THE KILLS/LITTLE BUSTERS(ザ・キルズ/リトル・バスターズ) Vinyl Diary
『Little Bastards』Bサイドとレア音源を収録し、さらに全曲リマスターを施したアルバム、2008年リリース
The Kills (ザ・キルズ) は、ジェイミー・ヒンス(通称ホテル イギリス出身)とアリソン・モシャート(通称ヴィヴィ アメリカ出身)からなるデュオ/バンド。繊細なヴォーカルと攻撃的でローファイなギターが奏でるガレージ・ロック、パンク、ブルースをルーツとするサウンドでUKロックの隆盛を支え、絶大な支持を得る。
THE KILLS 2人の出会い:ディスカウントというバンドでイギリス公演中だったヴィヴィが泊まったホテル。そこにはたまたまホテルも滞在しており、彼の部屋から漏れ聴こえる音楽にヴィヴィが興味を持って近付いたことで、2人は運命的な出会いを果たす。意気投合した2人は、ヴィヴィがアメリカに帰国してからも大西洋をはさんでお互いの自作の音源のやり取りを続け、その後合流。2001年にデモテープ発表。
ディスコグラフィー
2002年、ドミノから『Black Rooster EP』でデビュー。
2003年3月、1stアルバム『Keep on your mean side』リリース。
2005年2月、2ndアルバム『No Wow』リリース。
2008年3月、3rdアルバム『Midnight Boon』リリース
2011年4月、4thアルバム『Blood Pressures』リリース
2016年6月、5thアルバム 『Ash & Ice』リリース。
2020年12月、 『Little Busters』(Bサイドとレア音源の全曲リマスター編集盤)リリース。
現在まで6枚のアルバムをリリースしている。
『Little Bastards』
Track List
A-1 「Superpowerless」 、A-2 「Passion Is Accurate 」、A-3. 「Kiss The Wrong」 、A-4. 「Raise Me」、A-5. 「Night Train」 、B-1.「Half Of Us」 、B-2.「London Hates You」 、B-3. 「Call It Art」 、B-4. 「Forty Four」 、B-5. 「Love Is A Deserter」 (XFM session) 、C-1. 「The Search For Cherry Red」 、C-2.「Magazine」 、C-3.「Blue Moon」 、C-4. 「Jewel Thief」 、C-5.「Baby’s Eyes」 、D-1.「I Put A Spell On You」 、D-2.「Run Home Slow」 、D-3.「Weed Killer」 、D-4.「The Void」 、D-5.「Sugar Baby 」
楽曲は初のシングルをリリースした2002年から、3rdアルバム『Midnight Boom』をリリースをした2009年に至るまでの期間に制作された全20曲となっている。。
Side Aエッジの立ったギター・リフの A-1 「Superpowerless」 がオープニング・ナンバー。オモチャのリズム・マシンみたいな音が楽しい A-2 「Passion Is Accurate 」。 爆音ギターに乗るヴィヴィの声ががセクシーな A-3. 「Kiss The Wrong」 。 ホテルのブルージーなギターが良い A-4. 「Raise Me」は『Midnight Boom』期の未発表デモ。 A-5. 「Night Train」 は『Midnight Boom』のデジタル・ボーナス・トラック。
Side Bチープなリズム・トラックの上を尖った、ギラギラしたホテルのギターが縦横無尽に泳ぐ B-1.「Half Of Us」 。気怠いムードの B-2.「London Hates You」 。 B-3. 「Call It Art」 は、SERGE GAINSBOURG(セルジュ・ゲンスブール)のカバー。スタジオ・アルバムから漏れたのが不思議なくらい良い仕上がり。 比較的、原曲に忠実なB-4. 「Forty Four」 ハウリン・ウルフのカバー、ホテルが嬉々として弾く姿が目に浮かぶ。 B-5. 「Love Is A Deserter」 (XFM session) 、はアルバム・ヴァージョンよりもエキサイティング。
Side Cズ太くブルージーなギター・リフの C-1. 「The Search For Cherry Red」 。 C-2.「Magazine」 、は、アコースティック・ギターで演るガレージ、パンク・ロックの理想的な形で文句無しに良い。 ストレートなロックンロール・チューン C-3.「Blue Moon」 。 C-4. 「Jewel Thief」 、C-2と同じ系譜のアコースティック・パンク、カッコいい。 アコースティック・ギターとヴィヴィのヴォーカルだけのプリミティブな演奏の C-5.「Baby’s Eyes」 。
Side DD-1.「I Put A Spell On You」 、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカバー、ヴィヴィのヴォーカルはなかなか健闘している。 ブギー調の爆音ガレージ・チューンD-2.「Run Home Slow」 。 よく練られたホテルのギターのアレンジが聴きごたえがあるD-3.「Weed Killer」 。 メロディの起伏はあまりないものの、飽きずに聴けてしまうキルズ・マジックの D-4.「The Void」 。 かなり実験的なD-5.「Sugar Baby 」、ドッグ・ボッグスのカバー。ヴェルヴエッツの影が見え隠れする。
全20曲。オリジナル・アルバムに引けを取らない、充実した内容の1枚である。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。