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THE CRAMPS / LOOK MOM NO HEAD!(クランプス / ルック・マム・ノー・ヘッド!)  VINYL DIARY

『LOOK MOM NO HEAD!』 

『LOOK MOM NO HEAD!』は1991年にリリースされたクランプスの5thアルバム。

THE CRAMPS HISTORY

1972年 ラックス・インテリアとポイズン・アイビー、カリフォルニア州サクラメントで出会う。

1976年クランプス結成。NYパンク・シーンの中心CBGBに参入し、精力的にライブを行う。

1980 アルバム『Songs the Lord Taught Us』 でデビュー。ギターにブライアン・グレゴリー、ドラムスにニック・ノックス。Vo + G×2 + Ds という4人編成。

1981 2ndアルバム『Psychedelic Jungle』 ブライアン・グレゴリーに代わりガン・クラブのキッド・コンゴ・パワーズがギタリストとして加入。

コンピレーション盤『Gravest Hits』

1983  ライブ盤 『Smell of Female』リリース。

1986 3rdアルバム『A Date with Elvis 』このアルバムからセカンド・ギターに代わりベースを導入。適切なプレイヤーが見つからずポイズン・アイビーが一時的にベースも兼任する。シングル『キャン・ユア・プッシー・ドゥ・ザ・ドッグ?」が全英で初のチャート・インを記録し、アルバムもヨーロッパでは25万枚のセールスを記録した。

1990 4thアルバム『Stay Sick』ベースにキャンディ・デル・マーが加入。アルバムは、1990年2月の全英アルバム・チャートで1週間62位を記録、シングル『ビキニ・ガールズ・ウィズ・マシンガンズ」で初めて全英トップ40入りを果たした。

1991 5thアルバム『Look Mom No Head! 』 、3曲入りCD『Eyeball In My Martini 』 リリース。ベースにスリム・チャンス、ドラムスにジム・スクラヴノスが加入。A.5  “Miniskirt Blues”にイギー・ポップがヴォーカルで参加。

 

1994 6thアルバム『Flamejob』ドラムスにハリー・ドラムディニィが加入。ラックスとポイズン・アイヴィーによるセルフ・プロデュース作品。

1997 7thアルバム『Big Beat from Badsville』カヴァー・デザインはラックスによるもの。

2003 8thアルバム『Fiends of Dope Island』ベースにチョッパー・フランクリンが加入。

2006年の夏ヨーロッパ、同年11月4日、アリゾナ州マーキー・シアターでのパフォーマンスが最後のライブとなった。

2009年2月4日、ラックス・インテリア、大動脈解離を患い、グレンデール記念病院で亡くなる。

~ABOUT THE CRAMPS~

ザ・クランプスは、シンガーのラックス・インテリアとギタリストのポイズン・アイビーの夫婦を中心に1976年に結成され、2009年まで活動した、激しいライブ・アクトでカルト的な人気を誇ったアメリカのバンドである。

その特異な音、ヴィジュアル・イメージからガレージ、サイコビリーといった枠組みで語られる。2人以外のメンバーはアルバムごとに流動的。結成してしばらくはヴォーカル+ツイン・ギター+ドラムスという編成でプレーしていた。(後にヴォーカル+ギター+ベース+ドラムスの編成)

パンクロックの要素とロカビリーを融合させた、サイコビリーとカテゴライズされることについて。ポイズン・アイビーは、自らサイコビリー・バンドだと名乗ったことはなく、初期のチラシでは「ロカビリー ブードゥー」という用語を使用していたという。また過去に「ブルースとR&Bからの影響が大きく、ロカビリーもブルースにルーツがあるため、我々は自分たちをブルース・バンドだとも考えている」と発言しているのも大変興味深い。

その他、B級映画、ホラー・ムービー、初期のロカビリー、リンク・レイやヘイゼル・アドキンスのようなR&Bや R&R、ベンチャーズやディック・デイルなどのサーフ・ミュージック、ザ・トラッシュメン、ザ・ソニックスのような1960年代のガレージ・ロック・アーティストに多大な影響を受けていた。またラモーンズやスクリーミン・J・ホーキンスからの影響も公言していたようである。

NYパンクを代表するミュージシャン、テレヴィジョンやミンク・デヴィル、ジョニー・サンダースと同様にクランプスも本国アメリカよりもヨーロッパで絶大な人気を誇った。例えば、1984年のヨーロッパ・ツアーでは、ハマースミス・パレでの4夜が完売。翌1985年、同じくロンドンのハマースミスで6晩、オデオンで3夜の他、イギリス全土でソールドアウトの会場が続出した。

