Mink DeVille/Sportin’ Life(ミンク・デヴィル/スポーティン・ライフ) Vinyl Diary
『Sportin’ Life』Sportin’ Life は、1985 年にリリースされた、Mink DeVille による 6 番目にして最後のスタジオ アルバム。アトランティックを離れポリドールから発売された。
Mink Deville
Willy DeVille/ウィリー・デヴィル(William Paul BorseyJr 1950年8月25日– 2009年8月6日)コネチカット州スタンフォード 生まれ。、 アメリカのシンガーソングライター。
Mink DeVille(1974–1986)のリード・ヴォーカル兼ギタリストとして活躍。バンド解散後はウィリー・デヴィル名義でソロ・アーティストとして活動する。デヴィルの曲は、ラテン、ブルース、R&R、ドゥーワップ、ケイジャン、キャバレー、ソウル・ミュージックをベースにしており、端正でエモーショナルなその音楽はロマンティック・ソウルと評されることもある。2009年8月6日に膵臓癌のため死去。享年56歳。マークノップラー、ピーターウルフ、ボブ・ディランなど彼を敬愛するアーティストも数多く、所謂ミュージシャン’ズミュージシャンでもある。
Mink Deville album discigraphy
Mink DeVille(1974–1986)はニューヨーク・パンクの発祥の地として知られるナイトクラブ”CBGBの”ハウスバンドとしてスタートした。(当時の音源はバンドが3曲を寄稿したバンドのコンピレーションアルバムである『Live atCBGB’s』で聴くことが出来る)バンドは 1977 年から 1985 年にかけて 6 枚のアルバムをリリース。フロントマンのウィリー・デヴィルを除いて、バンドのオリジナル・メンバーは最初の 2 枚のアルバム のみである。メンバーはアルバム・リリースを重ねるごとに変わっていき、ほぼデヴィルのワンマン・バンドだったと言える。CBGBを根城にしていたことからパンク・バンドと思われがちだが、非常にタイトなプレイをする良質なR&R、R&Bのグループである。
1977 CABRETTA
1978 RETURN TO MAGENTA
1980 LE CHAT BLEU
1981 COUP DE GRACE
1983 WHERE ANGELS FEAR TO TREAD
1985 SPORTIN’ LIFE
1986 ミンク・デヴィルは2月20日にニューヨーク市で最後のコンサートを行った。
Willy DeVille album discigraphy
1987 MIRACLE
1990 VICTORY MIXTURE
1992 BACKSTREET OF DESIRE
1993 WILLY De VILLE LIVE
1995 BIG EASY FANTASY
1995 LOUP GAROUA
1999 HORSE OF A DIFFERENT COLOR
2002 ACOUSTIC TRIO LIVE IN BERLIN
2004 CROW JANE ALLEY
2008 PISTOLA
Mink DeVille Story 6th Album 『Sportin’ Life 』
このアルバムは、アラバマ州マッスル ショールズにあるマッスル ショールズ サウンド スタジオで録音された。 マッスル ショールズ リズム セクションのメンバー 、ロジャー ・ホーキンス (ドラム)、デビッド ・フッド (ベース)、ジミー ・ジョンソン (ギター) が、また前作に引き続きサックス奏者のルイ・コルテレッツィがレコーディングに参加した。『Le Chat Bleu 』で行ったように、このアルバムのために、デヴィルはロックの殿堂メンバーであるドク・ポーマスと一緒に2曲「Something Beautiful Dying」と「When You Walk My Way」を書き上げた。
Trouser Press はアルバムについて次のように述べている。 「Something Beautiful Dying」は優しくメランコリック、「Little by Little」はバレルハウスのロカビリー、 「Italian Shoes」は適切なセルフプロデュースとシャープなバッキングバンドがこれを最高のものにしている」 Rolling Stone のDavid Wild は、『Sportin ‘Life 』を「キャリアの中で最もモダンで洗練されたサウンド、「Something Beautiful Dying」は、胸が張り裂けるようなエレガンスが見事に詰め込まれたバラードだ」と称賛した。
「Italian Shoes」はヨーロッパでヒット、アルバムはヨーロッパの一部の国でヒットし、スイスとスウェーデンでトップ20に入りました。Sportin’ Life の後、Willy DeVille は自身の名前でレコーディングとツアーを開始した。
1stソロ・アルバム MIRACLEに続く
Track List
A1,In the Heart of the City、2,I Must Be Dreaming、3,Italian Shoes、4,Slip Away、5,When You Walk My Way
