FLESH FOR LULU/BIG FUN CITY(フレッシュ・フォー・ルル/ビッグ・ファン・シティー) Vinyl Diary
『BIG FUN CITY』ビッグ・ファン・シティーは1985年リリース、フレッシュ・フォー・ルルの2ndアルバムである。フレッシュ・フォー・ルルはイギリスはロンドン、ブリクストンで結成されたロックバンドで、1982年から1992年にかけて活動した。
Nick Marsh(ボーカルとギター)とJames Mitchell(ドラム)がバンドを結成し、すぐにRocco Barker(元々はWasted Youth、ギターとボーカル)とGlen Bishop(ベース)が加入。ジョン・ピールのセッションが好評だった後、1983年にポリドールレコードと契約し、その後すぐにベーシストのグレンビショップがアンダーツーフラッグスに参加するため脱退、Kevin Millsが加入してラインナップが整う。
1983年12インチシングル”Roman Candle”、(同曲は音楽誌フールズ・メイトで絶賛された)、1984年6月セカンドシンル”Subterraneans”、同年8月サードシングル,Restless”、セルフタイトルの1stアルバム『 Fresh For Lulu』リリース。
1985年、バンドはHybrid Recordsと契約し、CraigLeonと共同で制作したミニLPBlue Sisters Swing をリリース。 2人の修道女がキスをしているというジャケット画像により、アルバムは米国とヨーロッパで発売禁止となる。その後、フレッシュ・フォー・ルルは、その年の後半にStatikRecordsから 『Big Fun City』 をリリースした。
下の画像は85年12月アルバムからの3曲入りの1st.12インチシングルとしてリリースされた”Baby Hurricane“。B面2曲目はストゥージズ/アイ・フィール・オールライトの激シブカバー!!ジャケット裏面はキュートなブリジット・バルドー!!!
アルバムの印象としては、(アメリカ進出を念頭に置いてのことだろうか)、凝った作りの曲や繊細で技術的な小手先のギミックはなりを潜め、悪く言えば大味な、良く言えばストレートでシンプルなロックンロール路線に舵を切った感がある。サイケデリックな印象も強かった空間系の音処理も、本作では随分スッキリとしていて、ダイレクトなその音を楽しめる。おかげで、2本のギターの絡みがよく聴こえる良質なギター・ロック・アルバムに仕上がっている。
Track List
〜SIDE A〜1,Baby Hurricane 2,Cat Burglar 3,Let Go 4,Vaguely Human 5,Rent Boy
〜SIDE B〜1,Golden Handshake Girl 2,In Your Smile 3,Blue 4,Landromat Kat 5,Just One Second
1、Baby Hurricaneはシングル・カットされたミディアム・テンポのオープニング・ナンバー。ジャングル・ビート風のドラムがイカした、2、Cat Burglar。フィード・バック・ギターがパンキッシュな、4、Vaguely Human。
B面に変わって、ジャキジャキのギターとメロディがキャッチーな、2、In Your Smile 。全体的にソフトなタッチで親しみやすい雰囲気の、3、Blue。一転してハード・ドライビングなニック節が聴ける4、Landromat Kat。アルバム・ラストを飾る感動的なバラード、5、Just One Second。
ルックス良し、曲良し、演奏良しで売れない要素が見当たらないのに、何故か知名度はあまり高くないフレッシュ・フォー・ルル。再評価されることを望むばかりだ。ヴォーカルのニック・マーシュは2015年6月5日にガンにより他界、享年53歳。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、フレッシュ・フォー・ルル他)絵画に興味ある方はご覧ください。