ECHO & THE BUNNYMEN/SONGS TO LEARN & SING(エコー&ザ・バニーメン/ザ・シングルズ) Vinyl Diary
『SONGS TO LEARN & SING』Songs to Learn & Sing は、1985年にリリースされたコンピレーション アルバム。
エコー&ザ・バニーメン
イアン・マッカロク – ヴォーカル、ギター
ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声は時々ホーンのように聴こえたりする。公言する影響を受けたミュージシャン、アーティストはジム・モリソン、ヴェルヴェッツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。ロンドンよりもニューヨーク・パンク(テレヴィジョン、パティ・スミス他)からの影響が強いそうだ。
ウィル・サージェント – ギター
リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テンションのキレの良いカッティングが持ち味。現在もイアンと共に活動を続けている。
レス・パティスン – ベース
竹を割ったような正確なフレージング、ベースだけでも曲を引っ張れるような個性的かつ立体的なベース・リフが作れる職人。解散した後の復活1作目には参加したが、その後は家庭の事情により不参加(メンバーとの不和ではない)
ビート・デイ・フレイタス – ドラムス
メンバー募集により最後にバンドに加入したドラマー(ピート加入までバンドは生ドラムの代わりにドラムマシンを代用していた、ピートが加入した当初はマシンを使っていたバニーメンを支持する声もあったらしい)セルフタイトルの5作目「ECHO & THE BUNNYMEN」を完成させた後、バイク事故により死亡。
ビートルズを産んだリヴァプール出身のバンドである。
アルバム・ディスコグラフィー
1980年 1st『CROCODILES』 全英17位。評論家の称賛を受け、イギリスでトップ20入りを果たす
1981年 2nd 『HEAVEN UP HERE』全英10位、全米184位。イギリスのアルバムチャートで10位に達し、NME紙の読者人気投票で年間ベスト・アルバムに選ばれた
1983年 3rd『PORCUPINE』全英2位、全米137位。先行シングルの“The Cutter”がイギリストップ10に入り、満を持して発表されたアルバムは英チャート2位にまで上り詰める
1984年4th 『OCEAN RAIN』全英4位、全米87位。“Killing Moon”、“Silver”、“Seven Seas”などのヒット曲が生み出された。また、同年4月には初来日も果たした
1985年 『SONGS TO LEARN & SING』(シングルを集めたコンピレーション・アルバム)リリース
1987年 5th『ECHO & THE BUNNYMEN』全英4位、全米51位
1988年 『NEW LIVE AND RARE/まぼろしの世界』(12”+LIVEレア・トラック集)リリース
イアンは『Echo & the Bunnymen』を最後にソロアーティストに転身するため脱退。ドラムのピート・ディ・フレイタスが交通事故により他界する
1990年 6th『Reverberation』全英19位
残されたメンバーのサージェントとパティスンは、リードシンガーとしてノエル・バークを、ドラマーとしてデイモン・リースを、キーボーディストとしてジェイク・ブロックマンを参加させ活動を継続。新体制で『Reverberation』をリリースしたが評論家には酷評され、マッカロクからも「Echo & the Bogusmen (偽者ども)」と揶揄される。商業的にも失敗に終わり、バンドは1993年5月に解散した。
1994年 二枚のソロアルバムを発表した後、マッカロクは新プロジェクトElectrafixionで再びサージェントと手を組み、セルフ・タイトルのアルバムをリリースするも単発で終わる。
1997年 『Evergreen』全英8位。マッカロクとサージェントはパティスンと一緒にエコー&ザ・バニーメンを再始動させた。(3人が集うのは5th以来10年ぶり)アルバムは批評家に熱狂的に支持され、シングル“Nothing Lasts Forever”はイギリスでトップ10に入った。
1999年8th 『What Are You Going to Do with Your Life? 』全英21位。パティスンが2度目の脱退(家庭の事情による脱退で、仲違いしたわけではない)をしたが、マッカロクとサージェントは新たにメンバーを加え活動を続ける。
2001年 9th『Flowers」 全英56位
2005年 10th『Siberia』全英83位
2009年11th 『The Fountain』 全英63位
2014年 12th『Meteorites』全英37位、全米138位
