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ECHO & THE BUNNYMEN / LIVE IN LIVERPOOL(エコー&ザ・バニーメン/ライブ・イン・リヴァプール) Vinyl Diary

『LIVE IN LIVERPOOL』

2002年リリース、91年にリリースされた『BBC RADIO LIVE IN  CONCERT』を除けば初のオフィシャル・ライブ・アルバムとなる『LIVE IN LIVERPOOL

エコー&ザ・バニーメン

イアン・マッカロク  –  ヴォーカル、ギター

ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声は時々ホーンのように聴こえたりする。公言する影響を受けたミュージシャン、アーティストはジム・モリソン、ヴェルヴェッツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。ロンドンよりもニューヨーク・パンク(テレヴィジョン、パティ・スミス他)からの影響が強いそうだ。

ウィル・サージェント  –  ギター

リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テンションのキレの良いカッティングが持ち味。現在もイアンと共に活動を続けている。

レス・パティスン  –  ベース

竹を割ったような正確なフレージング、ベースだけでも曲を引っ張れるような個性的かつ立体的なベース・リフが作れる職人。解散した後の復活1作目には参加したが、その後は家庭の事情により不参加(メンバーとの不和ではない)

ビート・デイ・フレイタス  –  ドラムス

メンバー募集により最後にバンドに加入したドラマー(ピート加入までバンドは生ドラムの代わりにドラムマシンを代用していた、ピートが加入した当初はマシンを使っていたバニーメンを支持する声もあったらしい)セルフタイトルの5作目ECHO & THE BUNNYMENを完成させた後、バイク事故により死亡。

ビートルズを産んだリヴァプール出身のバンドである。

アルバム・ディスコグラフィー

1980 1st『CROCODILES』 全英17位。評論家の称賛を受け、イギリスでトップ20入りを果たす

1981 2nd 『HEAVEN UP HERE』全英10位、全米184位。イギリスのアルバムチャートで10位に達し、NME紙の読者人気投票で年間ベスト・アルバムに選ばれた

1983 3rd『PORCUPINE』全英2位、全米137位。先行シングルの“The Cutter”がイギリストップ10に入り、満を持して発表されたアルバムは英チャート2位にまで上り詰める

19844th 『OCEAN RAIN』全英4位、全米87位。“Killing Moon”“Silver”“Seven Seas”などのヒット曲が生み出された。また、同年4月には初来日も果たした

1985年 『SONGS TO LEARN & SING』(シングルを集めたコンピレーション・アルバム)リリース

1987 5th『ECHO & THE BUNNYMEN 』全英4位、全米51

1988年 『NEW LIVE AND RARE/まぼろしの世界』(12”+LIVEレア・トラック集)リリース

イアンは『ECHO & THE BUNNYMEN』を最後にソロアーティストに転身するため脱退。ドラムのピート・ディ・フレイタスが交通事故により他界する

1990 6thReverberation』全英19

残されたメンバーのサージェントとパティスンは、リードシンガーとしてノエル・バークを、ドラマーとしてデイモン・リースを、キーボーディストとしてジェイク・ブロックマンを参加させ活動を継続。新体制で『Reverberation』をリリースしたが評論家には酷評され、マッカロクからも「Echo & the Bogusmen (偽者ども)」と揶揄される。商業的にも失敗に終わり、バンドは19935月に解散した。

1994年 二枚のソロアルバムを発表した後、マッカロクは新プロジェクトElectrafixionで再びサージェントと手を組み、セルフ・タイトルのアルバムをリリースするも単発で終わる。

1997 『EVERGREEN』全英8位。マッカロクとサージェントはパティスンと一緒にエコー&ザ・バニーメンを再始動させた。(3人が集うのは5th以来10年ぶり)アルバムは批評家に熱狂的に支持され、シングル“Nothing Lasts Forever”はイギリスでトップ10に入った。

