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FLESH FOR LULU /FLESH FOR LULU(フレッシュ・フォー・ルル/フレッシュ・フォー・ルル)

FLESH FOR LULU

1984年リリース、セルフタイトルの1stアルバム。イギリスはロンドン、ブリクストンで結成されたイギリスのロックバンドで、1982年から1992年にかけて活動した。

 

Nick Marsh(ボーカルとギター)とJames Mitchell(ドラム)がバンドを結成し、すぐにRocco Barker(元々はWasted Youth、ギターとボーカル)とGlen Bishop(ベース)が加入。ジョン・ピールのセッションが好評だった後、1983年にポリドールレコードと契約し、その後すぐにベーシストのグレンビショップがアンダーツーフラッグスに参加するため脱退、Kevin Millsが加入してラインナップが整う。

198312インチシングル”Roman Candle”(同曲は音楽誌フールズ・メイトで絶賛された)、1984年6月セカンドシンル”Subterraneans”同年8月サードシングル,Restless”、セルフタイトルの1stアルバム『 Fresh For Lulu』リリース。

1985年、バンドはHybrid Recordsと契約し、CraigLeonと共同で制作したミニLP 『Blue Sisters Swing』をリリース。 2人の修道女がキスをしているというジャケット画像により、アルバムは米国とヨーロッパで発売禁止となる。その後、フレッシュ・フォー・ルルは、その年の後半にStatikRecordsから  『Big Fun City』 をリリースした。

 

FLESH FOR LULU

Track List

A1.Restless 2.Dog Dog Dog 3.Hyena 4.Coming Down 5.Jigsaw Puzzle

B1. Subterraneans 2.Brainburst 3.Peace And Love 4.So Strong 5.Heavy Angel

フレッシュ・フォー・ルルはエコー&ザ・バニーメン、バウハウスと並んで80年代のUKロックを牽引したバンドである。ニューヨーク・ドールズ、ローリング・ストーンズ、ヴェルヴェッツ、T・レックス、デビッド・ボウイが引き合いに出されることが多い(因みにA-5はストーンズのカバー)クラッシュっぽさを感じる瞬間もある。

ツイン・ギターの絡み具合はドールズまたはジギー・スターダスト〜ピンナップスの頃のボウイを思わせる。土臭さ、泥臭さ、いわゆるプルースっぽさは薄めだが、女性コーラスの多用はストーンズ、ドールズを連想させる。凝った作りの曲が多く、退廃的な雰囲気を漂わせつつも適度なポップさも加味した、極上のロックンロールアルバムである。

Side A 

A-1「Restless」、オープニングを飾る、バックに女性コーラスの入るミディアム・テンポのギター・ロッキン・チューン。劇的なブリッジがあったりしてドラマティックな曲構成。アルバムからの2ndシングル。A-2「Dog Dog Dog」、ギターが前面に出たロックンロール、効果的に転調を配していて、A-1に続き一筋縄でいかない凝った展開、ゴシック感とポップさが絶妙な1曲。A-3「Hyena」、ゴスっぽさ、デカダンな雰囲気を湛えた激しいドラムの16ビート、ファンク・チューン。その上に独特の翳りが乗っかって、独自の世界観を作りあげている。A-4「Coming Down」、原始的なドラムに合わせて呪術的なヴォーカルが乗るミディアム・ナンバー。効果音の使い方も巧みな1曲。フリーキーなギターやプリミティブなドラムの感じからヴェルヴェッツを彷彿させる。A-5、「Jigsaw Puzzle」アルバム、べガーズ・バンケット収録、ローリング・ストーンズの名曲カバー。本家のような泥臭さは控えめだが、エッジーでエネルギッシュな演奏は抜群にカッコいい。サックスが効果的に入っていて洗練されたロックンロールに仕上がっている。

Side B

B-1「Subterraneans」、ゴリゴリのベースとリバーブの効いたロカビリー・チックなギターがカッコいい、シングルとしてリリースされた、ポップ+ロッキン・チューン。乾ききった感じのニック・マーシュのヴォーカルもセクシーだ。アルバムからの1stシングル。B-2「Brainburst 」、キャッチーなギター・リフの、ゴスな雰囲気もあるルーズなミディアム・ナンバー。間奏で一部、ストゥージズのフレーズが出てくるのも余裕を感じる1曲。B-3「Peace And Love」、シンプルでキャッチー、リラックスして聴けるシャッフル・ナンバー。B-4「So Strong」、一瞬ストゥージズか?と、イギー・ポップを思い起こさせる、ニック・マーシュのヴォーカルが文句なしのキラー・チューン。曲もパンキッシュでシンプルでカッコいい。個人的にはもう少しこの手の曲が欲しかった。B-5「Heavy Angel」、アルバムラストを飾るスロー・バラード。アコースティック・ギター、スライド・ギターやパーカッションが入って、アルバム中1番オールド・スクールともいえるグロージング・ナンバー。この曲だけは比較的ブルージーな雰囲気を醸しており、ストーンズの弟バンドのような演奏で、懐の深さを感じさせる名演である。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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