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書籍 JAMES CHANCEとポストNYパンク

JAMES CHANCEとポストNYパンク20057月に初版が発行された。ジェームス・チャンス、NO WAVE、当時のNYシーンを知ることが出来る良書である。

70年代後半~80年代のニューヨークのパンクシーンにおける鬼才中の鬼才、NO WAVEのカリスマ、ジェームス・チャンス。(彼が世に出るきっかけとなったのは、BRIAN ENOプロデュースによるアルバム『NO NEW YORK)

本書はそのチャンスを軸に、当時のNO WAVEシーンを知る様々な著名人の寄稿、エッセイや証言、当時のシーンが伺える貴重なモノクロの写真などで構成されている。

CONTORTIONSFRICTIONのチコヒゲの寄稿、同じくFRICTION のレックへのインタビュー、ZEレコードの創立者M.ジルカ、PHEWらによる証言、ロックマガジン(阿木譲編集)の再録、椹木野衣による評論、石川真一×小野島大の対談、現在のNYシーンのレポート、菊池成孔、大友良英のエッセイなど読みどころ満載である。

また当時の雰囲気を狙ってか、文章の文字の大きさ、フォントなどがページによって様々に使い分けられており、DIY臭たっぷり、全編モノクロではあるが、デザイン的にも魅力的なヴィジュアルの本である。

特に興味深いのは、冒頭のジェームス・チャンス100100とプロモーター石坂元氏によるルポ “潜入。これがチャンス邸だ!である。

前者は文字通り、チャンスへの100の質問である。

史上最高のロックアルバムは?の問いに対してはストゥージーズ「ファンハウス」、史上最高のジャズアルバムは?にはビリー・ホリデイ「ソリチュード」との答え。

楽器はよく練習しますか?の問いには「サックスよりもピアノを」と応えるあたりが興味深い。

潜入、これがチャンス邸だ!は来日公演の確認、顔合わせという意味合いがあっての自宅訪問となった模様。

チャンスは奥さんのジュディとペルシャ猫のビリーと、2LDKのマンションで3人?暮らし。

この日のために彼はわざわざリーゼントにしてくれていたり、帰りは駅まで送ってくれたり。短い文章ではあるが、チャンスの人となりが分かるぼのぼのとしたルポである。若かりし頃の武勇伝を知ると、恐い人のような印象があるが。

人生最良の日は?の問いに「妻のジュディと会った日」と応えるチャンス。やはり優しい人なのだ。

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