラついたリードの歪んだギターがクセになる尖り具合い。後半、得意のフリーキーなジャムっぽいサウンドになるが演奏に余裕が感じられ飽きさせない。

Side C

1.”Adventurer”8ビート、ギミックなしのストレートなロックンロール。詰め込み気味の歌詞をリードはここでもリハーサルでもしているかのような、ある意味軽やかな声で唄っている。一転して2.”Riptide”はワウ・ペダルを使用した、ヘビーな(まるでジミヘンを彷彿させるような)ギター・ロック。愛する人に出会い生命力に溢れた、リードの熱いヴォーカルに心が震えるし、Bメロがまた泣かせるメロディでグッとくる。ラスト・ナンバーの3.”Set The Twilight Reeling”はアコースティック・ギターの弾き語りから始まるミディアム・ナンバー。ギター・ソロでは、短いがヴァイオリン奏法を聴かせる。後半はやはりの倍テンのアップ・テンポになって、リードらしさを纏ってエンディングとなる。“ブルー・マスク”、”エクスタシー”と並ぶ大好きなアルバムである。

『Set The Twilight Reeling』TOWER RECORDS ONLINE

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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