『LOOK MOM NO HEAD!』 

Track List

1, “Dames, Booze, Chains and Boots”、2, “Two Headed Sex Change”、3, “Blow Up Your Mind”、4, “Hard Workin’ Man”、5, “Miniskirt Blues”、6, “Alligator Stomp”、7, “I Wanna Get in Your Pants”8, 、”Bend Over, I’ll Drive”、9, “Don’t Get Funny with Me”、10, “Eyeball in My Martini”、11, “Hipsville 29 B.C.”、12, “The Strangeness in Me”

The Cramps : Lux Interior – vocals、Poison Ivy Rorschach – guitar、Slim Chance – bass guitar、Jim Sclavunos – drums

『ルック・ママ・ノー・ヘッド!』は、ザ・クランプスの5thスタジオアルバムで、コンピレーションやライブも含めると通算10作目となる。ベースはスリム・チャンス、ドラムスはジム・スクラブノスが担当。本作もカバー・デザインはラックス・インテリア、ポイズン・アイビーがセルフプロデュースしている。また5. “Miniskirt Blues” には御大イギー・ポップがヴォーカルで参加している。

アルバム全体としては11曲のキャラクターが立っており、ヴァラエティに富んだ印象なのと、控えめながら華やかさを加えるポイズン・アイビーのアレンジ、プロデュースが冴えた1枚となっている。

 

1. “Dames, Booze, Chains and Boots”

オープニング・ナンバー。キレキレのポイズン・アイビーのギター、食い気味に歌うラックスのヴォーカル、タイトなスリム・チャンスのベース、弾けるような音でスネアを叩くジム・スクラブノス、王道の3コードのロッキン・チューン。

 

2. “Two Headed Sex Change”

ポイズン・アイビーの曲作りが光るナンバー。これまでのクランプスに無かった、ハイパーなセンス。鮮やかなグラデーションの音の重なりが楽しめる。

 

3. “Blow Up Your Mind”

計算された、キメ、緩急、タメの効いた演奏とアレンジでずいぶんシャレた、垢抜けた印象。

 

4. “Hard Workin’ Man”

フーチー・クーチー・マンを想起させるタメの効いたブルースだが、この曲でもこれまでのクランプスとはまた一味違うエッセンスが盛り込まれ遊び心のあるカラフルな印象。

 

5. “Miniskirt Blues”

イギーの好みそうなブルース調の曲である。御大イギー・ポップとの共演はラックス、ポイズンも念願だっただろう。メリハリのあるポイズン・アイビーのギターが良い。

 

6. “Alligator Stomp”

捲し立てるラックスのヴォーカルが印象的なモータウンっぽいR&B、かと思いきや途中で倍テン4ビートになって更に煽りまくる。

 

7. “I Wanna Get in Your Pants”

リフの元ネタはツイスト & シャウトだろうか。そうとは分かっていてもやはり一筋縄ではいかない凝ったアレンジで煙に巻かれる。ラックスは何気にソフトな歌い方。いつものクランプスよりもベースが比較的大きな音でミックスしてあるようで、プロデュースも兼ねたポイズン・アイビーがベーシスト、スリム・チャンスを信頼していることが分かる。

 

8. “Bend Over, I’ll Drive”

シンプルこの上ない8ビートのロックンロール。ディストーションで潰れたような音のポイズン・アイビーのギター。本アルバムでも彼女はかなりの拘りと計算をもって曲ごとにギターの音色を作っていると思う。

 

9. “Don’t Get Funny with Me”

オーセンティックな音作りのロカビリー・ナンバー。シンプルであるが故に非常に奥が深いが、余裕を感じさせる達者な演奏で好感が持てる。やはり只者ではないと思わせる。

 

10. “Eyeball in My Martini”

アップテンポな4ビートのナンバー。キャッチーだし、コマーシャルなタッチでクランプスの曲としてはかなりストレートな印象の曲である(ラックスのヴォーカルはいつもの感じだが)。派手さはないが、ポイズン・アイビーのキレの良い、ツボを得たギターと堅実、タイトなベースに好感が持てる。本作中1番パンキッシュなトラック。

 

11. “Hipsville 29 B.C.”

ギターとベースのユニゾンが妙に心地良いロッキン・チューン。ベーシスト、スリム・チャンスのバカテクぶりが窺える。

 

12.”The Strangeness in Me”

グループのあるスローなブルース調のバラード。リバーブやディストーションを控えめにした実にアーシーな味のある曲で、パッと聴いただけではクランプスとは気付かないほどに正攻法な演奏である。9. “Don’t Get Funny with Me”  といい、この曲といいルーツ・ミュージックへの愛に溢れるプレーで素晴らしいの一言に尽きる。

ロッコ : 本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。

  VINYL DIARY

 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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