B1,A Woman’s Touch、2,Easy Street、3,Little By Little、4,There’s No Living (Without Your Loving)、5,Something Beautiful Dying
Personnel Are
Willy DeVille – vocals, background vocals Duncan Cameron – guitar, cuatro, background vocals Jimmy Johnson – guitar Steve Nathan – keyboards David Hood – bass Roger Hawkins – drms Albert Boekholt -emulator Louis Cortelezzi – saxophone Jim Horn – saxophone Harvey Thompson – saxophone Wayne Jackson – trumpet Charles Rose – trombone Mickey Buckins – percussion Boris Kinberg – percussion Boris Kinberg – percussion Ava Aldridge – background vocals Micro Mini – background vocals Cindy Richardson – background vocals Mink DeVille Band (Kenny Margolis, Ricky Borgia, Louis Cortelezzi, Boris Kinberg, Shawn Murray,Bob Curiano) Joe Elliot,Steve Clark, & Phil Collen of Def Leppard provided backing vocals for “Italian Shoes”.
ミンク・デヴィル名義ではラスト・アルバム。ここに来て完全にデビィルのワンマン・バンド態勢といえるが、前回よりも参加メンバーも増えたにも関わらず、相変わらず演奏はとてもまとまっていて、デヴィルの持ち味が存分に発揮された作品に仕上がっている。
アルバム通してのトーンはミッドテンポの曲が多く、ラテン風味漂う、アーバンR&B、大人のロックといった雰囲気で、これまで同様実に内容の濃いアルバムに仕上がっている。
耳を惹くのが一部ファルセットで歌うデヴィルの声が聴けるA5,When You Walk My Way、ファルセットはこれまでで初披露だと思う。B2,Easy Streetは雰囲気のある曲で、3コードのブルース形式のシンプルなフォーマットながら、非常に聴きいってしまう魅惑的な1曲。B4 4,There’s No Living (Without Your Loving)はとてもメロディの美しいラブ・バラード。一つ気になるのはドラムのリバーブがかかり過ぎるていることだが、これは時代の関係もあるのだろう。
アルバムの中から特にプッシュしたいのがA3 Italian Shoes と B3 Little By Little だ。Little By Little(ストーンズの演奏した同名の曲ではなく、ミンク・デヴィルのオリジナル)はノリノリのboogie-woogie。本アルバムの大半を締めるR&B風の曲では、思い入れたっぷりにソウルフルに歌うのだけど、この曲ではデビィルは抑えめのダンディな声でクールに粋に歌っていて、アルバムジャケットの雰囲気そのものである。ルーツミュージックにも精通しているウィリーにとってはオテノモノって感じだろう。実に小気味良い軽快な1曲に仕上がっている。
もう1曲はタイトルにもなっているA3 Italian Shoes。この曲はこれまでのミンクデビィルにはなかったタイプのクラブでかかっても違和感のなさそうなダンスミュージック。一聴すると打ち込みっぽく聴こえるのだけど、おそらく全て生で演奏されていて、そういうのがサラッと出来るところが本作参加メンバーの凄いところである。左右のスピーカーからリズムがはっきり分離して聴こえる、凝った作りの曲で、立体的でリズミックなパーカッションの上にブルージーなギターが乗りカッコいいとしか形容のしようがない。
余談ではあるが、ハノイロックスが解散した後、アンディー・マッコイとナスティー・スーサイドが一時的に組んでた”スーサイド・ツインズ”なるユニットをご存知だろうか。(スーサイド・ツインズは多分アルバム1作しかないと思う) そのアルバムの中にインナー・シティ・ブルースという曲がある。(チェリーボムズの)アニタがボーカルをとったセクシーなナンバーだ。そのインナー・シティ・ブルース、元ネタはこのItalian Shoesなのではないだろうか。アンディ・マッコイもきっとこのアルバム『Sprtin’ Life』を愛聴していたのだろう。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ他)絵画に興味ある方はご覧ください。