T・REX/LIGHT OF LOVE(T・レックス/ライト・オブ・ラブ) Vinyl Diary
『LIGHT OF LOVE』『LIGHT OF LOVE』はT・レックスの2枚のアルバムから選曲された74年リリースのUSオンリー・アルバム。本盤は2015年4月18日 RECORD STORE DAY 限定商品。
マーク・ボラン(本名:マーク・フェルド)は1947年9月30日に英イースト・ロンドン生まれ。
1965年11月にマーク・ボーランド名義でソロ・デビュー。マーク・ボラン名義でセカンド・サード・シングルをリリースするが不発に終わる。ジョンズ・チルドレンにギタリストとして加入するも、3か月で脱退。その後アコースティック・デュオ「ティラノザウルス・レックス」を結成。何枚かの秀作を発表し、評論家筋をはじめ音楽的にも評価を高めた。路線を変更(アコースティックなものからややエレクトリック寄りのものとなっていく)し、1970年に「T・レックス」に改名してからヒット曲を連発。70年代にグラムロックムーブメントの第一人者として活動する。1977年9月16日、交通事故により他界。享年29歳。
T・レックスアルバムディスコグラフィー
1970 『T.Rex』( T・レックス)
1971年『Electric Warrior』 (電気の武者)
1972年『Bolan Boogie』 (ボラン・ブギー)※ベスト盤
1972年『The Slider』 (ザ・スライダー)
1973年『Tanx』 (タンクス)
1974年『Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August」 (ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー)
1974年『Light Of Love』
1975年『Bolan’s Zip Gun』 (ブギーのアイドル)
1976年『Futuristic Dragon 』(銀河系よりの使者)
1977年『Dandy In The Underworld』』 (地下世界のダンディー)
『LIGHT OF LOVE』
Track List
A1.Light Of Love、2.Solid Baby、3.Precious Star、4.Token Of My Love、 5.Space Boss、6.Think Zinc
B1. Till Dawn、 2.Teenage Dream、3.Girl In The Thunderbolt Suit、4. Explosive Mouth、5.Venus Loon
74年英国盤9作目『ZINC ALLOY AND THE HIDDEN RIDERS OF TOMORROW』からの3曲(B2、Teenage Dream、B4、Explosive Mouth、B5、Venus Loon)に、のちに75年英国盤10作目『BOLAN’S ZIP GUN』に収録される8曲をコンパイルした米国オンリー編集盤。TONY VISCONTI無しのMARC BOLAN自身による初プロデュース作品。ブギー・サウンドから一歩踏み出し、ソウル・ミュージック/ファンクの要素を取り入れ、新たな世界を模索した作品。シングル「Teenage Dream」はファンタジックな浮遊感と宇宙的な拡がりを感じる荘厳なバラードで、全英チャート12位を記録した。
これまでのT・レックスと大きく異なるのは先にも書いたようにブラック・ミュージックのエッセンスが欲しかったのか厚みのある女性コーラスが大胆に取り入れられていること、また管楽器と特にピアノの比重が大きくなっていること、(そのせいか?)ボランのあの特徴的な代名詞ともいえるギター・リフが殆ど聴けないこと、が挙げられるだろうか。
不思議なのは、A3.Precious Star、A4.Token Of My Loveなどは楽曲でいえばかなりブルース色の濃いナンバーなのだが、ボランのあの声で歌われると、不思議と黒っぽさが中和され、なんともいえない軽みを帯びた軽快なトラックになるのである。その辺のバランス感覚は流石であるし、その上各曲緻密で遊び心のあるアレンジも飽きさせない。耳に残るメロディ、ポップでキャッチーな曲満載で、かつてポスト・ビートルズの最有力候補といわれたのも頷ける充実した内容のアルバムとなっている。
各曲のキャラが立っていて、どれもシングルカット出来そうな仕上がりなのが、かえってこのアルバムのカラーを無色にしてしまっているのかもしれないが、先入観無しで耳を傾ければ全11曲、実に心地良いロックンロールアルバムである。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。