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NEWYORK DOLLS/RED PATENT LEATHER(ニューヨーク・ドールズ/レッド・パテント・レザー)

『RED PATENT LEATHER』

1975年、ニューヨークはヒッポドロームにて行われたニューヨーク・ドールズのライブアルバムである。1984年ファンクラブ(フランス/ニューローズ)リリースの貴重な一枚。

NEW YORK DOLLS 

David Johansen – vo,hp Johnny Thunders – gt,vo Sylvain Sylvain – gt,vo Arthur Kane – ba Jerry Nolan – ds

1971年ジョニー・サンダース、アーサー・ケイン、リック・リヴェッツ(ギター)、ビリー・マーシア(ドラム)が母体となるバンド“Actress”結成。後にニューヨーク・ドールズと改名。翌年、ギターのリックが脱退しシルヴェイン・シルヴェイン,、およびデヴィッド・ヨハンセンが加入。アルバム未発売であるにも関わらずロッド・スチュアートの前座として招聘され渡英した際、滞在先でドラムのビリーが死亡(ホテルの浴槽で溺死)。バンドには新たにジェリー・ノーランが加わわったことで、黄金期のラインナップとなり、ここからドールズの快進撃が始まる。

1973年1stアルバムNEW YORK DOLLSリリース。ビルボード最高位116位を記録。翌1974年2ndアルバム『TOO MUCH TOO SOON』リリース。ビルボード最高位167位。1975年4月(本アルバム、『RED PATENT LEATHER』が収録されて間もなく)ジョニー・サンダース、ジェリー・ノーランが脱退。

 

『RED PATENT LEATHER』

Track List

A1. Red Patent Leather  A2. On Fire  A3. Something Else A4. Daddy Rolling Stone A5. Girls A6. Ain’t Got No Home A7. Dizzy Miss Lizzy

B1. Down Down Downtown B2. Pirate Love B3. Pills B4. Teenage News B5. Personality Crisis B6. Looking For a Kis

クレジットではシルヴェインプロデュースとなっている。正直、あまり音質は良くない(手を加える余地はあったのだろうか?)プロの録音とは思えないし、観客の声がよく聞こえることから、当日会場にいたファンがフロアで録音したものかもしれない。サンダースのギターがかなり聴き取りにくいことから、シルヴェインよりの立ち位置から録音されたのだろう。因みにこの日のライブの前座はTELEVISIONだったようだ。本作ではシルヴェインはピアノも披露している。またベースはアーサー・ケインに代わりピーター・ジョーダンが担当している。

失速しつつあるドールズのマネージャーの座に着いたマルコム・マクラレン。新曲のレッド・パテント・レザーを初めて耳にした時、何かピンと来るものがあったのか、すぐさまイギリスのヴィヴィアン・ウェストウッドに連絡を取り、5人分の真っ赤な衣装を発注したという。(ジャケットを見ての通り、かなり強烈な絵面である。また、あのケバいメイクをしていないのも何か狙いがあったのだろうか)このあからさまなコミュニスト・ルックで(ピストルズがロンドンでそうしたように)ニューヨークを挑発したかったのかもしれないが、残念ながらそこまでの影響力は持ち得なかった。この後、フロリダをツアー中に、ジョニー・サンダースとジェリー・ノーランはバンドを去ることを決意する。

Side A

A1. Red Patent Leather はヨハンセンとシルヴェインの手による重低音の横ノリのロックンロール。ヨハンセンの噛み付くようなヴォーカルとハープが申し分なくカッコいいし単純に曲が良い。A2. On Fireはこれもヨハンセンとシルヴェインの共作のシャッフル。ノーランのドラムがとてもスイングしている。シルヴェインのフックの効いたグレッチのアームを使ったリフも適度なアクセントになっている。ギターソロもシルヴェインだしコーラスワークもほとんどシルのようだ。A3. Something Elseはロックンロールのオリジネーター、エディ・コクランのナンバー。オリジナルよりも重たいノリ、ヨハンセンのルーズなヴォーカルも意外とハマっている。余談だがシド・ヴィシャスが後にコクラン・ナンバーを取り上げたのは、この辺にルーツがあるのではなかろうか。A4. Daddy Rolling Stoneはオーティス・ブラックウェルのオリジナル。サンダースの78年ソロ『SO ALONE』に収録される曲。ここではヨハンセンとシルヴェインがかけ合いで歌っているように聴こえる。ギターソロもシルヴェイン。ヨハンセンとシルヴェインが完全にイニシアチブを握っているようだ。A5. Girls 、これもヨハンセンとシルヴェインの共作による横ノリのロックンロール。A1といいこの曲といい、実にカッコよく仕上がっている。サンダースのギターがあまり聴こえないのが本当に惜しい。A6. Ain’t Got No Homeはクラレンス・フログマンのオリジナルでシルヴェインのニューヨーク・ライブにも収録されている。Dizzy Miss Lizzyはラリー・ウィリアムズの曲で、ビートルズで知られたナンバー。メドレーでプレイされて、シルヴェインがヴォーカルを取りヨハンセンはハープとコーラスを担当している。シャッフルからイーブンな8ビートに唐突に代わるが、なんなくこなすノーランのドラムが素晴らしい。

Side B

B1. Down Down Downtownはヨハンセンとサンダースの共作。シルヴェインはエレピを担当しており、なかなかの腕前でソロも披露している。この曲は後にサンダースのソロ『SO ALONE』に収録される。エレピが入ることでサンダースのバージョンとは一味違ういい雰囲気に仕上がっている。B2. Pirate Loveはサンダース作。後に彼のバンド、THE HEARTBREAKERSが録音することになる重要な曲。この曲でもシルヴェインはエレピを弾いている。サンダースのヴォーカルが少し力が入り過ぎているようだが悪くなく、この時点でほぼ出来上がっている感じ。B3. Pills1stアルバム収録、ボ・ディドリー・ナンバー。やはりというか、随分こなれた感じのタイトな演奏で、これぞドールズという雰囲気。B4. Teenage Newsはシルヴェイン作。シルヴェイン・シルヴェイン&クリミナルズ、79年ソロ『SYLVAIN SYLVAIN』に収録される。ここではヨハンセンがヴォーカルでシルヴェインがコーラスを担当している。この曲でもシルヴェインはエレピ。かなり達者な演奏を聴かせる。B5. Personality CrisisLooking For a Kissはどちらも1stアルバムに収録されている、ドールズ・ファンにはお馴染みの曲。

音質の残念さを書いてはいるが、それが逆にこのアルバムのリアリティを高める結果になっている気がする。文句無しの新曲を揃えてライブに挑んだ末期ドールズの、これは貴重なドキュメントであり遺産である。

『RED PATENT LEATHER』TOWER RECORDS

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