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THE LIBERTINES/リバティーンズ革命(ザ・リバティーンズ/リバティーンズ革命)

THE LIBERTINES

’04年にリリースされたTHE LIBERTINESの2ndアルバムである。

Peter Doherty(ピーター・ドハーティ):1979312日生まれ、英・ノーサンバーランド出身のミュージシャン。陸軍士官の父の影響で欧州各地の駐屯地で育つ。大学中退後はロンドンへ移り、ザ・リバティーンズを結成。2002年のデビュー・アルバムで一躍スターダムへのし上がり、商業的成功を収める。度重なるドラッグ中毒やスキャンダルによるトラブル・メーカーでもある。モデルや俳優、執筆活動など多岐に渡って才能を発揮。

THE LIBERTINESは、Pete Doherty  :  ヴォーカル、ギターCarl Barât  :  ヴォーカル、ギターJohn Hassall  :  ベースGary Powell  :  ドラムスの4人。ガレージ・ロック・リバイバル・ムーブメントにおけるバンドの1つ。バンドの中心人物、作詞・作曲を共同で行っていたカール・バラーとピート・ドハーティは当初は目立った成功を収められずにいたが、2000年代前半からしだいに注目を集め、2002年デビュー・アルバム『Up The Bracket(リバティーンズ宣言)をリリース。ついにはイギリスチャートでアルバム1位、シングル2位を獲得するバンドとなった。200412月にリリースされた2ndアルバム『The Libertines』(リバティーンズ革命)ではNME年間ベストアルバムで2位に選ばれた。成功の一方で、バンド内部ではドハーティのドラッグ中毒を原因とするトラブルが絶えず、結果的にこれが2004年の解散につながった。断続的に再結成〜フェス出演などを繰り返し20159月、3rdアルバム『Anthems for Doomed Youth』をリリース。現在までに3枚のスタジオ・アルバムをリリースしている。

THE LIBERTINES

 A :1.CAN’T STAND ME NOW  2.LAST POST ON  THE BUGLE  3.DON’T BE SHY  4.THE MAN WHO WOULD BE KING  5.MUSIC WHEN THELIGHTS GO OUT  6.NARCISSIST   7.THE HA HA WALL

B:1.ARBEIT MACHT FREI  2.CAMPAIGN OF HATE   3.WHAT KATIE DID  4.TOMBLANDS  5.THE SAGA  6.ROAD TO RUIN   7WHAT BECOME THE LIKELY LADS

まずはこのバンド、曲作りのセンスが抜群に良いことを挙げたい。Aメロに入る前のイントロ部分、意表をつくAメロ導入部、Bメロ、サビ、ブリッジやブレイクの組み立て方、展開の仕方など、言うことのないクオリティの高さである。

加えてメロディに合わせたテンション・コードの使い方なども卓越している。ただ、曲のクオリティに対して演奏能力が比例しているとは言えず、ある意味雑で荒々しく、そこがこのバンドの魅力の一つだと思う。

またフロント・マンの2人のヴォーカルが交互に頻繁に変わるのだけれども、ここまでマイクを奪い合うようにして歌うスタイルも最近のグループにはあまり見かけることがなく、新しく感じる。もしかしたら、自分が書いたリリック部分は自分が歌う、というようなやり方なのだろうか。もちろん、このハモり、ビートルズ的とはいえ、かなり荒削りである。こういったコーラス・ワークも、リハーサルが充分でない、出たとこ勝負的な雰囲気が合って、危うさ、不安定さがうかがえるのだけれども、そこがかえって魅力的に映る。

Side  A

オープニング・ナンバーの、1. CAN’T STAND ME NOW、と、2. LAST POST ONTHE BUGLE  、は上記したバンドの良さが全て詰まったような2曲で、バンドの持ち味全開である。 9thコードを多用しているミディアム・ナンバー、3. DON’T BE SHY、は激しくもタイトな演奏がブルージーに響く。 下手うまなツイン・ギター、乏しいテクニックを気合いとメロディアスな曲調でカバーする 4.THE MAN WHO WOULD BE KING  。 美しく切ないバラード、 5.MUSIC WHEN THELIGHTS GO OUT。痛快極まりないガレージ・チューン、6.NARCISSIST 7.THE HA HA WALL はマイナー調のシンプルなパンク・チューン。ここでも、ドハーティーの歌うメロディの良さが光る。

Side B

1.ARBEIT MACHT FREI 3分に満たないメロディアスでハイ・テンポなパンク・チューン。 2本のギターのくっきりと分かれた絡みがグルーブを生むミディアム・チューン 2.CAMPAIGN OF HATE。 愛らしいキュートなバラード、ギターの下手さがサイコーな、3.WHAT KATIE DID 。 下を歌うバラーと上を歌うドハーティーの見事なユニゾンのヴォーカルが楽しめる4.TOMBLANDS 5.THE SAGA  もアッパーなパンク・チューン。短い曲ながらドラマティックな展開に作られている。 バラーが歌うミディアム・マイナー・チューン 6.ROAD TO RUIN は皆のコーラスが加わって賑やかな仕上がり。 クロージング・ナンバー、 7. WHAT BECOME THE LIKELY LAD S、はギター・ポップ風なロックンロール。曲後半隠しトラックなのか、クレジットはないが、2人のアコースティック・ギター弾き語りが聴ける。これが部屋で生録りしたかのようなプライベートな音で、そのギターの下手上手さもあいまってなんとも言えない妙味というのか、非常に聴かせるトラックに仕上がっている。

ガレージ、パンク・チューンとミディアム・テンポ、それからスローな歌と、バラエティに富んだ楽曲がバランスよく並べられていて飽きが来ない。カバー曲ばかり演奏していた頃の初期ビートルズの雰囲気も感じるカッコ良いアルバムである。ここからバンドは3rdアルバム『Anthems for Doomed Youth』リリースまで、11年を要することになる。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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