TELEVISION/live at the WALDORF In San Francisco, 29th June, 1978(テレヴィジョン/ライブ・アット・ザ・ウォルドーフ) Vinyl Diary
『live at the old WALDORF』1978年6月29日にサンフランシスコのOld Waldorfで行われたライブのアルバム。ブートレグが出回っていたが、2003年にRhino Handmadeから正式にリリースされた。
TELEVISION(テレビジョン)はTom Verlaine ; Guitar, Vocals、 RichardLloyd;Guitar,BackingVocals、Billy Ficca ; Drums、Fred Smith ; Bass, Backing Vocalsの4人。
ヒストリー:1971年、トム・ヴァーレイン、リチャード・ヘル(ベース、のちにハートブレイカーズ、ヴォイドイズ)、ビリー・フィッカの3人は、テレヴィジョンの前身ネオンボーイズを結成するものの、すぐに解散。バラバラになっていたが74年初頭に再結集、ギタリスト、リチャード・ロイドを加えて4人組となる。CBGBやマクシズ・カンサス・シティなどのライブハウスで腕を磨いた彼らは、ローワー・イーストサイドで絶大な人気を得る。ヘルの脱退後、ブロンディーに在籍していたフレッド・スミスが加入し、全盛期のメンバーが出揃う。以下はデビューから2ndアルバムをリリース後、解散するまでの経緯。
1975年「Little Johnny Jewel 」をインディーズのオーク・レコードから発表。(当時としては破格の1万枚以上売れたとのこと)。その後ニューヨーク滞在中のブライアン・イーノにより数曲レコーディングが行われるが、未発に終わる(この音源は後に海賊盤「Double Exposure』として流出する、これも名盤)
1976年DOORSドアーズが所属していたという理由からエレクトラと契約。
1977年2月1stアルバム『 Marquee Moon』発表。7月シングル「Prove It / Venus 」発表。
1978年4月、2ndアルバム 『Adventure』 、シングル「Foxhole / Careful」発表。7月シングル「Glory / Ain’t That Nothin’ 」発表。
1978年8月、ニューヨークで行われた6日間のライブの後、呆気なく解散。
1982年ライブ・アルバム 『The Blow Up』 リリース。
1992年、14年ぶりに再結成され、オリジナルアルバムとしては3作目の『Television』を発表、同時に再結成ライブも行なった。 同年、ライブ・アルバム『Live at the Academy』リリース。
1993年に再び活動を休止するも、2001年再々結成。
2003年、ライブ・アルバム 『Live at the Old Waldorf』 リリース。
2007年6月16日、ギターのリチャード・ロイドが脱退。その後テレヴィジョンは、ヴァーレインのソロに参加していたジミー・リップをメンバーに迎えて活動を継続中。
『Live at the Old Waldorf』
Track List
A-1. The Dream’s Dream、2. Friction、3. Marquee Moon、 4. Careful
B-1. Venus De Milo、 2. Foxhole、3. Ain’t That Nothin’、4. Little Johnny Jewel
本作は解散直前のライブということになる。とはいえ、悲愴感は感じられない。このブログでも先に紹介しているライブ盤 『THE BLOW UP』と同じく鉄壁のアンサンブル、熱気に包まれた極上の演奏である。この時代のモノにしては音、バランスがとても良く、おまけにステレオで編集されているので、スタジオ・アルバムとは一味違ったライブならではのヴァーレインとロイドのギターをはっきり聴き分かることが出来る。ロイドのギターはやや歪みが強め、スミスのベースはエッジが立っている。
A-2.3.B-1が1stMarquee Moonから。A-1.4.B-2.3が 2ndAdventureからと、1stと2ndからほぼ半々のセットリスト。
Side A
アルバムはバンドのアンサンブルの緻密さとギターのハモりが美しいA-1.The Dream’s Dream 、でスタート。ゆったりと、大きなうねりで、じっくり聴きたいナンバー。 縦横無尽のヴァーレインのギターがよく歌うA-2.Friction 、バッキングの際の2本のギターの音がハッキリ聴こえて実に気持ちいい。 A-3.Marquee Moon は、ギター・ソロがかなり長く、アルバム片面の半分以上を費やす長尺ナンバーとなっている。 シャッフルのA-4.Careful はテレヴィジョンの曲の中でも数少ない、軽快でポップなナンバー。
Side B
ロイドのギターがアルバムよりも随分とアグレッシブな B-1. Venus De Milo はアンサンブルもより強固になった感がある。 イントロから緊張感をたたえたB-2. Foxhole 、アルバム・バージョンはクールな佇まいだが、これもエキサイティングな演奏。 特筆したいのは、竹を割ったかのような一糸乱れぬリズムで突き進む B-3.Ain’t That Nothin’、この曲のロイドの流麗なギターソロが秀逸、達者なところを存分に聴かせてくれるし、ラストに向けての圧倒的な熱量を持つバンドのプレーは、この曲を含む2ndアルバムが売れないことへのリベンジを果たすかのような、執念を感じさせ心熱くなる圧巻の演奏で、本作でのベスト・トラックと言いたい。 これまで何百回とプレイしてきたであろう長尺のクロージング・ナンバーであるB-4. Little Johnny Jewelは、さらにフリーキーになり、初期 ヴェルヴェッツTHE VELVET UNDERGROUND を彷彿とさせ、まるで60年代後半にタイム・スリップしたかのような錯覚を起こすジャムを展開している。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。