LENNY KRAVITZ/5(レニー・クラヴィッツ/ファイブ) Vinyl Diary
『5』『5』は、アメリカの歌手、レニー・クラヴィッツが1998年にリリースした、5枚目のアルバムである。
自信が殆どの楽器を演奏した衝撃の1st、ガンズのスラッシュ参加、クラッシック・ロックへのオマージュのような2nd、母国アメリカで初のトップ20入りを果たした3rd、ホーン・セクション、オーバー・ダブなしのストレートなR&Rの4th、そして本作である。
これまでのレニー作品との違いはレコーディング・ソフトによるコンピューター編集の導入である。リズム・トラックはサンプリング、ループ、打ち込みによってクラブ・ミュージックにも通じる洗練されたお洒落感が漂う曲もある。
とはいえ、これまで通り、自信が全ての楽器を演奏している曲も多く、上記のデジタル感はほんの一部といった感じだ。それよりも1番の違いは直球勝負的なロックンロールが鳴りを潜め、替わりに16ビートを基調としたファンク、ソウル・ナンバーが圧倒的多数ということだ。
Side A
いつもと変わらぬレニー節、エッジの立ったベースが効いた激しいファンクのオープニングチューン、A-1、「Live」。打ち込みっぽい音だが、自信が叩く生ドラムのソウル・ナンバー、A-2、「Supersoulfighter」。ミュージック・ビデオも秀逸な切ないスロー・ナンバー、A-3、「I Belong To You」。
Side B
B面に移ってハモンドとクラビネットが心地良い、B-1、「If You Can’t Say No」。奥行きを感じるパーカッション、ずっと流れていて欲しい感じのフェンダー・ローズが入る16ビート、B-2、「Thinking Of You」。
Side C
C面に入り(2枚組のため)ファンキーなワウ・ペダルが耳に残る、C-2、『It’s Your Life」。アルバム中唯一バンド・スタイルで演奏したインスト・チューン、C-3、「Straight Cold Player」。
Side D
D面に入りスペイシーなギターとアコギで聴かせるバラード、D-2、「Can We Find A Reason」。ボーナス・トラックの、D-3、「American Woman」と、D-4、「Without You 」
前述した通り、ファンク、ソウル・ナンバーが殆どであるにも関わらず、激しいビートあり、優しく切ないナンバーもありで、これまでのレニー・クラヴィッツ作品同様、存分に楽しめるアルバムとなっている。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。