THE ROLLING STONES/BLUE & LONESOME(ザ・ローリング・ストーンズ/ブルー&ロンサム) Vinyl Diary
『BLUE & LONESOME』キャリア54年目にしてグループ初となる全曲ブルースのカバー・アルバム、2016年リリース
ROLLING STONES : ローリング・ストーンズは、イギリスのロックバンド。1962年4月のロンドンで、ブライアン・ジョーンズ、イアン・スチュワート、ミック・ジャガー、キース・リチャーズによって結成、その後間もなくビル・ワイマンとチャーリー・ワッツが参加した。
ーEARLY STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ブライアン・ジョーンズ(G 1962〜69)
2017 『On Air 』
ーMIDDLE STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ミック・テイラー(G 1969〜74年脱退)
1971『Gimmie Shelter』
1973 『Goats Head Soup』
ーLATE STONESー
ミック・ジャガー(Vo)、キース・リチャーズ(G)、チャーリー・ワッツ(Dr 1962〜2021)、ビル・ワイマン(B 1962〜93年脱退)、ロン・ウッド(G 1974〜)
1976 『Black & Blue』
1983『Under Cover』
1986 『Dirty Work 』
1995 『Stripped』
2016 『Blue & Lonesome』
『BLUE & LONESOME』 Track List
A1.Just Your Fool、2.Commit A Crime、3.Blue And Lonesome
制作期間は約3日間(!)でオーバーダブも殆どされてないらしい。エリック・クラプトンが45年ぶりにストーンズのアルバムに参加しているのも話題になった。全編通してミックのヴォーカルとハープが全開、ギミック使わず荒々しい音のまま仕上げたような手触りがあり、そのプリミティブさが大変な魅力である。
A1.Just Your Fool
オープニングはバディ・ジョンソン作の腰にクル、横ノリのブルース。いきなり猛々しいジャガーのハープが飛び込んできて、それは完全に振り切れている。ギミック無しの、ラウドでシンプルでプリミティブなプレー・スタイルに熱くなる。
2.Commit A Crime
ハウリン・ウルフ作の1コードのディープなブルース。ロニーの軽快なギター・リフが前に出てくるが、キースのギターも裏でかなり効いている。チャーリー・ワッツのスネアの音が、まるでスタジオ、目の前で聴いているかのようで、実に良い。ジャガーのヴォーカルはエネルギーに満ち溢れていて、ハープも非常にエモーショナル。
3.Blue And Lonesome
リトル・ウォルターによるタイトル・ソングは、スロー・ブルース。ウッドの重く、タメの利いたギター、歪んだ荒い音のリチャーズのギター、ジャガーの情熱的な歌い方、全てが非常にバランス良く仕上げられている。
B1.All Of Your Love
ブルース・ギターの名手マジック・サム作のスロー・ブルース。何かが憑依しているようなミックの表現力が凄まじく、実にイキイキと歌っている。ブルージーなピアノ・ソロはチャック・リーヴェル?エンディングのギターはリチャーズか。
2.I Gotta Go
リトル・ウォルターのアッパーなロッキン・ブルース。ノリノリのミックのハープ、ヴォーカルが共に素晴らしい。この曲でも、ツヤがあり、良く伸びる声を披露している。
3.Everybody Knows About My Good Thing
リトル・ジョニー・テイラーの、3連のスロー・ブルース。クラプトン?の粘りがあり、流れるようなスライド・ギターは見事としか言いようがない。荒っぽくもエモーショナルなギター・ソロはリチャーズか。後半に向かって熱くなる演奏がたまらない。
C1.Ride ‘Em On Down
エディ・テイラー作の横ノリのブルース・チューン。ギターの音が目一杯振り切れてる感じで大変な凄みがある。ウッドが歌心あふれるギター・ソロを披露。ワッツのドラムが生み出すグループも素晴らしい。
2.Hate To See You Go
リトル・ウォルター作のシンプルな1コードのブルース。アンプリファイドされたジャガーのハープ、歪み気味のヴォーカル、ここでも大変な瞬発力と、説得力のある演奏である。
3.Hoo Doo Blues
オーティス・ヒックス、ジェリー・ウェストによる重い、スロー・ブルース。ここでのスライド・ギターはウッドか。タイトル通り、ディープで呪術的な演奏が楽しめ、一体感のあるプレーが聴ける。
D1.Little Rain
ストーンズが昔からよく取り上げているジミー・リード作。2本のズ太く温かいギターの絡みが妖艶なまでに美しい。ジャガーのヴォーカルもセクシーだ。音に隙間があるので、ことのほか、各楽器の音の良さが際立っている。
2,Just Like I Treat You
ウィリー・ディクソン作のノリノリのロッキン・ブルースをストーンズはタイトな演奏でまとめている。リチャーズの刻むズ太いギター、コロコロ転がるピアノが小気味良い。フロントを煽るワッツのドラムも力強くて素晴らしい。
3.I Can’t Quit You Baby
ウィリー・ディクソン作。クラプトン参加。ギタリスト3人が、ぶつかることなく、実に芳醇で贅沢な音での演奏である。ジャガーを初めメンバー皆がグルーブに酔い、嬉々としてプレーしているのが目に浮かぶようだ。ジャガーが曲中、イェーを度々発するのも分かる熟練の演奏である。
初期のストーンズとはまた違う、熟成された荒々しさみたいなものを感じる傑作である。
THE ROLLING STONES & KEITH RICHARDS ブログ 一覧
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。