THE KILLS/BLOOD PRESSURES(ザ・キルズ/ブラッド・プレッシャーズ) Vinyl Diary
『BLOOD PRESSURES』前作『Midnight Boom』から3年の月日を経て2011年にリリースされた
The Kills (ザ・キルズ) は、ジェイミー・ヒンス(通称ホテル イギリス出身)とアリソン・モシャート(通称ヴィヴィ アメリカ出身)からなるデュオ/バンド。繊細なヴォーカルと攻撃的でローファイなギターが奏でるガレージ・ロック、パンク、ブルースをルーツとするサウンドでUKロックの隆盛を支え、絶大な支持を得る。
THE KILLS 2人の出会い:ディスカウントというバンドでイギリス公演中だったヴィヴィが泊まったホテル。そこにはたまたまホテルも滞在しており、彼の部屋から漏れ聴こえる音楽にヴィヴィが興味を持って近付いたことで、2人は運命的な出会いを果たす。意気投合した2人は、ヴィヴィがアメリカに帰国してからも大西洋をはさんでお互いの自作の音源のやり取りを続け、その後合流。2001年にデモテープ発表。
ディスコグラフィー
2002年、ドミノから『Black Rooster EP』でデビュー。
2003年3月、1stアルバム『Keep on your mean side』リリース。
2005年2月、2ndアルバム『No Wow』リリース。
2008年3月、3rdアルバム『Midnight Boon』リリース
2011年4月、4thアルバム『Blood Pressures』リリース
2016年6月、5thアルバム 『Ash & Ice』リリース。
2020年12月、 『Little Busters』(Bサイドとレア音源の全曲リマスター編集盤)リリース。
現在まで6枚のアルバムをリリースしている。
『BLOOD PRESSURES』track list
A-1.FUTURE STARTS SLOW、2.SATELLITE、3.HEART IS A BEATING DRUM、4.NAIL IN MY COFFIN、5.WILD CHARMS、6.DNA
B-1BABY SAYS、2.THE LAST GOODBYE、3.DAMNED IF SHE DO、4.YOU DON’T OWN THE ROAD、5.POTS AND PAN
ホワイト・ストライプス 、ストロークスらと共に、ロックンロール・リバイバルを牽引する男女デュオザ・キルズの4th『BloodPressures』
前作はトリプルエクスチェンジとのタッグで作られたが、今回はセルフ・プロデュース、しかもホテルとヴィヴィのたった2人でギター、ピアノ、メロトロン(オルガン式サンプラー)など全ての楽器を演奏、無駄を削ぎ落としたソリッドなサウンドを敏腕トム・エルムハーストがミックスし、エモーショナルで重厚なサウンドに仕上げている。
Side A混声のツイン・ヴォーカルがクールな、A-1「FUTURE STARTS SLOW」、はよりスケールが大きくなったことを予感させるオープニング・ナンバー。 続く 2.SATELLITE、もツイン・ヴォーカル、スキなく作り込まれている印象で、歌そのものに意識がシフトしたものと思われる。 ヴィヴィのセクシーなヴォーカルとローファイな魅力がたっぷり詰まった、A-3『HEART IS A BEATING DRUM』。 非常にシンプルなバッキングで、ヴィヴィのヴォーカルが全面にフィーチャーされた 4.NAIL IN MY COFFIN。 珍しくホテルがメイン・ヴォーカルの短い、スローなナンバーの 5.WILD CHARMS。 落ち着いたトーンのミディアム・ナンバー、心地良い揺らぎの6.DNA。
Side Bバンドの新境地とも言うべき、ポップでキュートなラブ・ソング、B-1『BABY SAYS』。同じく新境地、柔らかくこもったピアノの音色だけをバックに、甘くソフトにヴィヴィが歌う、B-2『THE LAST GOODBYE』。 キルズらしい、マイナーで重い8ビート、3.DAMNED IF SHE DO。 キルズ・ミーツ・キンクスなリズムがカッコいい 4.YOU DON’T OWN THE ROAD。 プリミティブなリズムとツイン・ボーカル、枯れたアコースティック・ギターで奏でるキルズ流ブルース、B-5「POTS AND PAN』でアルバムを締めくくる。
このアルバムから5年後の2016年6月にバンドは5thアルバム『Ash & Ice』をリリースする。
ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。 またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。