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TOM WAITS/RAIN DOGS(トム・ウェイツ/レイン・ドッグズ)

トム・ウェイツ1985年発表の名作。本国アメリカではそれほどヒットはしていないが、評論家やミュージシャン筋からの評価が高く、ウェイツを紹介する時には大抵名前が挙がってくる作品で、ジャケットも見覚えのある方が多いと思う。

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トム・ウェイツ

Tom Waits、本名:Thomas Alan Waits1949127日生まれ)は、アメリカカリフォルニア出身のシンガーソングライター、俳優。

ヒストリー

〜アサイラム・レコード期〜

1972年、アサイラム・レコードと契約し、1973年にアルバム『Closing Time 』でデビュー。商業的には成功しなかったが、同作収録曲「オール55」をイーグルスがカヴァーして話題となった。1974年、ジャズ色を強めた2ndアルバム『The Heart Of Saturday Night』(ブログ)リリース。1975年、ライブ・アルバム『Nighthawks At The Diner』(ブログ)リリース。1976年、初のヨーロッパ・ツアーと3rdアルバム『Small Change』(ブログ)で初めて全米アルバム・チャートのトップ100にランク・イン(最高位89位)。1977年1月には初の日本ツアーを行う。同年4thアルバム『Foreign Affairs 異国の出来事』(ブログ)リリース。ベット・ミドラーとのデュエットを披露した。1978年3月には、二度目の日本公演を行う。同年5thアルバム『Blue Valentine 』リリース。また、映画『パラダイス・アレイ』で俳優デビューを果たす。1980年、ピアノよりもギターを全面に出した6thアルバム『Heartattack and Vine 」をリリース。この年、以後長きに渡ってトムの盟友となるベーシスト、グレッグ・コーエン、妻となるキャスリーン・ブレナン、映画監督のフランシス・フォード・コッポラらと出会う。1982年、トムが初めて音楽を担当した映画作品『One From The Heart』(監督:フランシス・フォード・コッポラ)公開。(トムは俳優としても端役で出演)クリスタル・ゲイルとの連名による同名のサウンド・トラック・アルバムはアカデミー編曲・歌曲賞にノミネートされた。

〜アイランド・レコード期〜

1983年、実験的な音作りの7thアルバム『Swordfishtrombones 』リリース。19858thアルバム『Rain Dogs』(ブログ)キース・リチャーズの参加が話題となった。(翌年ウェイツはストーンズのアルバム『Dirty Work』に参加した)1986年、初主演映画『Down  By Law』公開。19879thアルバム『Franks Wild Years』リリース。アルバムに伴うツアーの模様は録音・録画され、1988年、ライブ・アルバム『Big Time』及び同名ドキュメンタリー映画として発表された。1992年、再びリチャーズと共演した10thアルバム『Bone Machine』で、最優秀オルタナティヴ・レコード賞を受賞。1993年、トムが音楽を担当したミュージカル11thアルバム『The Black Rider リリース。

〜アンタイ・レコード期〜

1999年、アンタイ・レコードに移籍、12thアルバム『Mule Variations 』は初めて全米トップ40入りを果たし、ノルウェーなアルバム・チャートでは1位を獲得した。同作はグラミー賞のベスト・コンテンポラリー・フォーク・アルバム部門を受賞。2002年、13thアルバム『 Blood Money 14thアルバム『Alice (両方とも、トムとキャスリーンが関わったミュージカルの楽曲を再録音したもの)を同日にリリース。2004年、15thアルバム『Real Gone 』は、ピアノを一切使わないという新境地を見せた。2006年、アルバム未収録だった楽曲と新曲を合計54曲収録した3枚組CD16thアルバム Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards 』リリース。2009年ライブ・アルバム『Glitter and Doom Live』リリース。2011年、新録音のスタジオ・アルバムとしては7年振りの作品17thアルバム『Bad as Me リリース。久しぶりのキース・リチャーズの参加を得た同作でデビュー以来初の全米トップ10入りを果たし、ノルウェーでは自身にとって2度目のアルバム・チャート1位獲得を果たした。

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RAIN DOGS

トム・ウェイツの作品には駄作がない。1枚1枚渾身の力で取り組んでいるのが伝わる好盤ばかりである。そんな中でも本作は全19曲の重量級のアルバムである。

彼の音楽はデビューして最初に所属したアサイラム期と79年末に移籍したアイランド期でかなり趣が変わる。デビューして約6年間過ごしたアサイラムの頃は、ジャズ、ブルースをベースに、スポークン・ワードを加えて独自の世界観を作り上げていった。アイランドに移ってからはそこに更に雑食性、オルタネイティブな風合いをプラスしていく。このアルバムは移籍後1枚目”ソードフィッシュ・トロンボーン”に次ぐアルバムとなる。またレイン・ドッグの次の作品”フランクス・ワイルド・イヤーズ”の3つを合わせてフランク3部作と呼ばれている(フランクは幼少期に別離したウェイツの実父の名前)

このアルバムの特徴としてはギターに比重が置かれていることが挙げられる。ウェイツ本人も数曲でオルガン、ピアノを披露する程度で、殆どの曲でギターを弾いている。また以下に紹介する参加ギタリストが豪華なのも見逃せない。

キース・リチャーズはもちろんローリング・ストーンズのギタリスト。この人の客演はかなり珍しいのだが、ウェイツからのラブ・コールによって競演が実現したらしい。レコーディングの際には、トラックに機材を満載にして夜の9時か10時だかにスタジオに現れて、参加した3曲を撮り終えたのは朝4時頃だったようだ。

クリス・スペディングはエリオット・マーフィーやロバート・ゴードンらとの活動で有名な職人的な技巧派のギタリスト。

ロバート・クワインはリチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズやルー・リードのバンドへの参加で有名な個性的な音色を奏でるギタリスト。

マーク・リーボウ(当時)ラウンジ・リザーズのギタリスト。同グループからはアルト・サックスでジョン・ルーリーも参加している。

以上のようなギタリストがアルバムに華を添えている。

アルバムの中身に簡単に触れると、ウェイツが吠えるエキゾチックなオープニング・ナンバー1、「シンガポール」。マリンバ?とパーカッションが妖しげな2、「クラップ・ハンズ」。映画ダウン・バイ・ローの冒頭で流れる、個人的には名曲と位置付ける4、「ジョッキー・フル・オブ・バーボン」。キースのギターが抜群にカッコいい6、「ビッグ・ブラック・マリア」。マーク・リーボウのアウトするギターが楽しめる7、「ダイヤモンズ&ゴールド」。アルバムの中では一番オーソドックスなロッカ・バラード8、「ハング・ダウン・ユア・ヘッド」。

B面に移ってタンゴっぽいアコーディオンで始まる表題曲1「レイン・ドッグズ」調子っ外れなピアノが可笑しく、アヴァンギャルドなジャズな3、「ナインス&ヘネピン」。ウェイツが珍しくバンジョーを弾く4、「ガン・ストリート・ガール」。キース得意のロックンロール5、「ユニオン・スクエア」。カントリー風の切なく感動的なバラード6、「ブラインド・ラブ」。ジョン・ルーリーのサックスがいい味の7、「ウォーキング・スパニッシュ」。多くのカバー・バージョンを生んだ名曲8、「ダウンタウン・トレイン」他。インストルメンタル2曲を含む、聴きどころ満載捨て曲なしの強力な全19曲である。

Rain Dogs タワーレコード・オンライン

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