IAN DURY & THE BLOCKHEADS / NEW BOOTS AND PANTIES(イアン・デューリー/ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ) Vinyl Diary
『NEW BOOTS AND PANTIES』『NEW BOOTS AND PANTIES』は1977年9月30日にStiff Recordsから英国でリリースされたIAN DURY & THE BLOCKHEADS のデビュー・アルバムである。隣にいる子供は彼の実の息子のバクスターくん
イアン・デューリーは美術学校時代、友人たちとキルバーン&ザ・ハイローズを結成し、1st.アルバム『Wotabunch!』、2nd.アルバム『Handsome』リリース。過激なライブ・パフォーマンスで一部で話題になるも、商業的な成功は得られず、すぐに解散した。1977年、デューリーが34歳のとき、チャズ・ジャンケル(ギター)、チャーリー・チャールズ(ドラムス)、ノーマン・ワット=ロイ(ベース)、ジョニー・ターンブル(ギター)、ミッキー・ギャラガー(キーボード)と共に、イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズとして活動を開始。ファンキーな楽曲とステージングが話題を呼び、スティッフ・レーベルから発表されたシングル『Sex & Drugs & Rock & Roll』が全英チャート2位、1st.アルバム『New Boots and Panties!!』が全英チャート5位となる大ヒットになった。このタイトルは、デュリーが古着を購入する習慣に由来しており、彼が新しく購入することを主張した唯一の服のアイテムを指しているのだとか。パブ・ロックの範疇で語られるバンドではあるが、ファンクあり、レゲエあり、アーリー・ロックンロールありと、音楽的にはとても多彩。彼らを称してヒューマン・ディスコと呼ばれるが、それも納得のエモーショナルなグルーブを生み出す稀有なグルーブである。
『NEW BOOTS AND PANTIES』
Track List
A1.Wake Up And Make Love With Me、2.Sweet Gene Vincent、3.I’m Partial To Your Abracadabra、4.My Old Man、5.Billericay Dickie
B1Clevor Trever、2.If I Was With A Woman、3.Blockheads、4.Plaistow Patricia、5.Blackmail Man
Personnel
Ian Dury – vocal Chaz Jankel – guitars, keyboards Norman Joseph Watt-Roy – bass Charley Charles – drums
Additional : Davey Payne – saxophones Edward Speight – ballad guitar Geoff Castle – Moog synthesizer
Side A
正確で一切ムダの無い音、グルーブで聴かせるA1.Wake Up And Make Love With Me がオープニング・ナンバー、揺蕩うようなグルーヴで聴かせる。ジーン・ヴィンセントへのリスペクトを歌うタイトル通りのsweetなロックンロール、2.Sweet Gene Vincent。ポップなレゲエ・チューン、3.I’m Partial To Your Abracadabraはキュートでメロディアスなナンバー。デューリーが呟くように歌う4.My Old Manは良く歌うワットーロイのベースが印象的、ジャンケルのギター・ソロも味わい深い。5.Billericay Dickie は軽快な2ビート・チューン。デューリーのヴォーカルを盛り立てるバックのアレンジと演奏力はなんとも味わいのある素晴らしさである。
Side B
韻を踏んだヴォーカル、16ビートのB1.Clevor Trever はシンプルでグルーヴィーななチャールズのドラムがひたすら気持ち良い。変則的なファンク・チューンを巧みな演奏で聴かせる2.If I Was With A Womanは文句の付けようがない凝っていてシャレたアレンジ、そして演奏がとにかく上手い!パブ・バンドの面目躍如の4.Plaistow Patricia はアップ・テンポな8ビートのノリノリのロックンロール。クロージング・ナンバー5.Blackmail Man はゴリゴリのパンク・チューン、デューリーが、がなり吠えるエンディング。バラエティに富んでいてひたすら飽きさせない、繰り返し聴ける名盤である。
1986年、故忌野清志郎さんがTHE BLOCKHEADS をバックにアルバム『RAZOR SHARP』をレコーディングし、そのままツアーも行っている。
イアン・デューリーは2000年3月、癌のため亡くなった。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。