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ECHO & THE BUNNYMEN / THE JOHN PEEL SESSIONS1979~1983(エコー&ザ・バニーメン/ジョン・ピール・セッションズ) Vinyl Diary

『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』1979年~1983年にバニーメンがTHE JOHN PEEL SESSIONSに出演した時のスタジオ・ライヴ・パフォーマンスを収録した作品、2019年リリース

エコー&ザ・バニーメン

イアン・マッカロク  –  ヴォーカル、ギター

ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声は時々ホーンのように聴こえたりする。公言する影響を受けたミュージシャン、アーティストはジム・モリソン、ヴェルヴェッツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。ロンドンよりもニューヨーク・パンク(テレヴィジョン、パティ・スミス他)からの影響が強いそうだ。

ウィル・サージェント  –  ギター

リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テンションのキレの良いカッティングが持ち味。現在もイアンと共に活動を続けている。

レス・パティスン  –  ベース

竹を割ったような正確なフレージング、ベースだけでも曲を引っ張れるような個性的かつ立体的なベース・リフが作れる職人。解散した後の復活1作目には参加したが、その後は家庭の事情により不参加(メンバーとの不和ではない)

ビート・デイ・フレイタス  –  ドラムス

メンバー募集により最後にバンドに加入したドラマー(ピート加入までバンドは生ドラムの代わりにドラムマシンを代用していた、ピートが加入した当初はマシンを使っていたバニーメンを支持する声もあったらしい)セルフタイトルの5作目ECHO & THE BUNNYMENを完成させた後、バイク事故により死亡。

ビートルズを産んだリヴァプール出身のバンドである。

アルバム・ディスコグラフィー

1980 1st『CROCODILES』 全英17位。評論家の称賛を受け、イギリスでトップ20入りを果たす

1981 2nd 『HEAVEN UP HERE』全英10位、全米184位。イギリスのアルバムチャートで10位に達し、NME紙の読者人気投票で年間ベスト・アルバムに選ばれた

1983 3rd『PORCUPINE』全英2位、全米137位。先行シングルの“The Cutter”がイギリストップ10に入り、満を持して発表されたアルバムは英チャート2位にまで上り詰める

19844th 『OCEAN RAIN』全英4位、全米87位。“Killing Moon”“Silver”“Seven Seas”などのヒット曲が生み出された。また、同年4月には初来日も果たした

1985年 『SONGS TO LEARN & SING』(シングルを集めたコンピレーション・アルバム)リリース

1987 5th『ECHO & THE BUNNYMEN 』全英4位、全米51

1988年 『NEW LIVE AND RARE/まぼろしの世界』(12”+LIVEレア・トラック集)リリース

イアンは『ECHO & THE BUNNYMEN』を最後にソロアーティストに転身するため脱退。ドラムのピート・ディ・フレイタスが交通事故により他界する

1990 6thReverberation』全英19

残されたメンバーのサージェントとパティスンは、リードシンガーとしてノエル・バークを、ドラマーとしてデイモン・リースを、キーボーディストとしてジェイク・ブロックマンを参加させ活動を継続。新体制で『Reverberation』をリリースしたが評論家には酷評され、マッカロクからも「Echo & the Bogusmen (偽者ども)」と揶揄される。商業的にも失敗に終わり、バンドは19935月に解散した。

1994年 二枚のソロアルバムを発表した後、マッカロクは新プロジェクトElectrafixionで再びサージェントと手を組み、セルフ・タイトルのアルバムをリリースするも単発で終わる。

1997 Evergreen』全英8位。マッカロクとサージェントはパティスンと一緒にエコー&ザ・バニーメンを再始動させた。(3人が集うのは5th以来10年ぶり)アルバムは批評家に熱狂的に支持され、シングル“Nothing Lasts Forever”はイギリスでトップ10に入った。

19998th What Are You Going to Do with Your Life? 』全英21位。パティスンが2度目の脱退(家庭の事情による脱退で、仲違いしたわけではない)をしたが、マッカロクとサージェントは新たにメンバーを加え活動を続ける。

2001 9thFlowers 全英56

2005 10thSiberia』全英83

200911th The Fountain 全英63

2014 12thMeteorites』全英37位、全米138位

2019年 『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』(スタジオ・ライブ・コンピレーション)リリース

『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』

   Track List

1.Read It In Books、2.Stars Are Stars、3.I Bagsy Yours、4.Villiers Terrace、5.The Pictures On My Wall、6.All That Jazz、7.Over The Wall、8.All My Colours、9.That Golden Smile、10.Heaven Up Here、11.Turquoise Days、12.Taking Advantage、13.An Equation、14.No Hands、15.Silver、16.Seven Seas、17.The Killing Moon、18.Nocturnal Me、19.Watch Out Below、20.Ocean Rain、21.My Kingdom、

THE JOHN PEEL SESSIONS』

1979年~1983年の間にバニーメンがTHE JOHN PEEL SESSIONS( 英国の伝説的ラジオDJ、ジョン・ピールの番組)に出演した時のスタジオ・ライヴ・パフォーマンスを収録した作品。まだデビュー前であるにも関わらず、エコー&ザ・バニーメンの才能に惚れ込んだピールは、番組への出演を決め、デビュー後も何度も彼らを出演させ、彼らのサウンドを発信し続けてきた。

