THE ROLLING STONES / UNDER COVER(ザ・ローリング・ストーンズ/アンダー・カバー) Vinyl Diary
『UNDER COVER』電子ドラムなどの人工的な音と、ヒップ・ホップ、ダブ、アフリカンなどの多様なリズム・アプローチを取り入れつつ、ストーンズらしい荒々しい演奏を捉えた1983年リリースの意欲作。
ROLLING STONES : ローリング・ストーンズは、イギリスのロックバンド。1962年4月のロンドンで、ブライアン・ジョーンズ、イアン・スチュワート、ミック・ジャガー、キース・リチャーズによって結成、その後間もなくビル・ワイマンとチャーリー・ワッツが参加した。
ーEARLY STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ブライアン・ジョーンズ(G 1962〜69)
2017 『On Air 』
ーMIDDLE STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ミック・テイラー(G 1969〜74年脱退)
1971『Gimmie Shelter』
1973 『Goats Head Soup』
ーLATE STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ロン・ウッド(G 1974〜)
1976 『Black & Blue』
1983 『Under Cover』
1986 『Dirty Work 』
1995 『Stripped』
2016 『Blue & Lonesome』
『BLACK & BLUE』Personnel:
ミック・ジャガー (vo, g, harp) / キース・リチャーズ (g, vo) / ロン・ウッド (g) / チャーリー・ワッツ (ds) / ビル・ワイマン(b)
A1. Undercover Of The Night、2. She Was Hot、3. Tie You Up (The Pain Of Love)、4. Wanna Hold You、5. Feel On Baby
B1. Too Much Blood、2. Pretty Beat Up、3. Too Tough、4. All The Way Down、5. It Must Be Hel
この作品では「だらだらとセッションをしながら曲を作らない」「完全な新曲のみをアルバムに入れる」という方針で製作されたようだ。またこの時期のジャガーとリチャーズの仲は最悪で、2人が顔を合わせることすらあまりなかったという。
A面が実験的な要素が強く、B面はそれまでのストーンズ路線を踏襲、といった感じを受けた。
Side A A1. Undercover Of The Night
オープニング・ナンバー。正確なビートだがオーガニックな感じもあり、リチャーズのタイム感のルーズなギターと相まって独特なストーンズ流ダンス・ナンバーに仕上がっている。これまでのストーンズではあまり聴かれないチョッパーのベースが小気味良いし、隠し味的に聴こえるパーカッションも面白い。先行シングルとしてリリースされ、米チャート9位を記録している。賛否あるようだが、単純に実にカッコ良い曲。
2. She Was Hot
ストーンズらしい8ビートのロックンロール。この時代の特徴だとは思うのだが、ピアノとリズム・ギターが、演奏は荒々しいのに音の方は大人しいというか、少しキレイ過ぎるというか、曲が良いだけに。もっとダーティーな音で聴きたいから、この曲はライブの方がいいかも。この曲は2ndシングルとしてリリースされた。
3. Tie You Up (The Pain Of Love)
ミディアム・ナンバー。この曲ではリチャーズとウッドのギター、鍵盤が適度にミックスされており、パーカッションが控えめ、いかにもストーンズらしい音だと思う。ベースはウッドで、そのフレーズが多彩なことに驚く。
4. Wanna Hold You
リチャーズがヴォーカルをとるアッパーなロッキン・チューン。ジャキジャキのリズム・ギターがストーンズらしく、ギター・バンド、ストーンズを楽しめる。ここでもベースはウッドが担当しているようだ。
5. Feel On Baby
レゲエ・ナンバー。装飾的な電子ドラムや、加工された感じの音のギターによって、都会的なというか、都市のレゲエ、ダブといった雰囲気の曲。このトラックにハープを乗せるあたり、オシャレ。
Side BB1. Too Much Blood
ホーンが印象的なリフを奏でる16ビート。控えめな単弦弾きのリズム・ギターと、電子ドラムが新鮮に響く。装飾的なパーカッション、ギター、鍵盤、ホーンが全編に渡ってかなり緻密に散りばめられている。
2. Pretty Beat Up
この曲ではリチャーズがベースを担当。(このアルバムではビル・ワイマンはあまり仕事してないな)固くタイトな音を聴かせる。エモーショナルなツイン・ギターを芯に据えた洗練されたスワンプといった感じの仕上がり。デビッド・サンボーンのサックスが実に良くマッチして、このトラックを盛り上げている。
3. Too Tough
いつものストーンズ、ツイン・ギターの絡みだけで聴けるルーズなロックンロール。なのだが、ここでもちょっとお行儀良くまとまり過ぎてるかなという感が。粒立ちが良くて各楽器の音がハッキリと聴こえるのは嬉しいのだが。
4. All The Way Down
3に続き、ここでも鍵盤、パーカッションは控えめで、5人だけのピュアな演奏といった感じの1曲。アルバム後半に来てやっと、いつものストーンズ色に染まってきた感じがする。
5. It Must Be Hel
ホンキー・トンク〜っぽい、リチャーズらしさ全開のリフ、大きなノリのミディアム・ナンバー。ジャガーのヴォーカルとリズム・ギターが作るウネリが心地良い。ソロのスライド・ギターはウッドか。この曲ではリチャーズとウッドが存分にプレーを楽しんでいるような。
時代に取り残されまいとトレンドを積極的に取り入れたがるジャガー、自分たちのルーツを堅持したいリチャーズ、2人の意識のずれは互いの敵対意識を増大させることになり、次回作『Dirty Work 』でそれは決定的なものとなる。
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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。