JAMES WHITE & THE BLACKS/OFF WHITE(ジェームス・ホワイト/オフ・ホワイト) Vinyl Diary
『OFF WHITE』
『 Off White』は1979年にリリースされたジェームス・ホワイト・アンド・ザ・ブラックスの1stアルバムである。
ジェームス・チャンス（James Chance ジェームス・ホワイト名義も使用)は、1953年4月20日ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。アメリカ出身のサクソフォーン奏者、作曲家、歌手、ピアニスト。ウィスコンシン音楽院を中退した後、1976年にニューヨークに移る。ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ジャークスを経てファンク+フリー・ジャズ・バンド”ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ”を結成。1978年、ブライアン・イーノ、プロデュース、ノー・ウェイヴのコンピレーション・アルバム「ノー・ニューヨーク』に参加。
James Chance & The Contortions名義の『Buy』とJAMES WHITE & THE BLACKS名義の『Off White』は同年のリリースである。レーベル”ZE RECORDS”のオーナー、マイケル・ジルカによると、当初からディスコ路線をレーベルは目指しており、コントーションズはディスコにしては速すぎだった。そこで彼らはバンド名を変えただけの新バンド、ジェームス・ホワイト・アンド・ザ・ブラックスを作りあげることにした、という。結果、「このバンドはアイロニーをもってディスコと向き合い、獰猛な音楽と合体させた恐るべき才能」と語っている。またジルカは同じ年にリリースされたコントーションズの『BUY』を「史上最もタフで、最も非妥協的なパンク・バンドによる傑作」と評している。
ジェームスは２つの名前を使い、複数のバンドで活動してきた。そのためディスコグラフィーも複雑である。現在はチャンスの名前で活躍を続けている。
Discography
James Chance & The Contortions
1979年『Buy』(ZE)
1980年『Paris 1980 Live Aux Bains Douches』
1981年『Live in New York 』
1991年『Soul Exorcism』
1995年Lost Chance』(ROIR)
1996年『Molotov Cocktail Lounge』(Enemy / Zebralution)
2011年『Incorrigible! 』
2016年『The Flesh is Weak』
James White & The Blacks
1979年『 Off White』 (ZE-Buddah)
1979年 『Contort Yourself EP』
1982年「Sax Maniac』 (Animal
1986年『Melt Yourself Down』(Selfish Records 日本限定)
James Chance (with Pill Factory)
1979年『Theme from Grutzi Elvis』(ZE) ※EP 映画『Grutzi Elvis』
James White The Flaming Demonics
1983年『The Flaming Demonics』(ZE)
James Chance & Terminal City
2005年 『Get Down And Dirty!』(wind bell)
2010年『The Fix is In』(decade 01 / Interbang)
Solo
2005年『James Chance – Chance of A Lifetime: Live in Chicago 2003』(RUNT)
2005年 書籍『JAMES CHANCEとポストNYパンク』出版
2024年6月18日逝去、享年71歳
『OFF WHITE』
TRrack List
A1.CONTORT YOURSELFA2.STAINED SHEETS、A3.(TROPICAL)HEAT WAVE 、A4.ALMOST BLACK Part 1
B1.WHITE SAVAGES 、B2.OFF BLACK、B3.ALMOST BLACK Part 2 、B4.WHITE DEVIL 、B5.BLEACHED BLACK
Personnel
James White – vo,alto sax,organ、 Jody Harris – gt、 Pat Place – slide gt George Scott Ⅲ – ba、 Don Christensen – ds
Additional personnel
Robert quinn – guitar on 6, 7、 Vivienne Dick viola on 8、 Paul Colin – tenor sax on 4, 7、 Kristian Hoffman -p on 2,3, vocals on 3、 Adele Bertei – piano on 1, vocals on 4 、Ray Mantilla – congas on 3、 Lydia Lunch – guitar on 8, vocals (as Stella Rico) on 2、 Anya Phillips – vocals on 3, 4
『 Off White』
ZEレコードはジェームス・チャンスのディスコ・アルバムを作りたい 。(コントーションズの音はパンク過ぎた) そこでチャンスのマネージャーでありパートナーでもあるアニヤ・フィリップスは思いつくのである。バンド名を変えてディスコ・ミュージックを作ろうと。そして生まれたのがJames White and The Blacksである。であるが故に、この作品と同年にリリースされたコントーションズの1stアルバム『BUY』はメンバーがほぼ同一である。
バンドはマネージャーのアニヤ・フィリップスとチャンスによる独裁的な采配。そのため長くバンドに留まるメンバーはおらず、この後にリリースされるアルバムにおいても、常に流動的であった。
Side A
厳格なリズム楽器、緻密にアレンジされた2本のギターとベース、その上でフリーキーなホワイトのサックスが泳ぐオープニング・ナンバーA1.CONTORT YOURSELF 、ホワイトのヴォーカルは比較的穏やか。 低音弦を弾くギターとベースで成るリフを中心に、装飾的な楽曲の使い方、効果音、ホワイトの語りで淡々と進行する A2.STAINED SHEETS、全体を支配しているのは終始流れる女性(リディア・ランチ？)の喘ぎ声というマニアックな1曲。 南の島の香り漂う、カリプソっぽい異色の1曲 A3.(TROPICAL)HEAT WAVE 、この曲でヴォーカルを取るのはクリスチャン・ホフマンとアニヤ・フィリップス。全編に渡ってホワイトがサックスを吹きまくっている。 アニヤ・フィリップスが歌か語りか、なんともいえないヴォーカルを取るA4.ALMOST BLACK Part 1 、雰囲気があり、セクシーなナンバー。泣き叫ぶようなホワイトのサックス。
Side B
B面は全てインストルメンタル。どの曲もドラムとベース(+ギター×1)が反復するリズム、リフを延々と刻み続け、そこにフリーキーなサックス、ギターがかぶさる構成。 ギター、キーボード、効果音、サックスの実験的な音のインストルメンタルの B1.WHITE SAVAGES は、サックスとスライド・ギターは、かなり好き勝手にやっており、厳格なリズム隊により、ギリギリで逸脱していない感じの曲。 B1同様、正確なリズム隊をバックに2本のギターとサックスが縦横無尽に隙間を埋め尽くすミディアム・ナンバーの、B2.OFF BLACK には、ロバート・クインがギターで参加。 B3.ALMOST BLACK Part 2 にもクインが参加している、歪んだワウ・ギターがロバート・クインか。 B4.WHITE DEVIL は、メタリックな音の2本のギターとサックス、どちらもがフリーキーにやりたい放題の アップ・テンポなナンバー。 B5.BLEACHED BLACKミディアム・テンポ、低音の、這うような音のギターと高音のスクラッチのようなギターが鳴り響くクロージング・ナンバー。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、ジェームス・チャンス他)絵画に興味ある方はご覧ください。
