THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND/THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND(ポール・バタフィールド・ブルース・バンド) Vinyl Diary
『THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND』『The Paul Butterfield Blues Band 』1965年発売の1stアルバム。全編、ブルース愛が詰まった熱い大名盤である。
61年、シカゴの大学在学中にタルサ生え抜きのギタリスト、エルビン・ビショップと出逢い意気投合。2人は“The Buttercups”というバンドを結成し演奏活動を始める。1965年23歳の時、“The Paul Butterfield Blues Band”ポール・バターフィールド・ブルース・バンドを結成。当初のメンバーは、ポール(Vo,Harp)、マイク(Read Guit.)、エルヴィン(Rhy.Guit.)、マーク・ナフタリン(Organ)、ジェローム・アーノルド(Bass)、サム・レイ(Drams)の6人。シカゴでも有名になりつつあったバンドは、ロードアイランドで行われたニューポート・フォーク・フェスティバルへの出演を依頼され、1965年7月、そのステージに立ったものの、多くのフォーク・ファンは彼らのエレクトリック・ブルースに対してブーイングを発した。しかし、この時彼らの演奏を聴いて大きなショックを受けたBOB DYLAN(ボブ・ディラン)は、すぐにポールに声をかけ自分のステージのバックで演奏してくれるよう依頼する。(当時フォーク界でナンバー1の地位にいたボブ・ディランはこのフェスの大トリで、エレキ・ギターを携えてステージへ上がり、“プラグ・イン”、「ライク・ア・ローリング・ストーン」、「マギーズ・ファーム」などを披露。ステージから去るとき、彼のフォークソングを期待していた観客からはブーイングの嵐だった)結果的にこの出来事がバンドの知名度を上げることになった。エレクトラ・レコードと契約、1966年、「Born In Chicago」でレコード・デビュー。翌1966年「EAST-WEST」をリリース(ドラムス担当はサム・レイからビリー・ダヴェンポートに代わる)その後、レイ、67年にはブルームフィールドやアーノルドが相次いで脱退。The Paul Butterfield Blues Band黄金のラインナップでのアルバムはこの2作品のみである。
THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND DISCOGRAPHY
1965年『The Paul Butterfield Blues Band 』
1966年『East-West』
1967年 The Resurrection of Pigboy Crabshaw
1968年 In My Own Dream
1969年 Keep On Moving
1971年 Sometimes I Just Feel Like Smilin’
『The Paul Butterfield Blues Band 』
Personnel : Paul Butterfield(ポール・バターフィールド)/vo,hp、Mike Bloomfield(マイク・ブルームフィールド)/gt、Elvin Bishop(エルヴィン・ビショップ)/gt、Jerome Arnold(ジェローム・アーノルド)/ba、Mark Naftalin(マーク・ナフタリン)/or、Sam Lay(サム・レイ)/ds,vo
Track List
A 1. Born In ChicagoA 2. Shake Your Money-Maker A 3. Blues With A Feeling A 4. Thank You Mr. Poobah A 5. I Got My Mojo Working A 6. Mellow Down Easy
B 1. Screamin’ B 2. Our Love Is Drifting B 3. Mystery Train B 4. Last Night B 5. Look Over Yonders Wall
Side AA 1. Born In Chicago、オリジナルはNick Gravenites作。ソリッドでズ太いロッキン・ブルース。オープニングを飾るだけあってパーフェクトな演奏。本アルバム中ベスト・トラックの1曲。A 2. Shake Your Money-Makerはアップ・テンポ、ハネたリズムのエルモア・ジェイムスのカバー。ブルームフィールドの熱いスライド・ギターが楽しめる。A 3. Blues With A Feelingはリトル・ウォルター作、ミディアム・テンポのアーバン・ブルース。A 4. Thank You Mr. Poobahはオリジナルのインスト・ナンバー。ここではナフタリンの饒舌なオルガンソロが聴ける。A 5. I Got My Mojo Workingは御大マディ・ウォーターズで知られた曲で、シャッフル調の軽快なナンバー。ヴォーカルはドラムのレイで、結構マディに肉迫する仕上がり。A 6. Mellow Down EasyはChess Recordsの重鎮ウィリー・ディクソンのカバー。ディクソンはウッド・ベースのプレイヤーとしては勿論、ソングライターとしても優れた人であった。
Side BB 1. Screamin’はブルームフィールド作のインストで、ハウリン・ウルフの”Shake for Me”タイプの曲。シカゴ・ブルースのお手本のような演奏である。B 2. Our Love Is Driftingはバタフィールドとビショップの共作。ブルームフィールドのエモーショナルなギターが素晴らしい。B 3. Mystery Trainはジュニア・パーカー作で、エルヴィスが歌ったことで有名な曲。この曲は映画「ラスト・ワルツ」でもバタフィールドが熱く歌っていた。もちろんバックを務めたのはザ・バンド。そのバージョンも最高。B 4. Last Nightはこのアルバムで2曲目のリトル・ウォルター作のスロー・ブルース。B 5. Look Over Yonders Wall、オリジナルはジェームス・クラーク。エルモア・ジェイムスがタイトルを替えて(“Look on Yonder Wall”)歌ったことで知られる。ここでは原曲より早いテンポで疾走感のあるナンバーに仕上がっている。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。