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PRIMAL SCREAM/MAXIMUM ROCK’NROLL THE SINGLES vol.1(プライマル・スクリーム/マキシマム・ロックンロール1)

Maximum Rock ‘n’ Roll: The Singlesvol.1

プライマル・スクリームの35年に渡る活動を網羅したシングル・コレクションで、Volume.1はVelocity Girl」(1986年)からKill All Hippies2000年)までのシングル曲全17曲を発売順に収録した2枚組アナログ盤である。

 

プライマルスクリーム

プライマル・スクリームは1982年にスコットランドのグラスゴーでボビー・ギレスピーとジム・ビーティによって結成されたロックバンドである。 プライマル・スクリームはその長きにわたる活動の中で、音楽性を多分に変化させてきており、アルバム毎にかなり趣向が変わるのが特徴である。

ヒストリー

1984年、バンドはクリエイション・レコーズと契約し、ビーティが作り出す12弦ギターの音色が特徴的な「オール・フォール・ダウン」、「クリスタル・クレッセント」というシングル2枚を発売した。(レビューには、しばしザ・バーズ、スモール・フェイセズなどが引き合いに出され )

1987年、ファーストアルバム『ソニック・フラワー・グルーブ』を発売。メディアの高い評価とは裏腹に商業的な成功は収められなかった。

1989年に発売されたセルフタイトルのセカンドアルバム『プライマル・スクリーム』は、ガレージ色の濃いアルバムとなった。アルバムはインディチャートでトップとなる。

1991年「ローデッド」を含むバンドの出世作『スクリーマデリカ』発売。アルバムは50万枚のヒットを飛ばした。

1994年、70年代中期のローリング・ストーンズを模倣したような内容の『ギブ・アウト・バット・ドント・ギブ・アップ』発売。

1997年「コワルスキー」を先行シングルに、『バニシング・ポイント』発売。ダブの影響が色濃い作風となった。『バニシング・ポイント』は1971年アメリカで公開されたロード・ムービーで公開から年月が経った当時でもカルト的な人気を持っていた。アルバムタイトルはこの映画から採られたもので、「コワルスキー」はこの映画の主人公の名前である。同曲中には映画の中から取られた台詞、音声がいくつもサンプリングされている。

同年10月にはエイドリアン・シャーウッドによるダブ・リミックス・アルバム『エコー・デック』発売。

0001月に発売された『XTRMNTR(エクスターミネーター)』はクリエイション・レコーズ最後のアルバムとなった。今までにない政治的姿勢を打ち出した攻撃的な歌詞が並んだ。売り上げはさほど伸びかったものの、多数のメディアから好意的なレビューを贈られた。

2002年「ミス・ルシファー」を先行シングルに『イーブル・ヒート』発売。前作の路線を継承しつつパンクっぽさは減った。

20066『Riot City Blues 』発売。近作のエレクトロニクス路線から大きく転換したストレートなロックンロール・アルバムになった。

20087月、Bユニークレーベル移籍後第1弾となるアルバム『ビューティフル・フューチャー』発表。

2013年、イグニッション・レコードから5年ぶりのスタジオ・アルバム『モア・ライト』リリース。同アルバムではジェイソン・フォークナー(元ジェリーフィッシュ)大部分の曲でベースを弾いた。

2016年『カオスモシス』リリース。

2018年10月『Give Out But Don’t Give Up: The Original Memphis Recordings』                   

2019年『Maximum Rock & Roll The Singles vol.1』『Maximum Rock & Roll The Singles vol.2』

2021年『Riot City Blues Sessions』

 

Maximum Rock ‘n’ Roll: The Singlesvol.1

このシングル・コレクションは2019年にリリースされた。発売順にシングル曲が収められていて、プライマルの作品の変遷が分かりやすく編集されている。

【収録曲】

[LP1]

A1. Velocity Girl、A2. Gentle Tuesday、A3. Imperial、A4. Ivy Ivy Ivy、A5. Loaded

B1. Come Together、B2. Higher Than the Sun (The Orb Mix)、B3. Don’t Fight It, Feel It (7″ Edit)、B4. Movin’ on Up 

[LP2]

A1. Rocks、A2. Jailbird、A3. (I’m Gonna) Cry Myself Blind、A4. Kowalski

B1. Star、B2. Burning Wheel、B3. Swastika Eyes、B4. Kill All Hippies (Brendan Lynch Edit)

中心人物のボビー・ギレスピーは元ジーザス&ザ・メリーチェーンのドラマーだったことは知られた話。そのバンドを蹴ってまで、このグルーブで勝負したかったということなのだろう。アルバム前半は舌足らずで初々しさの残る演奏を聴かせている。やはり転機にになったのはA-5「ローデッド」だろうか、この辺りから”何を演っても自分達の音に出来る”という確固たる自信が感じられるようになったと思う。

僕がこのバンドを好きになったのはもろ趣味って感じの、ストーンズ風の演奏を聴かせてくれるLP2枚目A-1「ロックス」くらいからで、そこから遡って初期の作品を知っていった。今でこそ大物感の漂う彼らではあるけれども、こうして初期から通して聴くと、トライ&エラーを繰り返して少しずつ少しずつ強靭なグルーブになっていった経緯がよく分かる。ロック界の至宝である。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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