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DAVID BOWIE/THE MAN WHO SOLD THE WORLD(デヴィッド・ボウイ/地球を売った男)

THE MAN WHO SOLD THE WORLD

地球を売った男』197011月にリリースされたボウイ3枚目のスタジオ・アルバムである。

David Bowieデヴィッド・ボウイ(本名:デヴィッド・ロバート・ジョーンズ 194718日ー2016110)

スタジオ・アルバム・ディスコグラフィー

DAVID BOWIE』(1967 6/1)

SPACE ODDITY』(1969 11/4)

『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』 (1970 11/4)

HUNKY DORY』(1971 12/17)

ZIGGY STARDUST』(1972 6/16)

ALADDIN SANE』(1973 4/13 )

PIN UPS』(1973 10/19)

『DIAMOND DOGS』(1974 4/24)

   YOUNG AMERICANS」(1975 3/7)

STATION TO STATION』(1976 1/23 )

『LOW』(1977 1/14)

HEROES』(1977 10/14)

LODGER』(1979 5/18)

SCARY MONSTERS』(1980 9/12)

「LET’S DANCE』(1983 4/14)

TONIGHT』(1984 9/1)

NEVER LET ME DOWN』(1987 4/27)

TIN MACHINE』(1989 5/22)

TIN MACHINE Ⅱ』(1991 9/2 )

BLACK TIE WHITE NOISE』(1993 4/5)

OUTSIDE』(1995 9/26)

EARTHLING』(1997 1/30)

HOURS』(1999 10/4 )

HEATHEN』(2002 6/11 )

REALITY」(2003 9/16)

『THE NEXT DAY』(2013 3/13)

  BLACKSTAR』(2016 1/8 )

『THE SOUL TOUR 74』(2020 8/29)

TOY』(2021 11/26)

THE MAN WHO SOLD THE WORLD

Track List

A-1. THE WHIDTH OF A CIRCLE』、2.All THE MADMEN』、3.BLACK COUNTRY ROCK」、 4.AFTER All

B-1RUNNING GUN BLUES」、2.SAVIOUR MACHINE』、3.SHE SHOCK ME COLD』、4.THE MAN WHO SOLD THE WORLD』、5.THE SUPERMAN

Personnel

David Bowie – lead vocals, acoustic guitarMick Ronson – electric guitarTony Visconti – bass guitarWoody Woodmansey – drums,percussionRalph Mace – moog synthesiser

1969年、シングル「スペース・オデッセイ」がトップ・ファイブに入るヒットを記録したものの、アルバムの方の売れ行きはさほどではなく、実父が亡くなったことも重なり、ボウイは自分を見失ないかけていた。事態が好転したのは、翌702月にマーキーでミック・ロンソンと出会い、意気投合してからである。ロンソンはベースのトニー・ヴィスコンティに、自分はクラプトンやベックみたいにギターを弾くから、それに負けないようジャック・ブルースみたいに弾いてくれ、と伝えたという。ドラムはミック・ウッドマンジー。ここにボウイの新しいグループのメンバーが揃った。

一聴して分かるのは、4人編成のバンドの音だということで、いくつかの装飾的な音は入っているにせよ、ギターですら過度なオーバーダブはされていない。だから余計にバック3人の演奏が重要なわけだが、先のロンソンの言葉からも分かるように、シンプルながらも、かなり骨太なロックに仕上がっている。特にベースのヴィスコンティのこれでもか的な弾きまくるベースの圧が凄まじい。ボウイをサポートして余りあるロンソンのギターも、この時点で完全に自分のスタイルを確立しており、素晴らしいの一言に尽きる。また、このアルバムはモリッシーのお気に入りの一枚ということでも知られている。

Side  A

ロンソンのギターのフィードバックから始まるA-1、「THE WHIDTH OF A CIRCLEヴィスコンティとウッドマンジーの派手なリズム隊、ボウイの12弦ギター、ロンソンの実に心地良いリズム・ギターで成るロックンロール。組曲のような、緩急のある凝った構成で、8分超えの長尺ナンバー。ボウイの声と艶やかなロンソンのギターが美しい、オープニング・ナンバーに相応しい1曲。 2.All THE MADMEN』、ミディアム・テンポのトラック。メロディメイカー、ボウイのセンスが光る。ロンソンのギターのハーモニーにも注目したい。 A-3BLACK COUNTRY ROCK」は耳馴染みの良いキャッチーなナンバー。ここでのボウイのヴォーカルはマーク・ボランを模しているかのようだ。 A面ラストはフォーキーなワルツ4.AFTER All」。マイナーのシンプルな曲だが、細部までスキの無い、凝った音作りで飽きさせない。

Side B

B1曲目のB-1 RUNNING GUN BLUES」、はロンソンの豪快なスライド・ギターが聴ける。 これもワルツ調、ヘビーなリズムの2.SAVIOUR MACHINE、作り込まれた悲しげなメロディがボウイらしい。バンドの派手でタイトな演奏にヴォーカリスト、ボウイの表現力も負けていない。 ロンソンのワウ・ギターで始まるB-3SHE SHOCK ME COLD」ではバンドはかなりラウドな演奏。長めにロンソンにソロが与えられており、その腕前を存分に楽しめる。ロンソンの向こうを張る、ギター並みに弾きまくるヴィスコンティのベースも凄い。 タイトル・ナンバー、4.THE MAN WHO SOLD THE WORLD』はミディアム・テンポの心地良いフォーク・ロックといった雰囲気の1曲。オルガンらしき音も加わり、デビュー前のボウイを思い出させるモッズなテイストも。アルバムラストを飾るのは 5.THE SUPERMAN、大胆なコーラスが取り入れてありゴージャスな仕上がりの1曲。歯切れの良いボウイのヴォーカルと、ここでもロンソンのリズム・ギターのカッコ良さが光る。ギター・ソロは3つ重ねてあり、厚みのあるハーモニーが美しい。

2作のソングライターとしてのボウイとロックンローラーとしてのボウイが絶妙にブレンドされた名盤である。ここから次作HUNKY DORYへと進んでいく。

 

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ロッコ :本ブログVINYL DIARY(ビニール・ダイアリー)主催。レコードのことをビニール(又はヴァイナル)と呼ぶことから、この名称に。これまで少しずつ収集してきたロック、ジャズのアナログ盤、CDのレヴューを細く永く日記のように綴っていきたいと思っている。  またH・ペレットの雅号で画家としての顔も持つ(過去、絵画コンクールにて複数回の入選、受賞歴あり)ここ最近は主にミュージシャンの絵を描いている。(ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ、トム・ウェイツ、他)絵画に興味ある方はご覧ください。

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