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THE KILLS/KEEP ON YOUR MEAN SIDE(ザ・キルズ/キープ・オン・ユア・ミーン・サイド) Vinyl Diary

KEEP ON YOUR MEAN SIDEバンド名は怖いけど、2人組いう最小限のユニットで作られる独特の音世界。ガレージ、ブルース、パンクを独自に吸収〜消化したチープでオシャレなデュオ、それがザ・キルズ!2003年にこのアルバムでデヴュー。

ザ・キルズ (The Kills) は、ジェイミー・ヒンス(通称ホテル イギリス出身)とアリソン・モシャート(通称ヴィヴィ アメリカ出身)からなるデュオ/バンド。繊細なヴォーカルと攻撃的でローファイなギターが奏でるガレージ・ロック、パンク、ブルースをルーツとするサウンドでUKロックの隆盛を支え、絶大な支持を得る。

THE KILLS 2人の出会い:ディスカウントというバンドでイギリス公演中だったヴィヴィが泊まったホテル。そこにはたまたまホテルも滞在しており、彼の部屋から漏れ聴こえる音楽にヴィヴィが興味を持って近付いたことで、2人は運命的な出会いを果たす。意気投合した2人は、ヴィヴィがアメリカに帰国してからも大西洋をはさんでお互いの自作の音源のやり取りを続け、その後合流。2001年にデモテープ発表。

ディスコグラフィー

2002年、ドミノから『Black Rooster EP』でデビュー。

20033月、1stアルバム『Keep on your mean side』リリース。 

20052月、2ndアルバム『No Wow』リリース。

20083月、3rdアルバム『Midnight Boon』リリース

20114月、4thアルバム『Blood Pressures』リリース

20166月、5thアルバム  『Ash & Ice』リリース。

202012月、 『Little Busters』(Bサイドとレア音源の全曲リマスター編集盤)リリース。

現在まで6枚のアルバムをリリースしている。

KEEP ON YOUR MEAN SIDETrack List

A1.Superstition、2.Cat Claw、3.Pull A U、4.Kissy Kissy、5.Fried My Little Brains、6.Hand
B1.Hitched、2.Black Rooster、3.Wait、14.Fuck The People、5.Monkey 23、6.Gypsy Death And You

デヴュー後しばらくしてからその存在を知ったのだが、ヴィジュアルを見た時『絶対好きなタイプのバンドのはず』と思って聞いてみたら案の定ドンピシャ。それからはずっとリアルタイムで追いかけている(ライブは未見)音はもちろんだがジャケット含めたヴィジュアルがとにかくカッコいい。初めて聴いた時は随分ギターをオーバーダビングして作ってるなあと思ったのだけど、youtubeなどで動画を見てビックリ、ホテルが全部1人で指弾きでステージでそっくりそのまんまを再現していることにとても驚いた。

ホテルが下でヴィヴィが上のユニゾンのツイン・ヴォーカルや、2人の掛け合いで進むヴォーカルスタイル。基本的にはホワイト・ストライプス やジョン・スペンサーにも通じるようなギター・ロックで、ワン・コードのリフでザクザク、グイグイ引っ張っていく感じの曲が多い。プログラミングでリズムを取り入れており、その宅録感覚というのか、あえてチープな音を取り込んだりしているところが非常に面白い。

Side  Aシンプルなリズムと重いパワー・コードのリフで始まるA1.Superstition、がオープニング・ナンバー。爆音のギターが実に気持ち良く響く。 16ビートに乗ったツイン・ボーカルが楽しめる2.Cat Claw。 重低音のギター・リプで聴かせるミディアム・チューン 3.Pull A U。 A-4.Kissy Kissyはクリック音とリムショットだけを残したようなリズムトラックに黒っぽいギターが乗っかるプルージーなスローナンバー。ホテルのこういうギタースタイルからおそらく弾き語りブルースをかじってるんだろうなと思う。ギターの音が抜群に良い! 効果的にカッティングを取り入れたリフがカッコいい 5.Fried My Little Brains、は16ビート曲。 A面ラストをかざる6.Gipsy Death & You は循環コードのシンプルなアコギに乗せてヴィヴィがチャーミングに歌う佳曲。リズムに使われてるのはフットストンプのみで、これ以上ないくらいにシンプル。歌い終わった後のヴィヴィの笑い声がとっても可愛い。

Side BB-1.Hand は、ヴィヴィの歪んだ声で、語りのみの50秒、こういう遊び心が良い。 B-2.Hitched はホテルのギターの低音が全面に出た新感覚のブギーといった雰囲気。 B-3 Black Rooster はなんとなくシカゴ・ブルースを思わせるブルース・チューン。 4. Waitはホテルのアコースティック・ギターとヴィヴィのタンバリンで淡々と進むスローでメロディアスな曲。簡単なコードでとてもチープでプリミティブな仕上がりだが、充分に聴かせる。 ノリノリのギター・ロック、これもブギー・タイプのハネるリズムのナンバーで、リズムを強調するべくハープも入った 5.Fuck The People、はガレージ×ブルースといった雰囲気で、本作中ベスト・トラックに挙げたい。 轟音のギターとヴィヴィの可憐なヴォーカルが見事に融合したバラード6.Monkey 23、がクロージング・ナンバーとなる。

ガラクタ(だけど2人とっては宝物)ばかりを集めて秘密基地を作ったらこうなったよ!そんな印象の、愛おしく、かっこいいアルバム。

2ndアルバム『No Wow』に続く

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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