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ECHO & THE BUNNYMEN / METEORITES(エコー&ザ・バニーメン/メテオライツ) Vinyl Diary

『METEORITES』 

前作『THE FOUNTAIN』から5年振り、2014年にリリースされた通算12作目のアルバム『METEORITES

エコー&ザ・バニーメン

イアン・マッカロク  –  ヴォーカル、ギター

ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声は時々ホーンのように聴こえたりする。公言する影響を受けたミュージシャン、アーティストはジム・モリソン、ヴェルヴェッツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。ロンドンよりもニューヨーク・パンク(テレヴィジョン、パティ・スミス他)からの影響が強いそうだ。

ウィル・サージェント  –  ギター

リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テンションのキレの良いカッティングが持ち味。現在もイアンと共に活動を続けている。

レス・パティスン  –  ベース

竹を割ったような正確なフレージング、ベースだけでも曲を引っ張れるような個性的かつ立体的なベース・リフが作れる職人。解散した後の復活1作目には参加したが、その後は家庭の事情により不参加(メンバーとの不和ではない)

ビート・デイ・フレイタス  –  ドラムス

メンバー募集により最後にバンドに加入したドラマー(ピート加入までバンドは生ドラムの代わりにドラムマシンを代用していた、ピートが加入した当初はマシンを使っていたバニーメンを支持する声もあったらしい)セルフタイトルの5作目ECHO & THE BUNNYMENを完成させた後、バイク事故により死亡。

ビートルズを産んだリヴァプール出身のバンドである。

アルバム・ディスコグラフィー

1980 1st『CROCODILES』 全英17位。評論家の称賛を受け、イギリスでトップ20入りを果たす

1981 2nd 『HEAVEN UP HERE』全英10位、全米184位。イギリスのアルバムチャートで10位に達し、NME紙の読者人気投票で年間ベスト・アルバムに選ばれた

1983 3rd『PORCUPINE』全英2位、全米137位。先行シングルの“The Cutter”がイギリストップ10に入り、満を持して発表されたアルバムは英チャート2位にまで上り詰める

19844th 『OCEAN RAIN』全英4位、全米87位。“Killing Moon”“Silver”“Seven Seas”などのヒット曲が生み出された。また、同年4月には初来日も果たした

1985年 『SONGS TO LEARN & SING』(シングルを集めたコンピレーション・アルバム)リリース

1987 5th『ECHO & THE BUNNYMEN 』全英4位、全米51

1988年 『NEW LIVE AND RARE/まぼろしの世界』(12”+LIVEレア・トラック集)リリース

イアンは『ECHO & THE BUNNYMEN』を最後にソロアーティストに転身するため脱退。ドラムのピート・ディ・フレイタスが交通事故により他界する

1990 6thReverberation』全英19

残されたメンバーのサージェントとパティスンは、リードシンガーとしてノエル・バークを、ドラマーとしてデイモン・リースを、キーボーディストとしてジェイク・ブロックマンを参加させ活動を継続。新体制で『Reverberation』をリリースしたが評論家には酷評され、マッカロクからも「Echo & the Bogusmen (偽者ども)」と揶揄される。商業的にも失敗に終わり、バンドは19935月に解散した。

1994年 二枚のソロアルバムを発表した後、マッカロクは新プロジェクトElectrafixionで再びサージェントと手を組み、セルフ・タイトルのアルバムをリリースするも単発で終わる。

1997 Evergreen』全英8位。マッカロクとサージェントはパティスンと一緒にエコー&ザ・バニーメンを再始動させた。(3人が集うのは5th以来10年ぶり)アルバムは批評家に熱狂的に支持され、シングル“Nothing Lasts Forever”はイギリスでトップ10に入った。

19998th What Are You Going to Do with Your Life? 』全英21位。パティスンが2度目の脱退(家庭の事情による脱退で、仲違いしたわけではない)をしたが、マッカロクとサージェントは新たにメンバーを加え活動を続ける。

2001 9thFlowers 全英56

2005 10thSiberia』全英83

200911th The Fountain 全英63

2014 12thMeteorites』全英37位、全米138位

2019年 『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』(スタジオ・ライブ・コンピレーション)リリース

『METEORITES』 

   Track List

1,”Meteorites”  、2,”Holy Moses” 3,”Constantinople”、4,”Is This a Breakdown?”、5,”Grapes Upon the Vine”、6,”Lovers On the Run”、7,”Burn It Down”、8,”Explosions”、9,”Market Town”、10,”New Horizons”

前作『THE FOUNTAIN』から5年振り、2014年にリリースされた通算12作目のアルバム『METEORITES』。聞き慣れないワード、メテオライツとは隕石のこと。フロント・カバー、スリーブ内数点の不思議な画像は、よく見ると無数の色が細かく散りばめられた点描画のようだ。これは実は、薄くスライスされた隕石の画像で、製作者はルーク・インセクト。1962年、ナイジェリアの首都アブジャの南東にあるカッシーナ地方に落下した、火星起源の石質隕石で、名称をザガミ隕石というらしい。その隕石のスライス画像である。

さて、ここに至るまでに、ギタリストのウィル・サージェントは、元バニーメンのベーシスト、レス・パティスンとPOLTERGEISTというグループを始動していた。一方、ヴォーカリストのイアン・マッカロクはソロで『HOLY GHOST』というタイトルの2枚組のアルバムを発表している。

このイアンのソロ「HOLY GHOST』はユニークな作品でディスク12の内容が全く異なる。ディスク210年振りの、純然たるソロ作品である。そしてディスク1はバニーメンの曲を自身のコンボにオーケストラを従えた編成で、ロンドンのユニオン・チャペルでライブ・レコーディングされたもので、非常に濃密な、充実した作品である。

このライブのミックス+プロデュースを手掛けたのは通称ユースなる人物で、この人が本作『METEORITES』に携わることになる。

ユース: 本名マーティン・グローヴァーはキリング・ジョークのベーシスト。(キリング・ジョークはバニーメンと同時代のポスト・パンク・バンドである) 彼、ユースはパンク・バンドのベーシストとしてよりも、幅広いプロデュース業で名前を知られた人であり、シャーラタンズ、ヴァーブの他、ポール・マッカートニーとのザ・ファイヤーマンなどその活動は多岐に渡る。

本作は基本、イアン、ウィルとユースともう1人のプロデューサー、アンドレア・ライトの4人でレコーディング作業が進められたようだ。よってドラムは殆どがプログラミングによるものだと思われる。ユースはベーシストとして、また何曲か曲作りにも参加して、2人を後押ししている。

というわけで、本作の特徴はいわゆるバンド・サウンドとは一味違う楽曲が収録されていることにあるといえる。(もちろん、打ち込みとはいえ充分にバンド・サウンドたる曲もある)ユースとアンドレア・ライトの手によって、イアンとウィルの新しい魅力が引き出されたのではないだろうか。特にイアンのヴォーカルが、拡がり、奥行きを感じさせ、丁寧な録音がなされていると感じる。

業界での評価は賛否両論真っ二つに分かれたようだが、セールス面では、1999年以来初のUKトップ40入りを果たしている。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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