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ECHO & THE BUNNYMEN / CROCODILES(エコー&ザ・バニーメン/クロコダイルズ) Vinyl Diary

『CROCODILES』

『CROCODILES』は1980年にリリースされたエコー&ザ・バニーメンの1stアルバム。

エコー&ザ・バニーメン

イアン・マッカロク  –  ヴォーカル、ギター

ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声は時々ホーンのように聴こえたりする。公言する影響を受けたミュージシャン、アーティストはジム・モリソン、ヴェルヴェッツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。ロンドンよりもニューヨーク・パンク(テレヴィジョン、パティ・スミス他)からの影響が強いそうだ。

ウィル・サージェント  –  ギター

リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テンションのキレの良いカッティングが持ち味。現在もイアンと共に活動を続けている。

レス・パティスン  –  ベース

竹を割ったような正確なフレージング、ベースだけでも曲を引っ張れるような個性的かつ立体的なベース・リフが作れる職人。解散した後の復活1作目には参加したが、その後は家庭の事情により不参加(メンバーとの不和ではない)

ビート・デイ・フレイタス  –  ドラムス

メンバー募集により最後にバンドに加入したドラマー(ピート加入までバンドは生ドラムの代わりにドラムマシンを代用していた、ピートが加入した当初はマシンを使っていたバニーメンを支持する声もあったらしい)セルフタイトルの5作目ECHO & THE BUNNYMENを完成させた後、バイク事故により死亡。

ビートルズを産んだリヴァプール出身のバンドである。

アルバム・ディスコグラフィー

1980 1st『CROCODILES』 全英17位。評論家の称賛を受け、イギリスでトップ20入りを果たす

1981 2nd 『HEAVEN UP HERE』 全英10位、全米184位。イギリスのアルバムチャートで10位に達し、NME紙の読者人気投票で年間ベスト・アルバムに選ばれた

1983 3rd『PORCUPINE』全英2位、全米137位。先行シングルの“The Cutter”がイギリストップ10に入り、満を持して発表されたアルバムは英チャート2位にまで上り詰める

19844th 『OCEAN RAIN』全英4位、全米87位。“Killing Moon”“Silver”“Seven Seas”などのヒット曲が生み出された。また、同年4月には初来日も果たした

1985年 『SONGS TO LEARN & SING』(シングルを集めたコンピレーション・アルバム)リリース

1987 5th『ECHO & THE BUNNYMEN』全英4位、全米51

1988年 『NEW LIVE AND RARE/まぼろしの世界』(12”+LIVEレア・トラック集)リリース

イアンは『Echo & the Bunnymen』を最後にソロアーティストに転身するため脱退。ドラムのピート・ディ・フレイタスが交通事故により他界する

1990 6thReverberation』全英19

残されたメンバーのサージェントとパティスンは、リードシンガーとしてノエル・バークを、ドラマーとしてデイモン・リースを、キーボーディストとしてジェイク・ブロックマンを参加させ活動を継続。新体制で『Reverberation』をリリースしたが評論家には酷評され、マッカロクからも「Echo & the Bogusmen (偽者ども)」と揶揄される。商業的にも失敗に終わり、バンドは19935月に解散した。

1994年 二枚のソロアルバムを発表した後、マッカロクは新プロジェクトElectrafixionで再びサージェントと手を組み、セルフ・タイトルのアルバムをリリースするも単発で終わる。

1997 Evergreen』全英8位。マッカロクとサージェントはパティスンと一緒にエコー&ザ・バニーメンを再始動させた。(3人が集うのは5th以来10年ぶり)アルバムは批評家に熱狂的に支持され、シングル“Nothing Lasts Forever”はイギリスでトップ10に入った。

19998th What Are You Going to Do with Your Life? 』全英21位。パティスンが2度目の脱退(家庭の事情による脱退で、仲違いしたわけではない)をしたが、マッカロクとサージェントは新たにメンバーを加え活動を続ける。

2001 9thFlowers 全英56

2005 10thSiberia』全英83

200911th The Fountain 全英63

2014 12thMeteorites』全英37位、全米138位

2019年 『 JOHN PEEL SESSIONS1979~1983』(スタジオ・ライブ・コンピレーション)リリース

CROCODILES

   Track List

A1.   Going Up  2.  Stars Are Stars  3.  Pride  4.  Monkeys   5.  Crocodiles

B1.  Rescue  2.  Villiers Terrace  3.  Pictures on My Wal  4.  All That Jazz  5.  Happy Death Men