ここには、1988年にリリースされた、THE PEEL SESSIONS (1.Read It in Books2.Stars Are StarsI 3.Bagsy Yours4.Villiers Terrace 4曲入りEP) の音源はもちろんのこと、デビュー・アルバム『CROCODILES』発表直後となる1980/8/15に出演した時の音源、同年11/4に出演した時の音源、83年の名作『PORCUPINE』リリース前後となる82/1/2783/6/6、そして83/9/19にそれぞれ出演した際の音源、全21曲が網羅されている。

’79822   1.Read It In Books2.Stars Are Stars3.I Bagsy Yours4.Villiers Terrace〜 デビュー前の収録。この4曲ではまだエコー(使用していたドラム・マシーンのこと。彼らが付けた呼び名)を使用していた頃の音源が聴ける。初々しく微笑ましい演奏。 2. Stars Are Stars はまだBメロが完成形に至っていない。3. I Bagsy Yours 1stアルバム収録曲“Monkeys”の原曲。4. Villiers Terrace は形はほぼ完成している。生ドラムではないせいもあるが、音圧が弱く、また、サージェント、マッカロクともにギターが控えめ。ただ、この時点で既に歌心溢れる独特な楽曲になっているし、特にマックの伸びやかなヴォーカルは何かを秘めている感がある。

’80322   5.The Pictures On My Wall6.All That Jazz7.Over The Wall〜 まだデビュー前、精力的にライブ活動をしている頃だろうか、もうデビューは決まっていたのか。ここからフレイタスがドラムを担当する。ただ、以前の名残か、エコーの音もチラホラ聴こえる。3曲ともほぼ完成していると感じる。6.All That Jazzはパティスンの重く、耳に残るベース・ラインがとても良い。7.Over The Wall はバンドの調子の良さを感じさせる熱演。結構な存在感を放っている。

8011128.All My Colours9.That Golden Smile10.Heaven Up Here11.Turquoise Days〜 1stアルバムが’8012月リリースだから、この4曲は本当のデビュー直前で、いわばプロモーションを兼ねたスタジオ・ライブになろうか。演奏が随分力強くなった8 All My Colours9 That Golden Smile 2ndアルバム『HEAVEN UP HERE』1曲目の”Show Of Strength”の原曲。10 Heaven Up Here11 Turquoise Days 2ndに収録される曲。1stの収録からは外れたということだろうが、この時点でこれほどの楽曲を手がけていたことは驚愕である。10 Heaven Up Hereのフレイタスのドラムは聴きごたえがある。

’82127     12.Taking Advantage13.An Equation14.No Hands〜 82年はちょうど2nd アルバム3rdアルバム『PORCUPINE』の間となる。3rdアルバムへ向けての準備段階といったところか。12 . Taking Advantage 3rdアルバム収録“The Back Of Love”の原曲。アルバム・ヴァージョンに比べテンポが緩く(少し16ビートな要素が入っている)その分ボトムが低くブルージーな趣き。サージェントのギター・ソロが良い。13 An Equation は初めて聴く曲。ミディアム・テンポのマイナー調のシンプルなトラック。14 No Hands もここで初めて聴く曲。特徴のあるリズムに地を這うようなベース、マックの弾くアコースティック・ギターの音が良い。これもマイナー調の曲、フレイタスはブラッシュか。アルバムにはもれたのだろうか、しかし枯れた風合いの音で魅力的に感じる。

’83919    15.Silver16.Seven Seas17.The Killing Moon〜 3曲とも4th『OCEAN RAIN』収録曲。アルバムが翌年の5月リリースで、この時点でおおむね完成していたことになる。アルバムには大胆にオーケストラが導入されていたが、ここではちょうどそのオーケストラを外し、アコースティック色を強く演奏した感じに仕上がっている。15 Silver はほぼ完成形といえるがマッカロクのヴォーカルのメロディ・ラインがまだ固まりきっていない感がある。16 Seven Seas は演奏に一体感とグループがあり実に心地良い演奏。ソロにマリンバが入るのはこれはサージェントが叩いているのだろうか。17  The Killing Moon はアルバム・ヴァージョンに比べると少しアップ・テンポなのかダンサブル。マッカロクのヴォーカルの歌詞が一部完成していないまま歌っていることが分かる。しかし名曲には変わりないわけで、素晴らしい。

’831024     18.Nocturnal Me19.Watch Out Below20.Ocean Rain21.My Kingdomこれもまだ4thアルバムリリース前。レコーディングは終わっている頃だろうか。フレイタスはブラッシュ・ワーク、パティスンはウッド・ベースを使っているようだ。だからより音がオーガニックな印象をあたえる。18.Nocturnal Me は完成している。抑揚の効いたサージェントのギター、実に良い。19.Watch Out Below “The Yo Yo Man”の原曲。音のタッチはアルバムのまま、ただしマッカロクのヴォーカルが逡巡しているように感じる。20.Ocean Rain は原曲よりも随分アップテンポだが、形はほぼ完成している。ノリが良くて、これはこれで悪くない。21.My Kingdom これはほぼ完成した形。

バンドの進化の記録であり、ファンにはとても嬉しいリリースである。

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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