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LOU REED/PERFECT NIGHT LIVE IN LONDON(ルー・リード/パーフェクト・ナイト・ライブ・イン・ロンドン)

Perfect Night Live In London

Set the Twilight Reeling』の翌年1998年リリース、ルー・リード圧巻のライブ・アルバム

 

ルー・リードLou Reed194232 – 20131027日、ニューヨーク州ブルックリン出身。本名ルイス・アレン・リード (Lewis Allen Reed)。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの時代から前衛性とポップさを兼ね備えた斬新かつ挑戦的な音楽性、陰翳と知性に富みながらも様々なスタイルを持つボーカル、音像を形成する上で欠かせないオリジナリティ溢れる独創的なギター・プレイ、人間の暗部を深く鋭く見つめる独特の詩世界を持つ、20世紀以降における最重要アーティストの一人である。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(19651970)のボーカリスト兼ギタリスト。

RCA時代:1970年に脱退し、ソロ活動を開始した。19724月、アルバム『ロックの幻想』でソロ・デビューを果たした。同年11月、盟友・デビッド・ボウイとそのパートナーであるミック・ロンソンと事実上共作した『Transformer』を発表。19737月、閉鎖的な都市における内省的かつ陰鬱な恋愛を映画的な手法で描いたコンセプト・アルバム『Berlin』(ブログ) 発表。リードの思惑から外れたオーヴァープロデュースとも言える1974年リリース『Sally Can’t Dance』は自身最高のヒットを記録した。RCA時代最後の作品である1975年『 Metal Machine Music 1976年『Coney Island Baby 』リリース。

アリスタ時代1976年、ファンクやフリー・ジャズを導入した『Rock And Roll Heart』(ブログ)1978年バイノーラル・サウンドにトライした『Street Hassle』、1979 The Bells』、1980年、AOR的な『Growing Up in Public』リリース。

RCA復帰:第一作となった1982『The Blue Mask』(ブログ)はラフかつノイジーなロック、ほぼ同一の布陣で更にオーソドックスなロックへ遡行した1983年『Legendary Hearts 』を制作した。その後1984年『New Sensations 』、1986年『Mistrial』ではあえて時流に歩み寄った我流のニュー・ウェイブを展開。1989年、自身のルーツと向き合う形となったアルバム『NewYork』で復調、1990年ジョン・ケイルと共作したアンディ・ウォーホル追悼作『Songs for Dorella 』を発表。以後1990年代前半の断続的なヴェルヴェット・アンダーグラウンド再結成をはさみ、1992年『Magic and Loss』、1996『 Set the Twilight Reeling』(ブログ)1998年ライブ・アルバム 『Perfect Night Live In London』(ブログ)  2000年『Ecstasy』といったアルバムを発表、かつてよりスローなペースながら健在を印象付けた。2003年、エドガー・アラン・ポーの「大鴉」を題材にした『The Raven』をリリース。2011年にはフランク・ヴェーデキントの「ルル二部作」をモチーフとした『Lulu』を発表。2013年死去。享年71歳。2015年、書籍LOU REED/ワイルドサイドの歩き方(ブログ)(JEREMY REED著)出版。

 

Perfect Night Live In London

1997年7月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催されたメルトダウン・フェスティバルでのステージを収録したもの。

参加ミュージシャンは名盤『ニューヨーク』以来のギタリスト、マイケル・ラスケ。ベースは80年代からサポートし続けているフェルナンド・ソーンダース。ドラムスは前作から参加のトニー・サンダー・スミス。

TRACK LIST

1.I’LL BE YOUR MIRROR、2.PERFECT DAY、3.THE KIDS、4.VICIOUS、5.BUSLOAD OF FAITH、6.KICKS、7.TALKING BOOK(new)、8.INTO THE DIVINE(new)、9.CONEY ISLAND BABY、10.NEW SENSATIONS、11.WHY DO YOU TALK(new)、12.RIPTIDE、13.ORIGINAL WRAPPER、14.SEX WITH YOUR PARENTS、15.DIRTY BLVD

リハーサルがなく、サウンド・チェックのみで演奏に突入したためか、ただならぬ緊張感とテンションの圧倒的なパフォーマンスである。

今回、リードはフィードバッカーというシステムを導入している。これは、アコースティック・ギターのフィードバックを排除するものらしい。この日のバンドはアコースティック編成だが、そのフィードバッカー効果なのかとても引き締まった、エレクトリックと比べても何ら遜色のない音である。ツイン・ギターの絡みもよく聴こえる。

リストの(new)の3曲は、なんと新曲で初収録である。ロバート・ウィルソン演出の現代オペラ「タイム・ロッカー」のために書き下ろした作品で、これは、ファンにはとても大きなプレゼントだ。ヒット曲を集めた、安易なステージにしない、チャレンジ精神旺盛なところがリードらしい。

選曲はリードのキャリアの中から偏りなくなされているように思う。10.NEW SENSATIONSや6.KICKSはスタジオ・アルバムよりもリードのヴォーカルが熱くカッコいいと思うし、1.I’LL BE YOUR MIRRORなどは、ギターのイントロの段階で客席が沸き、聴いているこちらも熱くなってしまう。

特に記しておきたいのはオリジナルから大きく形を変えた4.VICIOUS。ポップでキャッチーな印象の原曲が、イーブンなビートのトーキング・ブルース風のスタイルになって、まるで新曲のような仕上がりである。

全く知らなかったのだが、2017年のレコード・ストア・デイでアナログ盤がリリースされている。当然、即廃盤で、今も中古ショップに行くたびに探しているのだが、なかなか出会えない。不覚。

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