19998th 『WHAT ARE YOU GOING TO DO WITH YOUR LIFE? 』  全英21位。パティスンが2度目の脱退(家庭の事情による脱退で、仲違いしたわけではない)をしたが、マッカロクとサージェントは新たにメンバーを加え活動を続ける。

2001 9th『FLOWERS』 全英56

2002年  『LIVE IN LIVERPOOL』

2005 10th『SIBERIA』全英83

200911th 『THE FOUNTAIN』 全英63

2014 12th 『METEORITES』全英37位、全米138位

2019年 『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』(スタジオ・ライブ・コンピレーション)リリース

『LIVE IN LIVERPOOL』

   Track List

1”,Rescue”、2”,Lips Like Sugar”、3”,King of Kings”、4”,Never Stop”、5”,Seven Seas”、6”,Buried Alive”、7”,SuperMellow Man”、8”,My Kingdom”、9”,Zimbo (All My Colours)”、10,”An Eternity Turns”、11”,The Back of Love”、12,”The Killing Moon”、13,”The Cutter”、14,”Over the Wall”、15,”Nothing Lasts Forever”、16,”Ocean Rain”

 

再結成後、97年『EVERGREEN」、99年『WITH  YOUR LIFE』をリリース。さらに01年『FLOWERS』をリリースした後、同年暮れにはフジロックへの参加と、順調に活動を持続するバニーズ。そして91年にリリースされた『BBC RADIO LIVE IN  CONCERT』を除けば初のオフィシャル・ライブ・アルバムとなる本作『LIVE IN LIVERPOOL』が02年にリリースされた。

収録曲を既発のアルバム単位で確認すると

1stアルバム『CRODILLES』からは1.レスキュー、10.オール・ザット・ジャズ2曲。

2ndアルバム HEAVEN UP HERE』からは  9.オール・マイ・カラーズ(ジンボ)15.オーバー・ザ・ウォール2曲。

3rdアルバム  PORCUPINE からは12.バック・オブ・ラブ、14.カッター2曲。

4thアルバム  OCEAN RAIN』からは5.セブン・シーズ、8. マイ・キングダム、13. キリング・ムーン、17. オーシャン・レイン4曲。

5thアルバム『ECHO & THE BUNNYMEN』からは2. リップス・ライク・ア・シュガー1曲。

編集盤『SONGS TO LEARN & SINGS』からは4.ネヴァー・ストップ1曲。

再結成後の通算7作目にあたる「EVERGREEN』からは16. ナッシング・ラスツ・フォーエヴァー1曲。

8thアルバム『WITH YOUR LIFE』からは選曲無しで続く9thアルバム『FLOWERS』からは 3.キング・オブ・キングス、6. ベリード・アライブ、7.  スーパーメロウ・マン、11.  エタニティ・ターンズ4曲、という新旧織り交ぜた非常にバランスのよいセットリスト。

フロントの2人、バンドの中心人物ヴォーカルのイアン・マッカロクとギターのウィル・サージェントを支える参加ミュージシャンはベースにスティーブ・フレット、キーボードにセリ・ジェームス、ドラムにヴァーニー・ジェイムソン、リズム・ギターにゲド・マリーの4人を加えた6人編成。会場は地元リヴァプールにポール・マッカートニーの尽力で設立されたLIVERPOOL INSTITUTE ARTS。ここで0181718日の2日間に亘って行われたライブ音源である。

どの曲も堅実で安定感のある演奏。キーボードとリズム・ギターがある分、音に幅があり、アルバムに収録された原曲に近い音を再現することに成功している。イアンの声は以前に比べて掠れ気味で、声の伸びが弱くなった感は否めないが、それを補って余りある表現力、力強さである。ウィルのエフェクターを駆使した変幻自在のギターももちろん健在である。

元々ライブに定評のあるバンドだけに、ここに書くのも憚られるほどに素晴らしいライブである。特にパンキッシュな 12、バック・オブ・ラブの性急感、官能的な  13. キリング・ムーンなどはイントロから鳥肌が抑えられないほどの感動である。17曲、タイム 69:53 というボリュームで大満足の1枚である。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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