【History】

【イアン・マッカロクとウィル・サージャントの出会いにより7810月リヴァプールにて結成されたエコー&ザ・バニーメン。バンド名の「エコー」は、当時使用していたドラム・マシーン(ECHO)の名前から。19781115(リバプールーエリックス)にてデビュー・ギグを行う。 1979年、インディー・レーベル、Zoo Recordsから7インチ・シングル「Pictures On My WallRead It In Books」を発表。(そのデビュー・シングル曲は、1980年にリリースしたデビュー・アルバム『CROCODILES』にも収録された)8月、オムニバス『Street To Street』に「Monkeys」を提供。4人目のメンバー、ピート・デイ・フレイタスが正式に加入し、活動が加速。(この頃、JOY DIVISIONともステージで競演している)ワーナー傘下のKorova(コロヴァ)と契約。5月シングル「RescueSimple Stuff(後に「Pride」を含めた3曲入り12インチ・シングルもリリース)。そして7月「CROCODILES』を発表する(初回プレスにはフリー・シングル「Do It CleanRead It In Books」が封入)。その後、モンマスにあるロックフィールド・スタジオにて3週間に亘るレコーディング。19807月、1stアルバム『CROCODILES』リリース、チャートの20位内にランクインする。

1981117日、バクストン・パヴィリオンでライブを行い、それを記念したライブEPShine So Hard(収録曲 CrocodilesZimboAll That JazzOver The Wall4曲入りライブ盤)リリース。

ポスト・パンクの波が渦巻く中、NME誌からブリティッシュ・バンドによるアルバムの中で今年最高の作品と絶賛されたこともあり、彼らはこのアルバムをもって今いる最高のバンドの一つとしての評判を確固たるものにした。最終的にはアルバムは全英チャートのTOP20にエントリーを果たし、多くの批評家たちから最高のデビュー・アルバムの一つとして挙げられることとなった。】

 

このバンドの音を初めて聴いた時のことは忘れられない。ディレイやリバーブが深くかかったヴォーカルの音処理と、粘っこく時にはホーンのようにエモーショナルに響く声、正確で激しいカッティングのギター、竹を割ったようなジャストなタイム感を持ち、耳に残る印象的なフレーズを紡ぐベース、原始のリズムを想起させるドラム。静と動というかクールさとウォームさというのか、寡黙な中にある熱くほとばしる情熱がその音に刻まれている。

ヴォーカルのイアン・マッカロクのことを語る時によく引き合いに出されるのはジム・モリソンで、確かに声は憑依したかのように似ている瞬間がある、それから昔読んだ記事で覚えているのが、ジギー・スターダストの時のデビッド・ボウイにかなり入れ込んでいたこと(アラジン・セインで一気に冷めたとも語っていたと思う)、リズム・ギターの技術をルー・リードの「ウェイティング・フォー・ザ・マン」から学んだこと、など。

まだ機材を充実させる程の余裕はなかったのか、レコーディングにはそれぞれ1本ずつのエレキ・ギターと、たった1本のアコースティック・ギターしか使わない最小限で臨んだのだとか。

Side A

シンプルでシャープなギター、エッジの立ったベース、正確なビートのドラム、良く伸びるヴォーカル、これがバニーメンの第一声となるオープニング・ナンバー、A-1 Going Up 。 ライブでも頻繁に演奏される、A-2 Stars Are Starsはシンプルながらサージェントのギター・フレーズが耳に残る。 3.  Pride は、ジャキジャキのギターと意表を突くマリンバの組み合わせ、この曲でのマッカロクのヴォーカルはジム・モリソンのようだ。 4.  Monkeys は絡み付くようなマッカロクのヴォーカルとパティスンの地を這うようなベースが聴きどころ。 ポスト・パンクの名に相応しい、アップ・テンポでパンキッシュな表題曲、本作でベスト・トラックA-5Crocodiles は性急なリズム隊、エモーショナルなマッカロクのヴォーカルとサージェントの高速のカッティングが何度聴いても鳥肌ものの1曲。

Side B

シングルでもリリースされた、B1. Rescue は、2本のギターの絡みが立体的、ブリブリうなるパティスンのベースも良い。 トニー・ウィルソン(ファクトリー・レコードの創業者)が傑作と太鼓判を押した、B2. Villiers Terrace。 キーボードを全体にフィーチャーした3.  Pictures on My Wal では、この曲を聴くと、何故かいつもジョイ・ディヴィジョンのことを思い出す。 ヘビーでタイトなビートのリズム隊が魅力のB4. All That Jazz は構築的なベース・ラインとタイトなドラムが独特なグルーブを生み出している。また、サビでユニゾンになるハイハットとギターが実に良く効いている。 アヴァンギャルドな鍵盤を全面に配したクロージング・ナンバー 5.  Happy Death Men は呪術的でエキゾチックな雰囲気を持つ1曲で、コード・チェンジやメロディの変化は乏しいものの、ドラマティックな仕上がりになっている。

アルバムはUKチャートの20位にランク・イン。そして批評家から絶賛される2ndアルバム『HEAVEN UP HERE』をリリースする。

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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