2019年 『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』(スタジオ・ライブ・コンピレーション)リリース
『SONGS TO LEARN & SING』
Track List
A1.Rescue 、2.The Puppet、3.Do It Clean、4.A Promise、5.The Back Of Love、6.The Cutter
B1.Never Stop、2.The Killing Moon、3.Silver、4.Seven Seas、5.Bring On The Dancing Horse
Songs to Learn & Sing は、1985 年 11 月 11 日にリリースされた コンピレーション アルバム。英国のKorova、ドイツの WEA、米国の Sire Records から LP、カセット、CD としてリリースされた。バンドがそれまでにリリースしたすべてのシングルをフィーチャーしている。 時系列順に並べられており、その時点までにリリースされた 4 枚のスタジオ アルバムと、アルバム未収録の 2 つのシングルから抜粋されている。 更に同年にリリースされた「Bring on the Dancing Horses」が含まれている。(このシングルは UK シングル チャートで 21 位、アイルランドのシングル チャートで 15 位)アルバムはUK Albums Chartで 6 位、US Billboard 200 で 158 位を記録した。
Side AA1.Rescue 、は1stアルバム『CROCODILES』収録曲。’80年5月、アルバムからのセカンド・シングルとしてリリースされた。(B面はSimple Stuff/Prideの2曲) 2.The Puppet、はアルバム未収録のシングルで’80年9月リリース。B面は1stアルバム収録の 3.Do It Clean。 4.A Promiseは2ndアルバム 『HEAVEN UP HERE』収録。’81年7月リリース。B面はBroke My Neck/Do It Cleanの2曲を収録。 5.The Back Of Love、は’3rdアルバム『PORCUPINE』収録曲、アルバム先行シングル。82年5月リリース。(B面はThe Subject/Fuelの2曲) 6.The Cutterも3rdアルバム『PORCUPINE』収録、アルバムからのセカンド・シングル。(B面はThe Subject/Fuel)
Side BB 1.Never Stopはアルバム未収録。’83年7月リリース。(B面はHeads Will Roll/The Original Cutter) 2.The Killing Moon、は4thアルバム『OCEAN RAIN』収録曲、’84年1月リリース。(B面はDo It Clean) 3.Silver、は同じく4thアルバム『OCEAN RAIN』収録曲、’84年4月リリース、(B面はAngels and Devils) 4.Seven Seas、4thアルバム『OCEAN RAIN』収録曲。7インチシングルのB面にはAll You Need Is Love、12インチシングルにはThe Killing Moon. Stars Are Stars. Villiers Terraceの3曲が追加収録されている。 5.Bring On The Dancing Horsesはアルバム未収録。(B面はOver Your Shoulder/Bedbugs and Ballyhoo
4枚のアルバムに収録されている8曲は、それぞれのブログを読んでいただくこととして、ここではアルバム未収録の3曲についてのみ言及したい。
A2. The Puppet 艶めいたギター・リフで始まるイントロ、タイトなリズム隊、バニーメン流ロックンロール。後ろで鳴るヒステリックなギターのカッティングがカッコいい。短いギター・ソロの後はマッカロクのダブル・トラックによる掛け合いのヴォーカルが入る。ラストのツー・コーラスではキーボードのシンプルな音が重ねられ更に広がりのある音になる。
B1.Never Stop マリンバと弦楽器、デジタルっぽく処理された音、4人のメンバー以外のイクイップメントが豊富ということでは新境地といえる。とはいえ、バニーメンのエモーショナルで凛とした演奏はそのまま、バニーメン・ミーツ・ダンス・ミュージックといったところか。
B5.Bring On The Dancing Horses この曲もややダンス・ミュージックに寄った感じのミディアム・テンポの大きなノリの1曲。16ビートに呼応したサージェントのプランジャーのかかったギターがなんともかっこいい。かなり色々な音が重ねてあり、オーバー・プロデュースな気がしないでもないが、それでもマッカロクのソウルフルな歌声は鳥肌ものである。
5th『ECHO & THE BUNNYMEN』に続く。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。